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ダイキン工業の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

ダイキン工業は、空調機・冷凍機・化学製品・防衛機器などを製造する総合空調メーカー。1924年に設立された大阪金属工業を源流とし、1951年まではエンジン・精密機械・航空部品・ラジエーター・冷房装置などを製造していた。1951年に日本初のエアコン開発に成功したことで総合空調メーカーへ業態転換。現在では空調機器で世界1位の売上高を誇り、業務用・住居用の空調設備のシェアでも国内1位。世界170ヶ国以上に展開、各国の現地ニーズを的確に捉えた製品をスピーディに供給することを社是とする。

POINT

1.世界首位級の総合空調メーカー、省エネ・ローカライズに強み
2.売上高・利益は急成長中、売上高4兆円に肉薄
3.平均年収729万円と大手メーカーの標準的水準、福利厚生も特徴ない

業績動向

✔売上高と営業利益

ダイキンの売上高は2020年まで2兆円規模で推移してきたが、2021年から急成長して売上高4兆円に迫る*1。営業利益は2,000億円台で安定していたが、こちらも2021年から3,000億円台へ上昇。
*1:ダイキン工業は2020年に新商品投入・価格改定によりCOVID-19影響を乗り越えて売上高3兆円を突破。2021年にはロシアのウクライナ侵攻でエネルギー価格が急騰したことで省エネルギー性能が高いヒートポンプ式暖房機が欧州で大ヒット。値上効果と需要急騰により著しい業績成長を遂げた。

✔セグメント別の状況

ダイキン工業は空調・冷凍機事業(住宅用エアコン・空気清浄機・床暖房、業務用エアコン・熱交換器・冷凍機・ショーケース、船舶用冷凍装置)、化学事業(冷媒・フッ素樹脂・エッチング剤・ドライエア装置など)、その他事業(産業用ポンプ・油圧機器、防衛機器、電子システムなど)、の3事業を有する。
ダイキン工業はかつて機械メーカーであった時代の事業を今なお数多く残しているが、現在では空調・冷凍機事業の売上高が90%以上を占めておりコア事業。とはいえ、化学事業はフッ素樹脂で世界シェア第2位を誇り、利益率が良い優良事業となっている。

✔最終利益と利益率

ダイキン工業の純利益は概ね1,000億円台で安定推移してきたが、2020年以降は2,000億円台へ上昇。営業利益率は10%前後の水準で安定的に推移している。

✔自己資本比率と純資産

ダイキン工業の自己資本比率は概ね50%台で推移しており、大手メーカーとしてはやや高めの水準。純資産は2019年まで右1兆円台で推移していたが、2020年以降は2兆円台へ上昇。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ダイキン工業の平均年収は700万円前後で推移しているが、2019年の742万円をピークにやや減少して直近では729万円*2。大卒総合職ならば30歳頃に年収550~650万円と推定。平均年齢は36.3歳と大手企業としては若め。
*2:ダイキン工業は従業員数を近年増加させており平均年齢が下降傾向、その反動で平均年収が下落していると推定される。

✔従業員数と勤続年数

ダイキン工業の従業員数は右肩上がりで増加しており、直近では8.86万人にとうたつ。平均勤続年数はやや減少傾向にあり直近では14年と大手メーカーの標準的水準に留まるが、採用強化で従業員数を増やしている点も影響している。

総合評価

企業格付け:BBB

戦前から長い歴史を持つ企業であるが、直近10年間で世界的に存在感を高めている。世界170ヶ国以上でビジネスを展開しており、欧州や米州で高いシェアを誇るのみならず、新興国でも競争優位を確立。とりわけ2020年以降は価格改定と新商品投入で、売上高・利益を一挙に拡大して売上高4兆円に迫る水準に到達。2021年にはロシアによるウクライナ侵攻が引き起こした欧州でのエネルギー価格急騰が、省エネ性能が高いダイキンブランドに特需をもたらした。財務も自己資本比率50%以上の水準を手堅く維持しており堅牢。

就職格付け:B

世界首位級の総合空調メーカーにして在阪企業の雄。BtoC製品を扱っている事情から知名度は高く、企業イメージは首都圏でこそ地味な存在だが関西圏では非常に高く、パナソニックに続く大手メーカーとして認知されている。社内大学制度も有名であり、社内にダイキン情報技術大学を設立。希望する新入社員は2年間もの長期間に渡ってAI学習に従事することができる制度もある。ただし、給与水準は平均年収729万円と大手メーカーの標準的給与水準に留るうえ、住宅手当が薄いことでも有名(ないわけではないが頼りにもならない金額)。将来的な成長が期待される優良企業ではあるが、従業員の待遇強化はまだ道半ばといったところか。

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