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海運会社

日本郵船の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

日本郵船は、三菱グループに属する国内最大手の大手海運会社。1885年に初代三菱財閥総帥の岩崎弥太郎によって設立され、戦前から日本のフラッグシップキャリアとしてグローバルな海運輸送網を構築してきた名門企業。現在では800隻以上の船舶を保有、コンテナ船・撒積船・自動車船・タンカー・豪華客船など多種多様な船舶を運航している。海運以外にも陸上輸送・航空輸送・不動産賃貸などの事業も展開。

POINT

1.戦前から日本経済を海運で支える三菱Gの海運企業、国内最大手
2.売上高は年度による好不調が極端、直近では純利益1兆円を確保
3.平均年収1,000万円を上回る高待遇、ただし海運不況時は900万円台に後退

業績動向

✔売上高と営業利益

日本郵船の売上高は2014年頃から縮小傾向にあったが、2021年には売上高2.28兆円まで急回復*1。営業利益は長年に渡って数百億レベルで推移してきたが2021年には2,669億円まで急増。
*1:2021年はCOVID-19感染拡大によるサプライチェーンの混乱で海運市況が大幅高騰、海運運賃の上昇によって売上高・利益が急増。海運業界は極めて市況変動が激しい業界であり、市況高騰と低迷を歴史的に繰り返している特徴がある。

✔セグメント別の状況

日本郵船は定期船事業(海運・船舶貸渡・コンテナターミナルなど)、航空運送事業(航空輸送)、物流事業(倉庫業・貨物輸送など)、不定期船事業、不動産事業、その他事業(客船・船舶機械販売など)の4事業を有する。

✔最終利益と利益率

日本郵船の純利益は長年に渡って数百億円レベルで停滞していたが、2021年には純利益1兆円を超える爆発的な増加*2。自己資本利益率も長年に渡って低迷していたが、2021年は56.8%と驚異的水準に激増。
*2:2021年の好決算は同年のコンテナ船の運賃高騰で持分法適用会社のONEが純利益2.2兆円を確保したことに起因。同社からの持分法投資利益が純利益を7,000億円以上も押し上げている事情がある。

✔自己資本比率と純資産

日本郵船の自己資本比率は20%台での推移が続いていたが、2021年には55.6%に激増。海運という市況不安定な業界でも安心できる財務体質へ改善。純資産は2014年頃から右肩下がりであったが、2021年に1.78兆円。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

日本郵船の平均年収は直近で1,002万円と高水準、大卒総合職であれば30代で1,000万円を超える。業績によりボーナス額が変動するため、業績低迷時は平均年収900万円台に後退する。平均年齢は40歳前後の水準で横ばい推移。

✔従業員数と勤続年数

日本郵船の従業員数は3.5万人レベルの水準で安定。平均勤続年数は13.8年とやや短めの水準に留まるが、これは離職率が高い海上職が平均勤続年数を押し下げている為であり総合職の離職率は1%前後*3。
*3:日本郵船が公開している人事データのうち3年後離職率欄を確認されたい(参考リンク

総合評価

企業格付け:AAA

商船三井と並び立つ国内最大手の海運企業、島国日本の物流の根幹を支える企業であり戦前から日本経済を物流で支えてきた超名門企業。業績は極めて不安定であり、海運市況による乱高下を歴史的に繰り返してきた過去があるが海運業界のあらゆる企業に共通する課題であるため致し方なし。2020年は海運市況の高騰で純利益1兆円を超える絶頂期が再来したが、海運市況は短期的バブルと長期的不況がセットであり一過性の好況に過ぎない。とはいえ、2020年に得た利益によって2014年以降の業績低迷で傷んだ財務も急回復したことも事実。今回の短期的バブルで得た利益で将来の競争力確保に向けた投資を急ぐ状況。

就職格付け:AAA

日本を代表する名門企業の1社かつ国民経済を根底から支える重要企業であるため、世間体は抜群に良い。海運業界ゆえに業績は安定さを欠くが、海運不況の時期にあっても社員への待遇は良好であり平均年収900~1,000万円レベルで手厚い。歴史のある名門企業かつグローバルに活躍できる職種であることから就職人気度は高く、そのうえ新卒採用の採用人数は50人/年ほどしかない。総合不動産ディベロッパー並みの難易度・希少度である。

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