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三井住友フィナンシャルグループの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

三井住友フィナンシャルグループは、国内最大手の金融グループ。2001年に住友銀行とさくら銀行が合併した誕生した三井住友銀行の持株会社であり、三井住友ファイナンス&リース・SMBC信託銀行・SMBC日興証券・日本総研などを傘下に持つ。総資産270兆円を超える世界上位級の総合金融グループであり、資産規模では世界上位15行に数えられる。最近では海外銀行への出資・買収を相次いで仕掛けており、海外事業の育成にも熱心。

POINT

1.国内三大メガバンクの一角、銀行単体の収益力は三菱UFJ銀行に対してリード
2.経常収益は2014年をピークに伸び悩み、海外進出を加速中
3.総合職なら30代で年収1000万円を越えるが、転勤が多くコスパは微妙

業績動向

✔売上高と経常利益

三井住友フィナンシャルグループは経常収益4兆円規模のメガバンクであり、邦銀としては三菱UFJフィナンシャルグループに続く第2位の経常収益を誇る。経常利益は2014年をピークに伸び悩み*1。
*1:日銀による大規模な金融緩和によって貸出金と預金の利鞘が減少、2016年には史上初のマイナス金利政策が導入され銀行業の収益を圧迫している。

✔セグメント別の状況

三井住友フィナンシャルグループはホールセール事業部門(国内の大企業・中小企業向け業務)、リテール事業部門(国内の個人向け業務)、グローバル事業部門(海外企業・現地法人向け業務)、市場事業部門(金融マーケットに関連する業務)、本社管理(その他の業務)の5事業を有する。
経常収益では国内の個人向け業務のリテール部門が約37%を占めるが、利益に占める割合は16%程度に過ぎない。殆どの利益を対企業業務や海外・市場取引で稼いでいる構造。

✔最終利益と利益率

三井住友フィナンシャルグループの純利益は概ね7,000億円台で推移しており、経常収益に対する純利益の割合はメガバンク3行中トップクラス。2020年のみ不調であったが、それでも5,128億円を確保*2。
*2:2020年はCOVID-19感染拡大を踏まえて与信関係費用(将来のコスト発生に備えたフォワードルッキング引当の計上)で費用が増加。株式市場の低迷で政策保有株式の売却益も減少した。

✔自己資本比率と純資産

三井住友フィナンシャルグループの自己資本比率は4.7%と低めだが、銀行業であれば健全な水準。銀行業は顧客から預金・有価証券を預かる事業の性質上、貸借対照表での負債が広がるため自己資本比率が低くなりやすい。
純資産が2019年から増加傾向だが、これは①COVID-19感染拡大による業績好転、②金融マーケットの好況で三井住友フィナンシャルグループが保有する有価証券評価額の上昇が主な理由である。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

三井住友フィナンシャルグループの平均年収は直近で1,094万円だが、これは持株会社の1,130名のみの平均年収。三井住友銀行単体での平均年収は827万円(2021年)。総合職であれば30代で年収1000万円を越え、支店長クラスであれば年収1,800万~2,000万円に到達する。

✔従業員数と勤続年数

三井住友フィナンシャルグループの連結従業員数は直近で10万人を突破*3。平均勤続年数は16年前後の水準だが、これは持株会社の1,130名のみの平均勤続年数。みずほ銀行の平均勤続年数は15.3年。
*3:これは海外金融機関への出資を加速させていることが主要因。2021年には印フラトン・インディアを買収、越FEクレジット、比リサール商業銀行へ出資している。

総合評価

企業格付け:AA

国内三大メガバンクの一角、銀行単体の収益力は三菱UFJ銀行に対してリードしており、日系メガバンクの中では頭一つ抜けた存在。とはいえ、事業環境は決して楽観できず、日銀のマイナス金利政策や国内人口減少などの障壁が多々。自己資本利益率は2014年をピークに減少が続いており苦戦、2021年にはSMBC日興証券で相場操縦という金融機関にあるまじき不祥事を発生させ、コンプライアンスへの疑義も高まる。2020年以降は海外の銀行や金融機関を次々と買収して海外進出の加速を急ぐ。が、2023年には日銀総裁が交代したことでマイナス金利政策の出口が模索され始めた。将来的に金融政策が大きく変われば、メガバンクの業績が躍進する未来もありうるかもしれない。

就職格付け:AAA/BB

■部門別採用=AAA
2023年から職種別採用が開始され、本社部門直行のブレイン採用枠が誕生。クオンツ・リスクアナリスト・データサイエンスなど本社直轄部門へのキャリアパスを確約する採用がスタート。世界的にも上位級の巨大金融グループでダイナミックな花形業務に就けるというのは大きなロマンがある。金融機関を志しつつもドサ周り営業に人生の時間を費やしたくない人材には選択肢となりうる。強いて言えば、勤務先が本社確定ではなく全国転勤アリ前提となっているのは惜しい所。

■総合職=BB
大手金融グループではあるが、就職格付けは高くない。総合職であれば30代で年収1000万円を越えるが、定期的な転勤があるため共働きには向かない。退職金・年金・福利厚生の恩恵までを考えると、中堅メーカーの共働き夫婦にも金銭面では勝てないのは辛い所。ドサ周り営業やノルマへのプレッシャーという金融機関特有の難点に対して、そこまで待遇が良くもないためコスパは微妙。他のメガバンクには本社部門・花畑部門へのキャリアパスを入社時点で確約するブレイン採用枠があるが、三井住友フィナンシャルグループにはそれがない

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