本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
大気社は、ビル・工場向け空調工事および自動車メーカー向け塗装設備を主力とする建設会社。1913年にドイツ系商社・レイボルド商館を母体として空調会社として設立。当初は輸入建材の販売・据付を手掛けていたが、1930年代からはビル・工場向け空調工事へと進出。特に紡績メーカー向け工場空調では独占的地位を築いた。1950年代にはいすゞ自動車・マツダから塗装ブースを受注し、自動車メーカー向け塗装ブースでも高シェアを確立。カメラ・フィルム・医薬品・電子業界向けのクリーンルームにも進出。1980年代にはアメリカ・中東・タイなどに海外展開を進め、日産自動車・本田技研工業のほか外資系自動車メーカーにも顧客基盤を拡大。2020年代にはデータセンター・半導体工場向けの空調工事を拡大した。現在では海外売上高比率が約50%を超え、自動車メーカー向け塗装ブースでは国内首位・世界シェア2位に位置する。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:70(最上位)
一般知名度は極めて低いが、建設業界でもトップクラスの待遇を誇る。景気後退局面にも利益を確保できる安定性に加えて、建設業界では珍しくグローバル展開にも成功した企業である。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:中難易度
総合職の採用人数は年間90名〜100名と企業規模の割には大量採用。マニアックな事業内容かつ一般知名度は極めて低く、選考倍率は高くなりにくい。高い待遇を思えば穴場感は強い。
採用大学:【国公立】大阪大学・東北大学・神戸大学・筑波大学・信州大学・三重大学・岩手大学・琉球大学・電気通信大学・名古屋工業大学・北見工業大学など、【私立】早稲田大学・同志社大学・関西大学・立命館大学・日本大学・関東学院大学・芝浦工業大学・金沢工業大学など(出典:マイナビ2028)
業績動向
✔売上高と営業利益
大気社の売上高は2023年まで2,000億~2,250億円ほどで推移していたが、2024年には過去最高となる2,935億円まで急増している*1。営業利益は2023年まで90億~155億円ほどで横ばいが続いていたが、2026年には過去最高となる233億円まで上振れている。
*1:2024年から売上高・利益が増加した理由は、①半導体・電子部品・データセンター向けの産業空調の販売拡大、②自動車メーカー向け塗装システムの大型案件の順調な進捗、③為替レートの円安推移による為替効果、④海外での大型案件の工事遂行による大幅増収、など。
✔セグメント別の状況
大気社は、環境システム事業(ビル空調・産業空調設備の設計・管理・施工、アフターサービスなど)、塗装システム事業(自動車メーカー向け塗装設備の設計・施工、アフターサービスなど)、の2事業を有する。
当社の事業構造は、温度・湿度・清浄度・気流を精密に制御する「空気の制御技術」を中核として、ビル・産業空調および自動車塗装ブースを展開することで成立している。環境システム事業では、オフィスビル向けの一般空調に加えて、半導体・電子部品・医薬品・食品工場など高度な温湿度・清浄度管理を必要とする産業空調を手掛ける。最近では半導体工場やデータセンターなど大型設備投資の恩恵も受けており、成長分野となっている。塗装システム事業では、自動車メーカー向けの塗装設備で世界シェア2位に位置しており、塗装ブース・乾燥炉・搬送設備・ロボット・制御設備などを一括施工している。自動車メーカー向けでは塗装品質を一定に保ちながら、温度・湿度・粉じん・排気まで含めて工場全体を最適化することが求められるため、空調事業で培った気流制御・省エネルギー技術が塗装システムの競争力につながっている。
✔最終利益と利益率
大気社の純利益は2023年まで70億〜90億円ほどで安定していたが、2024年には過去最高となる156億円まで上振れしている。営業利益率も長期的に4%〜8%ほどで推移しており、COVID-19感染拡大期などの景気後退局面にも着実な利益確保ができている。
✔自己資本比率と純資産
大気社の自己資本比率は長期的に50%前後の高水準で安定しており、負債に依存しすぎない事業運営ができている。安定的な利益体質を加味すれば、財務健全性は十分以上である。純資産は緩やかな増加傾向が続いており、2026年に1,702億円に到達している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
大気社の平均年収は年度による上下変動が大きいが、長期的には920万~1,100万円ほどで推移している*2。2025年には平均年収1,181万円まで上振れしており、建設業界トップクラスの給与水準を誇る。総合職の場合、30歳で年収850万〜950万円ほど、課長職レベルで年収1,250万~1,550万円ほどが目安。
*2:当社はいわゆるサブコンに該当するが、給与水準は相当に高い。この要因は、①大手デベロッパー・大手メーカーから好採算案件の受注を勝ち取っている点、②残業・出張に伴う手当が厚い点、など。
✔従業員数と勤続年数
大気社の単体従業員数は2021年から微増傾向にあり、2026年には1,824人の組織体制となっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は5,260人ほど。平均勤続年数は15.2年(2026年)と大手企業の標準的な水準となっている。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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