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食品メーカー

味の素の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

味の素は、”味の素”をはじめとする調味料を主力として世界100ヶ国以上でビジネスを展開する大手食品メーカー。1907年に鈴木三郎助が鈴木製薬所として創業、翌年の1909年には”味の素”を発売(L-グルタミン酸ナトリウムを主成分とするうま味調味料)。戦後の1946年に現社名の味の素へ社名変更。アミノ酸メーカーを自負しており、アミノ酸の製法・利用法において調味料・健康食品・医療品・機能材料などあらゆる分野を深掘。アジシオ・コンソメ・ほんだしなど日本人の食生活に根差した調味料ラインナップを有する他、冷凍食品でも業界大手。

POINT

1.日系食品メーカー最大手の1社、海外売上高比率が67%と世界展開に強み
2.売上高は極めて安定的で利益は回復傾向、財務体質は超優良
3.平均年収1,047万円と食品業界では最優良クラス、福利厚生も手厚い

業績動向

✔売上高と営業利益

味の素の売上高は1兆円前後の水準で極めて安定的に推移してきた*1が、2022年は売上高1.36兆円まで増加。営業利益は2019年まで減少傾向が続いたが、2020年からは回復基調へ転換*2
*1:食品メーカーは食事という安定需要に支えられることから安定性が強み。味の素の売上高も長年に渡って安定的に推移しており、極端な業績変動に見舞われない点は見逃せない長所。
*2:2021年以降は原材料価格の高騰で一時的に利益が悪化したが、販売価格への転嫁を押し進めたことで逆転増益を達成。ヘルスケア事業の成長も利益拡大を下支えしている。

✔セグメント別の状況

味の素は調味料・食品事業(うま味調味料・外食用調味料・加工用調味料・加工原料・甘味料・即席麺・コーヒー飲料など)、冷凍食品事業(餃子類・米飯類・麺類・デザート類・加工肉などの冷凍食品)、ヘルスケア等事業(医療用アミノ酸・バイオファーマサービス・電子材料・健康食品など)、その他事業の4事業を有する。
味の素は調味料・食品事業が長年に渡って稼ぎ頭、高いブランド力と生活必需品ゆえの安定需要をベースに売上高・利益を安定的に確保できている。冷凍食品は売上高の約20%を支える事業ではあるが競合環境が厳しい為に利益率は高くない。

✔最終利益と利益率

味の素の純利益は年度によって好不調が分かれるが、純利益は安定的に確保できている(2010年以降は純損失への転落歴なし)。営業利益率は4~10%のレンジで推移しており、食品メーカーとしては利益率はそこそこ高め。

✔自己資本比率と純資産

味の素の自己資本比率は長年に渡って40%台で推移してきたが、2022年には自己資本比率50.8%に到達。安定した利益創出力を考えれば非常に健全な財務体質。純資産は2019年を底に増加に転じており、直近の2022年には純資産8,230億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

味の素の平均年収は950万円前後で推移してきたが、2020年以降は1,000万円を越える水準に到達。食品業界では最高峰の給与水準。30歳頃に年収800~900万円に到達した後、35歳前後で基幹職へ昇格すると年収1,000万円に到達する。

✔従業員数と勤続年数

味の素の従業員数は3,000人前後の水準で安定的に推移。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は3.4万人ほど。平均勤続年数は20年前後で安定推移しており、社員の定着が良いホワイト企業であることが伺える。

総合評価

企業格付け:S

日系食品メーカーの代表格の1社、飲料系メーカーを除けば売上高は業界首位級。”味の素”や”ほんだし”を代表格として日本の食卓に根差した調味料を主力製品としているが、実際にはグローバル企業そのものであり世界100ヶ国以上でビジネスを展開。海外売上高比率が約63%を占めるまでに海外事業が成長しており、日系食品メーカーでは数少ないグローバル展開に成功した企業の1社。業績は食事という安定需要を基盤とすることから売上高は極めて安定的。利益は原材料価格・為替レートに左右されるため売上高ほどは安定しないが、純利益は手堅く確保できている。財務体質は自己資本比率50%と非常に健全、安定的な利益創出力を考えれば健全すぎるほど。最近ではヘルスケア事業が成長しており、2022年には売上高・利益が前年比2桁%の伸びを示している点には注目。利益率がとりわけ高い事業であるため、この調子で成長すれば更なる躍進も期待できそう。

就職格付け:S

日本人ならば誰もが知る超有名企業であり、食品業界の最優良企業の1社として名高い。調味料という文化に根差した製品を主力とする為に安定性は断トツ、時代にあわせて食生活は変化していくものだが調味料はそうそう変化しない。給与水準は平均年収1000万円を越えて業界首位級、しかも持株会社の従業員ではなく単体従業員3,000人余の平均年収であるから超高待遇である。福利厚生も非常に手厚く、家賃補助制度は入社後7年まで家賃の70~80%を補助。平均勤続年数は20年前後の高水準で安定しており、従業員の定着も良いホワイト企業。エリートビジネスマン界隈でも優良企業として名が知れ渡っているのは当然ながら、ビジネスにまったく関心がない一般人にも名が知れ渡っていることは地味な長所であり、どこへ行っても名門の大手企業へ勤めていると称賛の眼差しを受けられるだろう。

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