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日清製粉グループ本社の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

日清製粉グループ本社は、小麦粉・冷凍食品・惣菜・健康食品などを展開する大手食品会社。製粉大手4社(日清製粉・ニップン・昭和産業・日東富士製粉)として日本の小麦需要を支えており、製粉販売シェアでは国内トップを独走。1900年に群馬県で創業した舘林製粉を源流とし、1907年に三井物産から日清製粉(別会社)を買収して社名を日清製粉へと改めた。海外製粉事業にも意欲的であり。1989年にカナダの製粉会社ロジャーズ・フーズを買収し、2012年にもアメリカの製粉会社ミラー・ミリングを買収。

POINT

1.製粉メーカー国内断トツ首位、世界でも第6位の生産能力を有する
2.売上高は増加傾向で利益も安定的、財務体質は堅牢で倒産リスクとは無縁
3.平均年収857万円と業界上位級、福利厚生は住宅関係が極めて充実

業績動向

✔売上高と営業利益

日清製粉グループ本社の売上高は長期的に増加傾向にあり、2019年と2022年に大きく増加*1。営業利益は緩やかな増加が続いており、景気後退局面にも安定的に利益を確保できている。
*1:2019年の売上高の増加は、オーストラリア製粉大手のアライド・ピナクルおよびトオカツフーズの買収によって売上高が増加。2022年の売上高の増加は、国内麦価改定による小麦販売価格の上昇が主要因。

✔セグメント別の状況

日清製粉グループ本社は、製粉事業(小麦粉・ふすま・小麦関連製品など)、食品事業(家庭用小麦粉・パスタ・ソース・冷凍食品・製パン素材・創薬支援・健康食品)、中食・惣菜事業(弁当・惣菜・調理麺など)、その他事業(エンジニアリング・メッシュクロス・荷役保管など)、の4事業を有する。
日清製粉グループ本社は売上高・利益の約半分強を製粉事業で稼いでおり、食品事業や中食・惣菜事業などの周辺事業が脇を固める事業構造となっている。なお、海外売上高比率は約32%である。

✔最終利益と利益率

日清製粉グループ本社の純利益は極めて安定的であるが*2、2022年には純損失104億円に転落*3。営業利益率は4%~6%ほどの水準で極めて安定している。
*2:日清製粉グループ本社はリーマンショック直後やCOVID-19感染拡大期なども含めて堅実に利益を確保してきた。小麦粉という人間の生存に不可欠な事業であるが故の安定性。
*3:2022年の純損失は2019年に買収したオーストラリア製粉大手のアライド・ピナクルにおける減損損失の計上が主要因。

✔自己資本比率と純資産

日清製粉グループ本社の自己資本比率はやや減少傾向にあるが、それでも自己資本比率60%前後の高水準を維持。利益が安定しているうえ堅牢な財務基盤を有しており、倒産リスクとは無縁。純資産も緩やかな増加傾向が続いている。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

日清製粉グループ本社の平均年収は長年に渡って840万~880万円ほどの水準で極めて安定的。年功序列型の給与制度を採用しており、大卒総合職は30歳前後で年収500万~600万円ほど、課長職レベルで年収1,200万が目安。

✔従業員数と勤続年数

日清製粉グループ本社の単体従業員数は300人ほどの組織規模であり、大半の社員がグループ会社に属している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は9,400人ほど。平均勤続年数は直近で15.4年と大手メーカー並みの水準。

総合評価

企業格付け:A

国内製粉メーカーでは断トツ首位のシェアを誇り、世界でも業界6位の生産能力を有するグローバル企業。インスタントラーメンの日清食品ホールディングスとはグループ関係は一切なく、歴史的にも何ら関係がない。小麦粉という生存に不可欠な商材を扱うことから売上高・利益いずれも極めて安定的であり、景気後退局面にも業績不振とは無縁。財務体質も自己資本比率60%前後と高水準にあるため、倒産リスクとはおよそ無縁。テコ入れを続けている海外子会社は地域によって状況がまちまち。アメリカ子会社・インド子会社は生産能力・販売いずれも好調だが、オーストラリア子会社は物流費・人件費高騰と価格上昇による販売停滞で業績が悪化中。2022年の純損失転落はオーストラリアでの減損損失であるため一過性であるが、オーストラリア子会社の立て直しが急がれる状況。

就職格付け:AA

日本人ならば日常的に口にしている小麦粉の多くを製造している超有名企業であり、食品業界における人気企業の一角。同じく人気企業の大手飲料メーカー・菓子メーカーがヒット商品や消費志向の変化による業績変動が常であるのに対して、小麦粉という原材料を扱うビジネスであることから安定性は抜群。平均年収も長年に渡って800万円以上をキープしており、食品業界では上位級である。福利厚生もかなり恵まれており、独身者は借上げ社宅に1.5万円で入居でき、既婚者は上限9万円までの補助がある。超有名企業というブランド力、倒産リスクとは無縁といえる業績・財務体質、恵まれた福利厚生・・・まさしく優良企業。強いて言えば、ここまで恵まれているにも関わらず平均勤続年数が15年どまりである点は気がかり。あまりにも安定したビジネス基盤は良くも悪くも変化に乏しく、面白みが薄くなってくるのだろうか。また年功序列色が強いため、若手社員のうちは年収500万~600万円ほどで旨味はまだ薄い。

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