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三菱地所の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

三菱地所は、三菱グループに属する大手総合不動産デベロッパー。1890年に三菱社が陸軍省から丸の内・神田三岬町の土地35万㎡の払い下げを受けたことを源流としており、1937年に三菱合資会社の不動産部門・建築部門が分社化して設立。終戦直後から都内で大規模オフィスビルの開発を進め、現在では70件以上の高層ビルを保有。1989年にはバブル景気の波に乗ってニューヨークのロックフェラーセンターを買収、その後のジャパンバッシングの火種を生み出した。土地保有額2兆円以上で国内首位。

POINT

1.都心オフィスビルに強みを持つ財閥系の大手総合不動産デベロッパー
2.売上高は横這いだが、営業利益は右肩上がりで増加しており堅調
3.大卒総合職なら年収は1500~2000万円に到達、就職偏差値最上位クラス

業績動向

✔売上高と営業利益

三菱地所の売上高は概ね1兆円レベルで安定的に推移しており、成長性は希薄。ただし、営業利益は堅調な成長を続けており、直近では2,790億円を記録*1。ロックフェラーセンターを買収したバブル期の三菱地所を上回る売上高・営業利益を確保。
*1:三菱地所が得意とするオフィスビル賃料はリーマンショック後に長らく低迷したが、2013年頃から上昇基調で推移したことで収益力が強化された形。企業がオフィスビルに求める機能性も高まっており、施設環境が充実した三菱地所の高層オフィスビルは高い競争力で賃料収入を稼得している。

✔セグメント別の状況

三菱地所はコマーシャル不動産事業(オフィスビル・商業施設・物流施設・ホテルの開発・賃貸・運営・管理など)、住宅事業(マンション・戸建住宅の開発・賃貸・管理・リフォーム・販売仲介など)、海外事業(海外における不動産の開発・賃貸・管理など)、投資マネジメント事業(不動産投資マネジメント)、設計監理・不動産サービス事業(建築・土木の設計監理、不動産総合コンサルティング)の5事業を有する。
三菱地所は不動産に関する事業を網羅的に展開しているが、売上高・利益の柱はいずれもコマーシャル不動産事業となっている。三菱地所は競争力の高いオフィスビルを都心部に多数所有しており、これによる収益力が事業の要となっている状況。

✔最終利益と利益率

三菱地所の純利益は営業利益の成長に連動する形で右肩上がりで増加している。2020年にはCOVID-19の感染拡大で純利益が低迷*2したが、早々に回復。自己資本利益率は直近で7.75%と標準的な水準。
*2:2020年は三菱地所がCOVID-19により被った損失である約400億円を織り込んだことで同年は減益となった。当初はテレワークの普及で都心オフィスビル需要の激減が懸念されたものの、COVID-19感染拡大の影響は意外にも短期的に留まった。

✔自己資本比率と純資産

三菱地所の自己資本比率は直近で30.8%とやや少なめだが、これは大手総合不動産デベロッパーとしては標準的な水準*3。純資産は緩やかな増加基調を維持、直近では2.2兆円を突破。
*3:不動産デベロッパーは投資額が巨額に及び、投資期間も長期に渡るためため長期借入金などの資金調達で賄うことが多く、自己資本比率は高まりにくい傾向がある。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

三菱地所の平均年収は直近で1264万円と高水準。三菱地所は今なお一般職採用(業務職)を継続しているため、大卒総合職の平均年収に限れば更に高い水準。大卒総合職の平均年収は1500~1800万円程度と推定され、35歳時点で1300万円を超える。

✔従業員数と勤続年数

三菱地所の従業員数は過去8年間に渡って緩やかな増加基調が続いており、直近では1万人を突破。平均勤続年数は17.3年とそれほど長くないが、一般職の社員も含めての平均勤続年数のため大卒総合職は更に長いと想定される。

総合評価

企業格付け:S

国内屈指の大手総合不動産デベロッパー。売上高では三井不動産の後塵を拝しており東急不動産に追いつかれつつあるが、三菱地所の強みは圧倒的な利益率と保有物件の質。三井不動産の半分の売上高で最終利益はほぼ同格クラスを誇る。保有物件には、新丸の内ビルディング・大名古屋ビルヂング・横浜ランドマークタワー・グランフロント大阪など、都市のランドマークとなる著名ビルが名を連ねておりブランド力は圧倒的。保有物件が東京都内に集中しているが、東京一極集中はCOVID-19を経ても尚、是正される見通しはなく当面安泰。2027年には日本最高となる地上高390mのトーチタワーが完成予定。

就職格付け:SSS

就職偏差値では日系企業の中では最高峰を誇るスーパーブランド企業。大卒総合職ならば1000万円を優に上回る給与水準、東京という世界都市のまちづくりを主導できる事業内容が非常に人気。不動産業界の中でもアセットマネジメントに特化した業務ができ、転職する場合にも潰しが効くことにも注目したい。ただし、社員数は知名度に比べて非常に少ない。新卒の採用人数は毎年30~40人程度と知名度に対して圧倒的に狭き門。毎年数百名規模を採用する総合商社や大手メーカーと異なり超少数精鋭の採用であるため、その希少度もブランド価値を高めている。

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