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TOPIX Core30企業は就職勝ち組でモテる?|優良企業ではあっても必ずしも勝ち組とはいえない理由を解説!

就職・転職活動において大企業への就職をめざす人が「TOPIX CORE30企業に就職すれば勝ち組だ」という考えを抱くことはよくあることです。たしかに『TOPIX CORE30企業勤務』という肩書は魅力的ですが、その考えは本当に正しいのでしょうか。

そこで今回は、「TOPIX CORE30企業に就職したら本当に勝ち組でモテるのか?」について考察していきます。日経平均225社への就職・転職を考えていれば、ぜひ一読してみてください。

TOPIX CORE30企業とは?

TOPIX Core30は、東京証券取引所(東証)が算出している株価指数のひとつで、時価総額と流動性(売買の活発さ)が特に高い日本の代表的な大型株30銘柄で構成されています。いわば、日本の株式市場を代表する優良企業の集まりと言えるでしょう。

現在のTOPIX CORE30銘柄は以下の通りです(2024年9月15日時点)。

セブン&アイHDソニーグループ東京エレクトロン
信越化学工業キーエンス三菱商事
武田薬品工業ファナック三菱UFJFG
アステラス製薬村田製作所三井住友FG
第一三共トヨタ自動車みずほFG
リクルートHD本田技研工業東京海上HD
SMCHOYA日本電信電話
ダイキン工業任天堂KDDI
日立製作所伊藤忠商事ソフトバンク
ニデック三井物産ソフトバンクG

日本取引所グループのJPX総研は、TOPIX CORE30株価指数のリアルタイムグラフを公開しています。

株価指数リアルタイムグラフ – TOPIX Core30(JPX総研

この指数グラフを確認することで、「1998年4月1日を1000ポイントとした場合に、現在のCORE30企業の株価がどれだけの水準にあるか」を把握することができます。

CORE30が勝ち組とされる理由

①日本経済を牽引する企業群である誇り

日本には3,953社の上場企業があります(2024年9月15日時点)。ここからTOPIX CORE 30に選ばれるということは、上場企業のなかでも上位0.75%に選ばれたということです。

上場会社数・上場株式数(東京証券取引所

東証プライム市場に絞っても1,641社がありますが、同市場への上場には「時価総額・流通株式数・財務状態・ガバナンスなど」の厳しい条件があります。それでもこれだけの上場企業があるのです。

TOPIX CORE 30に選ばれるということは、日本を経済を牽引するトップ企業というお墨付きを得たといっても過言ではないでしょう。

②株式市場からの高評価

TOPIX CORE 30に選ばれることは「株式市場から将来への成長・業績を期待されている企業」ということを意味しています

TOPIX CORE 30指数の算出式および算出方法は以下の通りです。

東証指数算出要領(東京証券取引所

① 直近 3 年間の売買代金(東証の立会取引における売買代金とする。以下同じ。)合計額の順位が、TOPIX の算出対象の中で 90 位以上の銘柄の中から、時価総額が大きい順に 15 銘柄選定する。
②それ以外の 15 銘柄については(以下省略)

東証指数算出要領(東京証券取引所

特に①の条件からは、「東京証券取引所における売買代金が大きい上位90社の中から時価総額が大きい順」ということが読み解けます。これは、株式市場において当社株式が高値で活発に取引されていることが必要となります。

つまり、数多くの株式投資家が将来への成長期待・企業価値に期待して高値で取引している企業こそがTOPIX CORE 30に選ばれているということが言えます。

CORE30を就職の参考にする盲点

他方で、CORE30はあくまでも「東京証券取引所の全銘柄のうち、時価総額、流動性の特に高い30銘柄」という指標です。そのため、これを就職活動の参考とすることによる欠点も数多くあるのも事実です

①世間一般の知名度が低すぎる

TOPIX CORE30という概念は世間一般にまで認知されている概念ではありません。金融業界関係者を除けば、ほとんどの人が人生において耳にすることすらないでしょう。その理由は以下です。

  • テレビ・新聞報道において使用されないために、実生活において目にすることがまずない点
  • 世間一般では「東証一部(現・プライム)上場」が大手企業の代名詞として認知されている点
  • 証券業界でも株価指数として日経平均株価が圧倒的に国内外に浸透した指標である点

世間一般に広く認知されている「日経225社(NIKKEI225)」と「TOPIX CORE30」のグーグル検索頻度を過去5年間に渡って比較した結果が、以下の通りです。

NIKKEI225(赤)とCORE30(青)の検索頻度差

全期間を通じてTOPIX CORE30の検索頻度はまったく低迷しており、時期によっては100分の1未満の検索回数しかありません。世間一般にまったく意識されない指標であるが故にグーグル検索されることもない、という推論が成り立つでしょう。

このように、世間一般に浸透していない指標ですので「CORE30勤務だとモテる」「凄いと思われる」ことはまずないと言えるでしょう。

少なくとも、自分が気を引きたい異性に「CORE30を知っているか?」と聞いて「知っている」という回答があることは少ないでしょうし、構成企業名までを暗記している人は極めて稀でしょう。

②構成企業の入れ替わりが激しすぎる

東京証券取引所はTOPIX CORE30の構成銘柄について毎年見直しを行っています。

市場の実態をより的確に反映するために、年に一度10月に構成銘柄の定期選定を実施しております。

TOPIX Core30等株価指数の構成銘柄の定期選定について(日本取引所グループ

つまり、「TOPIX CORE30企業」の肩書を持つ企業は入れ替わりがあるということです。では、過去7年間にTOPIX CORE30から除外された企業名を見てみましょう。

■TOPIX CORE30からの除外例
2017年:三井不動産
2018年:日産自動車デンソー
2019年:パナソニック
2020年:JTキヤノン三菱地所JR東日本
2021年:JR東海
2022年:花王
2023年:除外なし

過去13年間を遡ると合計18社がTOPIX CORE30から除外されており、実に半分以上が入れ替わっています。つまり「TOPIX CORE30に入社しても数年後に除外される可能性も大いにある」のです。

株式市場の変動によって容易に入れ替えられてしまう指標に、人生の選択を委ねたり、勝ち組だと一喜一憂することはあまりにもリスクがあると言わざるを得ないでしょう。

③従業員が高待遇かは関係ない

就職先を選ぶにあたってまず気にするべき条件は給与水準・待遇・福利厚生などですが、TOPIX CORE30の算出式には、「当該企業に勤務している従業員の給与・待遇」はまったく評価に加味されていません

先ほど触れたTOPIX CORE 30指数の算出式および算出方法をもう一度、じっくり読み解いてみましょう。

東証指数算出要領(東京証券取引所

① 直近 3 年間の売買代金(東証の立会取引における売買代金とする。以下同じ。)合計額の順位が、TOPIX の算出対象の中で 90 位以上の銘柄の中から、時価総額が大きい順に 15 銘柄選定する。
②それ以外の 15 銘柄については(以下省略)

東証指数算出要領(東京証券取引所

特に①の条件については、直近3年間の売買代金が上位90位に入ったうえで時価総額が大きければ、自動的にCORE30企業入りできるということです。

例えば、以下の2ケースを見てみましょう。

  • 「従業員を低賃金で搾取して高い利益を生み出し続ける企業」と「従業員に高い給与と福利厚生を提供するが利益が低迷する企業」なら、前社がTOPIX CORE 30の選定に有利です。
  • 「一時的なブームで取引回数が急増して株式市場における売買代金が急増した企業」と「安定・健全だが株式市場における売買代金が少ない企業」なら、前社がTOPIX CORE 30の選定に有利です。

現実的にはTOPIX CORE30企業は業績・財務に余裕がある企業が多いため、従業員も高待遇である可能性は高いとは言えるでしょうが、「TOPIX CORE30企業だから従業員が勝ち組だ」と考えるのは極めて安直と言えるでしょう。

④時価総額≠企業の本来価値である

TOPIX CORE30という指標は、株式市場における時価総額や流動性によって評価されるため「株式市場における存在感」しか表現できません。そのうえ、企業数も30社と少ないため、幅に乏しい概念です。

例えば、以下の企業リストを見たときにどのようなイメージを抱くでしょうか?

電通日本たばこ産業パナソニック
博報堂DY日産自動車日清食品
三菱総研東京ガス富士フイルム
野村総合研究所ENEOSJR東海
味の素小松製作所住友商事

これらの企業はいずれもTOPIX CORE30に含まれない企業ですが、いずれも日本経済界において巨大な存在感を放っている企業群であることに異論の余地はないでしょう。なかには「TOPIX CORE30企業より就職したいと思えるのでは」と思える企業も数多く含まれているはずです。

株式市場における時価総額・流動性で構築される指標によって就職先を判断することの限界をまさに示している好例でしょう。

結論:必ず勝ち組とは断定できない

ここまで解説してきた通り、TOPIX CORE30企業に就職が「勝ち組」というのは安直です。最後に改めて、要点を整理してみましょう。

  • TOPIX CORE 30は株式市場における高評価の証であり、上場企業の上位1%未満のトップ企業
  • そもそも時価総額や流動性で決定される株式指数を、就職勝ち組の判断に使うことに無理がある
  • 企業の入れ替わりが激しいため、CORE勤務の肩書を得ても数年後に失う可能性が大いにある
  • TOPIX CORE 30以外にも待遇が良い・企業価値が高い人気企業は枚挙に暇がない
  • 世間一般に浸透していない概念ゆえに「CORE30勤務だとモテる」「凄いと思われる」ことはない

自分が入社したいと心から思った企業が結果的にCORE30企業だった…なら良いのですが、「TOPIX CORE 30だから入社したい/モテるかも」といった発想は大きな誤りといえるでしょう。

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