本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
電通グループは、テレビ広告・デジタル広告などあらゆる広告宣伝・マーケティングに関わる戦略策定~実行を支援する大手広告代理店。1901年に光永星郎が設立した日本広告を源流とし、戦時中には国家総動員体制の下で国内広告会社を統合、巨大広告代理店として君臨。戦後も業界屈指の企業として君臨し続け、1973年には広告取扱高で世界首位を記録した。現在では海外広告代理店の積極買収によって広告業界で世界シェア6位、国内2位の博報堂DYに大差をつけて独走。単なる広告枠販売に留まらず、ブランド戦略立案・クリエイティブ制作・メディア運用・データ分析・CRM運用・顧客体験設計・システム実装までを一体で提供する統合型企業へと変質している。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:78(頂点)
広告業界における巨人であり、元電通の肩書は今なお高い権威性を誇る。2020年代には深刻な業績悪化が続いているが、高い給与水準と得られるキャリアは今なお魅力的。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:最難関級
総合職の採用数は年間100人ほど、広告業界のトップ企業だけあって倍率は極めて高い。大卒総合職はトップレベル大学の出身者かつ何らかの実績がある人材が大多数であり、極めて狭き門である。
採用大学:【国公立】東京大学・京都大学・一橋大学・名古屋大学・東北大学・筑波大学・新潟大学・東京外国語大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・上智大学・同志社大学・立教大学・青山学院大学・東京理科大学・多摩美術大学など(出典:大学通信ONLINE)
業績動向
✔売上高と営業利益
電通グループの売上高は2021年から増加傾向が続いており、2025年には過去最高となる1.43兆円に到達している*1。営業利益は2021年には過去最高となる2,418億円を記録したが、同年以降は右肩下がりの減少傾向。2025年には営業損失▲2,892億円に悪化している。
*1:当社は2014年以前は売上高2兆円に迫る水準で推移していたが、同年に国際会計基準IFRSへ移行。会計基準の収益認識の相違から2014年以前の収益とは単純比較できない。
*2:2021年に営業利益が急増した理由は、①COVID-19感染拡大期に急減した顧客企業の広告宣伝の反動増、②2020年における構造改革の効果の顕在化、③海外事業の業績回復、など。
*3:2025年の営業赤字は、主として海外事業における巨額ののれん減損の計上が要因。とりわけ米州・EMEAにおける収益力低下を受け、法定営業損失▲2,892億円、純損失▲3,276億円へと悪化した(参考リンク)。
✔セグメント別の状況
電通グループは国内事業(国内向けの広告・マーケティングサービス、コンテンツビジネス、情報システム・ソフトウェア開発など)、北米事業(北米地域における同事業)、EMEA事業(欧州・中東・アフリカにおける同事業)、APAC事業(東南アジア・南アジア・オセアニアにおける同事業)、の4事業を有する。
当社の事業構造は、単なる従来型の広告代理店の枠を超え、ブランド戦略立案・クリエイティブ制作・メディア運用・データ分析・システム実装までを一体で提供し、顧客企業の事業成長全体に入り込む構造へと変質している。単なる広告枠の販売に留まらず、顧客のデータ基盤、CRM運用、顧客体験設計、システム実装に入り込むことで、実質的に事業運営の担い手の一部となり、単価向上と長期契約を実現することを目指している。2013年には世界的大手の英・イージス社を約4,000億円で買収して、世界的な広告・マーケティンググループへの成長を果たした。他方で、2025年には海外事業に係る巨額ののれん減損を計上して最終赤字に転落している。こうした反省を踏まえ、最新の中期経営計画では、従来のM&A主導の拡大路線を見直したうえで、「大きなスケールと事業アセットのある日本・USに集中」する方針を掲げている。
✔最終利益と利益率
電通グループの純利益は年度により好不調が分かれる。2021年には過去最高となる純利益1,083億円を計上した*4が、2025年にも純損失▲3,276億円に転落。営業利益率も不安定な傾向が強く、2022年には22.2%まで向上したが、2025年には▲20.1%に転落。世間が思うような高利益企業ではない。
*4:2021年にはいったん黒字化を果たしたが、同年に当社は構造改革の一環として電通本社ビルや研修所などを売却。固定資産売却益1,189億円を計上しての純利益確保という側面もあった。
✔自己資本比率と純資産
電通グループの自己資本比率は緩やかな減少傾向にあり、2025年には11.7%と低水準に下落*5。純資産も2017年の1.15兆円から下落傾向が続いており、2025年には0.44兆円まで後退。過去8年間で半減以下の減少となっている。
*5:当社は2012年に英・イージス社を買収するため、社債発行による巨額の資金調達を実施。自己資本比率は40%台から20%台まで下落した。その後は自己資本比率の低迷が続く。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
電通グループの平均年収は1,595万円(2025年)と極めて高水準だが、これは持株会社の135名のみの平均年収であるため参考にならない。実際には、総合職・30歳で年収850万~950万円ほど、課長職レベルで年収1,500万~1,900万円程度。平均年齢は2020年に46.4歳まで急増している*6。
*6:当社は2020年に持株会社体制へ移行、これにより持株会社の従業員のみを対象とした平均年収・平均年齢に変更となったことに起因。
✔従業員数と勤続年数
電通グループの単体従業員数は2020年の持株会社制への移行により100名規模まで急減しており、従業員の殆どは事業会社に属している。子会社・関連会社を合わせた連結従業員数は6.74万人ほど。平均勤続年数は14.3年(2025年)だが、これは持株会社の135名のみの平均勤続年数である。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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