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電機メーカー

村田製作所の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

村田製作所は、セラミックコンデンサ・高周波部品・センサ・通信モジュールなどを製造する電子部品メーカー。1944年に村田昭が創業、1940年代からラジオ向け陶器コンデンサの生産に着手。現在では数多くの製品で高い世界シェアを掌握しており、スマートフォンや電気自動車などの新鋭製品に不可欠な積層セラミックコンデンサ・SAWフィルタ・Wi-fiモジュールなどで世界シェア1位を誇る。取引先企業には米Apple社・韓Samsung社・中Lenovo社など世界的企業多数。

POINT

1.コンデンサやWi-fiモジュールで世界シェア首位の大手電子部品メーカー
2.売上高・営業利益は成長基調、財務は堅実すぎる程
3.平均年収797万円でそこそこ、福利厚生は特筆すべき点なし

業績動向

✔売上高と営業利益

村田製作所の売上高は長期的な成長基調が続いており、2021年には過去最高となる売上高1.81兆円に到達*1。営業利益は必ずしも売上高とは連動しないが、過去最高益は2021年の4,241億円。
*1:村田製作所の主力製品である積層セラミックコンデンサの需要は電子機器の普及に合わせて拡大しており、近年ではスマートフォンの爆発的普及で成長が加速。2010年頃には売上高5,000億円規模であったが、2018年には売上高1.5兆円規模まで拡大。

✔セグメント別の状況

村田製作所はコンポーネント事業(積層セラミックコンデンサ・表面波フィルタ・圧電センサ・発振子・インダクタ・EMI除去フィルタなど)、モジュール事業(近距離無線通信モジュール・樹脂多層基板・電源モジュールなど)、その他事業(不動産賃貸・ソフトウェア開発など)の3事業を有する。
村田製作所は多種多様な製品ラインナップを擁するが、最主力製品は売上高の約40%を占めるコンデンサ関係。次いで、高周波・通信関係が売上高の約25%ほど。

✔最終利益と利益率

村田製作所の純利益は年度によりまちまち*2だが、長期的には成長基調が続いており、直近では2,537億円を確保。営業利益率は10~25%のレンジで推移、製造業としてはかなり高い利益率を誇る。
*2:村田製作所は海外売上高比率が90%以上を占めており為替影響を受けやすい他、自動車やスマートフォンの生産販売の好不況により利益率が左右されやすい事情がある。

✔自己資本比率と純資産

村田製作所の自己資本比率は概ね80%前後の水準で推移しており、著しく健全な水準を維持している。純資産も堅調な増加を継続しており、直近では2.4兆円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

村田製作所の平均年収は直近で797万円とメーカーとしては優良な水準ではあるが、業績絶好調の割に賃金の伸びは普通。大卒総合職の平均年収は750~850万円程度と推定され、順当に出世すれば40歳頃に1000万円を超えるか。平均年齢は40歳程度で安定的に推移。

✔従業員数と勤続年数

村田製作所の従業員数は右肩上がりで増加しており、直近では7.75万人に到達。2017年に従業員数が急増しているのは企業買収が理由*3。平均勤続年数は14.3年と大手メーカーとしては標準的な水準。
*3:村田製作所は2017年にソニーの電池事業を175億円で買収。同事業の従業員8,500人を転籍させたことで従業員数が急増した(参考リンク)。

総合評価

企業格付け:BB

日本が誇る世界的電子部品メーカーであり、需要拡大が続くコンデンサ市場において世界首位の巨大企業。業績は成長基調が続いており、スマートフォンや電気自動車の普及により成長加速。特に電気自動車の普及拡大は追い風であり、電子部品の必要数がスマートフォンとは比較にならない程に多いため、将来性も抜群。売上高のみならず利益体質もハイレベルであり、営業利益率20%に迫る水準を確保しており隙はない。財務体質は自己資本比率80%以上と堅牢すぎる程に堅牢。強いて言えばコンデンサへの売上高の依存度が高いものの、コンデンサ需要が激減するような事態は当面想定し難いため問題にはならない。

就職格付け:BBB

電子部品メーカーとしては高い知名度を誇る人気企業であったが、昨今は成長企業としての性質も加わった。業績は成長基調で財務は自己資本比率80%以上と健全すぎるほど健全である為、会社自体の未来はかなり明るい。給与水準は平均年収797万円とアッパーミドル級だが、大手自動車メーカー並みと思えば悪くない。この手の優良企業は(見た目の平均年収だけでなく)福利厚生が傑出しているパターンが多いが、村田製作所に関しては大手メーカー並みで普通。日本全国に工場を有するが、各工場それぞれが「●●村田製作所」の名称で別会社化されており、子会社出向になる点には注意。今なお一般職採用を継続している珍しい会社でもある。

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