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日清食品ホールディングスの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

日清食品ホールディングスは、カップ麵・袋めん・即席スープ・米菓などを展開する大手食品会社。1958年に安藤百福が「チキンラーメン」の発明を機に創業、日本に即席麺の文化を根付かせたリーディングカンパニーである。1971年にはお湯を注ぐだけで手軽にラーメンを楽しめる「カップヌードル」を発売。日本のみならずアメリカ・ブラジル・中国などへ世界展開を果たした。グループ会社には日清食品・明星食品・日清食品チルド・日清ヨーク・日清シスコ・ぽんち・湖池屋などがあり、インスタントラーメンのみならず飲料・米菓・冷凍食品なども幅広く展開する。

POINT

1.即席めんでは国内断トツ首位、ヌードル業界では世界シェア第3位
2.売上高・利益いずれも絶好調、財務体質は堅牢で倒産リスクとは無縁
3.平均年収790万円と業界上位級、福利厚生は転勤者への住宅関係が手厚い

業績動向

✔売上高と営業利益

日清食品ホールディングスの売上高は2019年頃から増加傾向に転換、過去最高を連続更新中*1。営業利益も増加が続いており、COVID-19感染拡大期などの景気後退局面でも安定的に利益を確保。
*1:最近の業績好調は、海外市場での絶好調が主要因。コア市場のアメリカ・ブラジルで平均36%もの大幅値上げを断行したが販売の勢いは衰えず、大幅増収・増益に貢献。国内でもピルクル・湖池屋の販売が好調。

✔セグメント別の状況

日清食品ホールディングスは、日清食品事業(カップ麺・袋めん・カップライスなど、明星食品事業(カップめん・袋めんなど)、低温・飲料事業(冷凍食品・チルド・日清ヨークなど)、菓子事業(日清シスコ・ぽんち・湖池屋など)、米州事業(北米・中南米における販売)、中国事業(中国地域における販売)、その他事業(欧州地域・アジア地域における販売など)、の4事業を有する。
日清食品ホールディングスは傘下に明星食品・日清ヨーク・ぽんち・湖池屋などを有する他、海外事業をグローバルに幅広く展開。海外売上高比率は約40%にまで拡大しており、国内市場に近い水準にまで拡大している。

✔最終利益と利益率

日清食品ホールディングスの純利益は極めて安定的*2かつ成長基調が継続中。営業利益率も緩やかな増加を示しており、最近では8%~10%ほど。食品メーカーとしては良好な利益率。
*2:日清食品ホールディングスはリーマンショック直後やCOVID-19感染拡大期なども含めて堅実に利益を確保してきた。小麦粉という人間の生存に不可欠な事業であるが故の安定性。

✔自己資本比率と純資産

日清食品ホールディングスの自己資本比率は60%前後の高水準で長年安定。利益が安定しているうえ堅牢な財務基盤を有しており、倒産リスクとは無縁。純資産も2020年以降は増加傾向へと転換している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

日清食品ホールディングスの平均年収は長年に渡って770万~790万円ほどの水準で極めて安定的。年功序列型の給与制度を採用しており、大卒総合職は30歳前後で年収550万~600万円ほど、課長職レベルで年収1,000万が目安。

✔従業員数と勤続年数

日清食品ホールディングスの単体従業員数は700人ほどの組織規模であり、大半の社員がグループ会社に属している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は1.5万人ほど。平均勤続年数は直近で11.2年と大手食品メーカーとしてはやや短い。

総合評価

企業格付け:A

言わずと知れた即席めん国内トップメーカー。日本のみならず世界展開も進んでおり、ヌードル業界において世界シェア上位3社に数えられる。ブラジル・ロシアでもシェア1位を誇る。売上高は海外市場の絶好調で2019年頃から成長スピードが加速。世界的な物価高騰と節約志向の高まりによって安価で美味しいカップヌードルの需要が急拡大。アメリカ・ブラジルでは平均35%もの値上げを断行したが、それでも急激なインフレが進む現地では割安感が強いことから販売好調。売上高・利益いずれも過去最高を連続更新。財務体質も自己資本比率60%以上と極めて優良な水準にあり、倒産リスクとは無縁。

就職格付け:A

日本人ならば誰もが知る大手食品メーカーであり世間体は抜群に良い。先進的・前衛的なマーケティング戦略によって高いブランドイメージを維持し続ける食品業界では類稀な存在。平均年収は770万円前後で長年安定しているが、大手食品メーカーでは味の素(平均年収1,047万円)や日清製粉グループ本社(平均年収857万円)にやや劣る。利益率もかなり高めで財務体質も盤石ゆえ、従業員への給与還元を出し惜しんでいるように見受けられるのが残念。福利厚生は大手食品メーカー並みの水準であるが、住宅支援はなかなかに良好。転勤扱いの場合は借上げ社宅扱いで家賃15万円ほどの物件に1~2万円ですむことができる。社員寮も月1万円程度で格安。食品業界でグローバルに活躍したい場合であれば優良企業であろう。

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