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ファナックの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

ファナックは、産業用ロボット・工作機械CNC装置などを製造販売する大手電機メーカー。1956年にサーボの自社開発に成功した富士通の計算制御部が源流であり、1972年に富士通の子会社として独立。産業用ロボットでは世界首位を誇り、ライバルは安川電機・独クーカ・瑞ABBグループなど。産業用ロボットに求められる「壊れない&すぐ直せる」を徹底、30年前の製品でも修理できる体制を整備。産業用ロボットの主要ユーザーである大手メーカー各社からの絶大な信頼を獲得している。

POINT

1.産業用ロボット・CNC装置で世界シェア首位の大手電機メーカー
2.売上高・営業利益は年度によりまちまち、財務は著しく堅実
3.平均年収1248万円と高水準、順当に昇進すれば2000万円台も

業績動向

✔売上高と営業利益

ファナックの売上高は年度による好不況の差が大きいが、2022年は8,519億円に到達して過去最高を更新*1。営業利益は売上高とは連動しておらず、直近は1,914億円。
*1:ファナックは産業用ロボットを主力事業とする事情から製造業の設備投資欲に業績を左右されやすい。リーマンショックで製造業が大打撃を受けた2009年には2,534億円にまで急減した過去も。

✔セグメント別の状況

ファナックはFA事業(CNCシステム・サーボモータ・レーザーなど)、ロボット事業(産業用ロボット・ロボットシステムなど)、ロボマシン事業(小型切削加工機・電動射出成型機・ワイヤ放電加工機など)、サービス(保守サービス)の4事業を有する。
ファナックの主力製品は産業用ロボットだが、売上高に占める割合は約37%と意外と構成比は普通。地域別の売上高はアジアが売上高の約半数を占めており、製造業大国である中国の占める割合が特に大きい。

✔最終利益と利益率

ファナックの純利益は年度によりまちまちだが、概ね1,000億~2,000億円のレンジで推移。営業利益率は2019年を除けば20%以上で推移、非常に高い利益率を誇るが長期的には下降傾向にある*2。
*2:ファナックの利益率の全盛期には営業利益率40%以上も珍しくなく、2010年には営業利益率46%を記録。しかし、2015年以降はライバル企業との競争が激化。利益率は減少傾向にある。

✔自己資本比率と純資産

ファナックの自己資本比率は概ね85%前後の水準で推移しており、著しく健全な水準を維持している。純資産は約1兆円規模で安定的に推移しており、直近では1.63兆円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ファナックの平均年収は1000~1500万円のレンジで推移しており、直近は1248万円と非常に高い水準を誇る。大卒総合職で順当に出世すれば40歳頃に2000万円を超えも現実的。平均年齢は低下傾向にあり、直近では40歳程度。

✔従業員数と勤続年数

ファナックの従業員数は右肩上がりで増加しており、直近では8,675人に到達。大手企業だが連結従業員数1万人に満たない少数精鋭型の組織である。平均勤続年数は14.4年と大手メーカーとしては標準的な水準だが、これは社員数を増やしている反動。

総合評価

企業格付け:AA

産業用ロボットで世界首位、大手自動車メーカーの工場に行けばファナックのロボットが必ずあると言っても良いほどに圧倒的存在。競合他社の追い上げで営業利益率は一時期と比べると下降気味だが、それでも営業利益率20%以上と優良な水準。財務は自己資本比率85%以上と健全すぎる程に健全であり、一時的な業績悪化が起こったとしても余裕で耐えうる企業体力はある。製造業における深刻な人手不足を背景に産業用ロボットの需要拡大は世界的に続く見込みであることも追い風。中国勢をはじめとするライバル企業は脅威ではあるが、産業用ロボットは信頼性が極めて重要な分野である為、日系メーカーをはじめとする顧客基盤は当面安泰であろう。

就職格付け:AAA

独特の社風で知られる企業。山梨県忍野村に54万坪もの巨大な敷地に本社を構えており、。IR活動には後ろ向きで投資家との対話姿勢は希薄。製品・社用車・制服に至るまでコーポレートカラーの黄色で埋め尽くされている。給与水準は高く、平均年収は1000万円を優に上回っており、山梨県では「医者・弁護士・ファナック」の御三家。とはいえ、高い給与水準の代償として本社・研究所は山梨県忍野村という人口1万人以下の富士山麓の僻地に集中。貯金は凄まじいペースで貯まること確実だが、娯楽がなく不便な山間部での生活に耐えられるかは熟考したい。

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