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日経平均225社は就職勝ち組でモテる?|優良企業ではあっても必ずしも勝ち組とはいえない理由を解説!

就職・転職活動において大企業への就職をめざす人が「日経平均225社に就職すれば勝ち組だ」という考えを抱くことはよくあることです。たしかに『日経平均225社勤務』という肩書は魅力的ですが、その考えは本当に正しいのでしょうか。

そこで今回は、「日経平均225社に就職したら本当に勝ち組でモテるのか?」について考察していきます。日経平均225社への就職・転職を考えていれば、ぜひ一読してみてください。

日経平均225社とは?

日経平均225社とは、東京証券取引所が算出・公表している日経平均株価を構成している上場企業225社のことを指します。

現在の日経平均225社の代表的企業は以下の通りです(2024年9月15日時点)。ここにはすべてを掲載できないので、最新の全社リストは日本経済新聞社の公式サイトをご確認ください(参考リンク)。

INPEXトヨタ自動車三井不動産
鹿島建設日産自動車住友不動産
キッコーマン本田技研工業東京建物
日清製粉GTOPPANJR東海
帝人DNPJR東日本
東レオリンパスJR西日本
資生堂三越伊勢丹小田急電鉄
クラレイオン日本郵船
楽天高島屋商船三井
LINEヤフーZOZO川崎汽船
エムスリー三菱UFJFG三菱倉庫
電通三井住友FGNTTデータ
東宝みずほFGKDDI
セコムりそなHD中部電力
ネクソンしずおかFG関西電力

日本経済新聞社は日経平均株価の推移を長期的に公開しています。過去10年間における長期的な株価上昇の傾向が読み解けます。

日経平均株価チャート(日本経済新聞社

この株価指数チャートを確認することで、「1949年5月16日を176円21銭とした場合に、現在の日経平均221社の株価がどれだけの水準にあるか」を把握することができます。

日系225社が勝ち組とされる理由

①上場企業の上位5.6%しかなれない希少価値

日本には3,953社の上場企業があります(2024年9月15日時点)。ここから日経平均225社に選ばれるということは、上場企業のなかでも上位0.75%に選ばれたということです。

上場会社数・上場株式数(東京証券取引所

東証プライム市場に絞っても1,641社がありますが、同市場への上場には「時価総額・流通株式数・財務状態・ガバナンスなど」の厳しい条件があります。その中でさらに225社だけが選ばれるのですから、相当な難関です。

また、日本に現在ある企業数は367万社以上(総務省)ですから、そのうち日経平均225社は全企業の0.00613%になります。とてつもない倍率を潜り抜けて選ばれた企業ということがよくわかりますね。

日経平均225社に選ばれるということは、日本経済を牽引するトップ企業というお墨付きを得たといっても過言ではないでしょう。

②日本経済を代表する世界的な企業たる名誉

日経平均株価は国内外において最もよく知られた日本の株価指数であり、日経平均225社に選ばれることは「日本を代表する株価指数の構成企業として認められた」ことを意味します

日経平均株価は、世界中の投資家は勿論、日本国政府・日本国民にまで広く認知されており、その動向は日々マスコミを通じて全世界にレポートされています。

日経平均株価の変動を踏まえて、日本国政府・日本銀行・世界の投資家はさまざまな意思決定を行っています。日経平均225社はその動向を通じて日本経済の歴史を紡ぐメインプレイヤーであり、まさしく日本屈指のエリート企業と言えるでしょう

③圧倒的な知名度とネームバリュー

日経平均株価は一般常識として日本国民に広く浸透している唯一の株価指数であり、圧倒的な知名度とネームバリューを誇ります

社会人なら日経平均株価は誰もが知っている概念ですし、学生でも「日経平均株価」という言葉は聞いたことがあるでしょう。実は他にも株価指数には「TOPIX」「JPXプライム150」「東証グロース250指数」などがありますが、日経平均株価と比べると圧倒的な認知度の差があります。

よりリアルな一般社会からの注目度を測るため、誰もが知る国民的アイドルの「キムタク(SMAP・木村拓哉さん)」と「日経225社(NIKKEI225)」のグーグル検索頻度を過去5年間に渡って比較した結果が、以下の通りです。

木村拓哉(赤)と日経平均株価(青)の検索頻度差

全期間を通じて、木村拓哉さんの検索頻度を日経平均株価は上回り続けています。日経平均株価は日本人の関心をトップスター芸能人の動向以上に集め続けている社会的関心事なのです。

④株式市場からの高評価

日経平均225社に選ばれることは「株式市場において投資家からの多大な注目を集め、株式が活発に取引されている企業」ということを意味しています

日経平均225社の選抜基準は以下の通りです。

日経平均株価は東証プライム市場上場銘柄のうち市場を代表する225銘柄を対象に算出します。長期間にわたる継続性の維持と産業構造変化の的確な反映という2つの側面を満たしながら、市場流動性の高い銘柄で構成する指数とします。

日経平均株価 構成銘柄選定基準(日本経済新聞社

東証プライム市場上場銘柄の中から市場流動性の高いグループを選び、これを「高流動性銘柄群」とします。個々の銘柄の市場流動性を測定する指標は、
1)過去5年間の売買代金
2)過去5年間の売買代金当たりの価格変動率(変動率=高値÷安値/売買代金)
とし、両指標から見て流動性が日経平均採用銘柄数(225)の倍に当たる上位450に属する銘柄グループが「高流動性銘柄群」です。

日経平均株価 構成銘柄選定基準(日本経済新聞社

この基準から、東京証券取引所において当社株式が活発に取引されていることが日経平均225社への採用条件であると読み解けます。実際には他にも色々な条件(セクターバランスなど)があるのですが、大原則として上記引用の条件を満たさないことには日経平均225社に選ばれることはありません。

つまり、日経平均225社は「数多くの株式投資家から多大な注目を集められるほどに高い評価・注目を集めている」トップスター企業であるということが言えます。

日経平均225社=勝ち組、に欠ける視点

他方で、日経平均225社はあくまでも株価指数を算出するための企業リストです。そのため、これを就職活動の参考とすることによる欠点も数多くあるのも事実です。

①日経225社の中でも待遇に幅がある

ひとことで日経平均225社といっても、そこに含まれる企業の待遇にはあまりにも幅があるのが事実です。例えば、日経平均225社のうち以下の4社の平均年収を比べてみましょう。

三菱商事2,090万円
キーエンス2,067万円
トクヤマ682万円
クレディセゾン586万円
日本の平均年収458万円

日経平均225社のなかで比較しても平均年収には3倍以上の差がついていることが分かります。たしかに日経225社の中でもトップ企業は勝ち組といえる給与水準ですが、すべての企業が世間一般を圧倒する高待遇を提供しているわけでもないのです。

強いて言えば、「日経平均225社のなかに日本の平均年収を下回る企業は存在しない」ことは事実ですが、それをもって勝ち組だと評価するのはあまりにも安直ではないでしょうか。

②構成企業の入れ替わりが激しすぎる

日本経済新聞社は日経平均株価の構成銘柄について毎年見直しを行っています。

定期見直し基準に照らし、市場流動性の観点からメルカリ(セクター・消費)とレーザーテック(同・技術)、セクター間の銘柄過不足調整によりニトリホールディングス(同・消費)を採用します。また、市場流動性の観点から日本板硝子(同・素材)、三井E&S(同・資本財その他)、松井証券(同・金融)を除外します。銘柄は10月2日の算出から入れ替えます。

日経平均株価の銘柄定期入れ替え等について(日本経済新聞社

つまり、日経平均225社の肩書を持つ企業は入れ替わりがあるということです。

では、過去7年間に日経平均225社から除外された企業名を見てみましょう。

■日経平47225社からの除外例
2017年:東芝・ミツミ電機・北越紀州製紙・明電舎
2018年:古河機械金属・日新製鋼
2019年:パイオニア・昭和シェル石油・千代田化工建設・東京ドーム
2020年:ソニーFG・日本化薬・ファミリーマート・NTTドコモ
2021年:日清紡・東洋製缶・スカパーJSAT
2020年:新生銀行・ユニチカ・沖電気工業・マルハニチロ
2023年:東洋紡・日本軽金属・東邦亜鉛・日本板硝子・三井E&S・松井証券

過去13年間を遡ると合計47社が日経平均225社から除外されています。なかには、当該企業が上場廃止・倒産・東証二部降格などによって日経平均225社の要件を満たさなくなって除外される例もあります。

株式市場や会社の状況によって容易に失われてしまう「日経平均225社勤務」という肩書に、人生の選択を委ねたり、勝ち組だと一喜一憂する価値はそれほどないと言わざるを得ないでしょう。

③従業員が高待遇かは関係ない

就職先を選ぶにあたってまず気にするべき条件は給与水準・待遇・福利厚生などですが、日経平均225社の選定には、「当該企業に勤務している従業員の給与・待遇」はまったく評価に加味されていません

先ほど触れた日経平均225社の選定基準をもう一度、じっくり読み解いてみましょう。

日経平均株価は東証プライム市場上場銘柄のうち市場を代表する225銘柄を対象に算出します。長期間にわたる継続性の維持と産業構造変化の的確な反映という2つの側面を満たしながら、市場流動性の高い銘柄で構成する指数とします。

日経平均株価 構成銘柄選定基準(日本経済新聞社

この条件から言えることは、日経平均225社に選ばれるために必要な条件は株式市場における流動性の大きさのみということです。当然ながら、従業員の給与水準や幸福度といった要素はいっさい加味されることはありません。

例えば、以下の2ケースを見てみましょう。

  • 「従業員を低賃金で搾取して高い利益を生み出し続ける企業」と「従業員に高い給与と福利厚生を提供するが利益が低迷する企業」なら、前社が日経平均225社の選定に有利です。
  • 「一時的なブームで取引回数が急増して株式市場における売買代金が急増した企業」と「安定・健全だが株式市場における売買代金が少ない企業」なら、前社が日経平均225社の選定に有利です。

現実的には日経平均225社は業績・財務に余裕がある企業が多いため、従業員も高待遇である可能性は高いとは言えるでしょうが、「日経平均225社だから従業員が勝ち組だ」と考えるのは極めて安直と言えるでしょう。

④簡単に手に入る&珍しくもない肩書である

実は「日経225勤務」という肩書は、それほど希少価値があるものでもありません。数多くの従業員を抱えている巨大企業も多数あるため、潜り込もうと思えば様々な手段があります。

例えば、日経225社を代表する企業に勤務するために、パート・アルバイトなどの方法で潜り込むこともできるでしょう。

どのような雇用形態であったとしても、同じ企業に従業員として勤務する仲間です。そういった観点から言えば、パート・アルバイトなどの雇用形態で潜り込みさえすれば「日経平均225社勤務」という肩書を得ることができるのです。

また、従業員数の観点でいっても、イオングループは連結従業員数59万人以上・トヨタ自動車は連結従業員数38万人以上を抱えています。鳥取県の人口が55万人であることを思えば、いかに希少価値もなくありふれた肩書かがよくわかると思います。

その気になれば誰でも容易に手に入れられる・大して珍しくもない肩書であるがゆえに、日経平均225社に勤務しているだけで「勝ち組だ」と断定できるほどの希少価値もないのです。

結論:必ず勝ち組とは断定できない

ここまで解説してきた通り、日経平均225社への就職が「勝ち組」というのは安直です。最後に改めて、要点を整理してみましょう。

  • 日経平均225社は株式市場における高評価の証であり、上場企業の上位5%強しか選ばれないエリート企業
  • そもそも時価総額や流動性で決定される株式指数を、就職勝ち組の判断に使うことに無理がある
  • 企業の入れ替わりが激しいため、日経平均225社勤務の肩書を得ても数年後に失う可能性が大いにある
  • 日経平均225社の中にも世間一般の平均年収と変わりない会社も数多くある
  • 日経平均225社勤務者は世間にありふれており、簡単に得られる肩書きでもある

自分が入社したいと心から思った企業が結果的に日経平均225社だった…なら良いのですが、「日経平均225社だから入社したい/モテるかも」といった発想は大きな誤りといえるでしょう。

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