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機械メーカー

アイダエンジニアリングの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

アイダエンジニアリングは、多種多様なプレス機を展開する工作機械メーカー。1917年に会田陽啓がプレス機製造を目的に創業した会田鉄工所を源流とし、1933年には国産初となるナックルジョイントプレス機を開発。1959年には東京から神奈川県・相模原市へと本社移転。プレス機専業メーカーとしては独・シューラーに続く世界2位の規模。出荷数の約80%が自動車メーカー・自動車部品メーカーへと納入しており、日本の自動車産業をプレス技術で支える。

POINT

・プレス機専業メーカーとして世界2位の工作機械メーカー、自動車メーカーが主要顧客
・売上高は横ばいだが利益が減少傾向、財務体質は優良で実質無借金経営
・平均年収599万円だが業績好調なら600万円以上、福利厚生は企業規模なり

業績動向

✔売上高と営業利益

アイダエンジニアリングの売上高は年度によって好不調が分かれるが、長期的に620億〜840億円ほどで推移。2022年には売上高1,626億円に到達。営業利益は2015年の80.4億円をピークに減少傾向が続いており、直近の2022年は15億円まで低下*1。
*1:利益減少している要因は、①2020年以降の原材料価格の高騰によって利益率が悪化した点、②プレス機のデパートとも称される商品ラインナップのうち旧来型商品群の競争力が低下した点、に起因。

✔セグメント別の状況

アイダエンジニアリングは、日本事業(日本国内でのプレス機械の製造・販売)、中国事業(中国国内)、アジア事業事業(シンガポール・マレーシア・インド・ベトナムなど)、米州事業(アメリカ・カナダ・メキシコ・ブラジルなど)、欧州事業(イタリア・ドイツ・フランス・イギリス・チェコなど)、の5事業を有する。
当社の主要取引先は日系自動車メーカーであり、トヨタ自動車・日産自動車・本田技研工業・三菱自動車工業・スズキなどと親密な関係にある。売上高の約45%を日本国内で稼いでいるが、利益ではアジア事業が全社利益の約50%を支えている。

✔最終利益と利益率

アイダエンジニアリングの純利益は減少傾向が続いており、2020年以降は10億円前後での推移となっている。営業利益率は2015年頃は10%前後の水準にあったが、右肩下がりで低下したことで直近では2%前後まで低下する状況。

✔自己資本比率と純資産

アイダエンジニアリングの自己資本比率は70%前後の高水準で長期的に推移しており、財務健全性は非常に高い。実質無借金経営を達成しており、有利子負債に依存しない事業運営を志向。純資産は長期的に700億円前後で横ばいが続いている状況。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

アイダエンジニアリングの平均年収は長期的に580万~640万円ほどで安定しているが、2020年以降は利益低迷を受けて600万円に届かない推移。総合職の場合、30歳で年収430万~530万円、課長職レベルで年収750万~900万円が目安。

✔従業員数と勤続年数

アイダエンジニアリングの単体従業員数は2020年まで700人規模で推移していたが、同年以降は830人規模へと増加*3。平均勤続年数は直近で16.9年と大手メーカー並みの長さ。
*3:2020年の従業員数の増加は、完全子会社のアクセスを吸収合併したことで同社の従業員が加わったことが主要因。吸収合併後の同社は、アイダエンジニアリング白山事業所となっている。

総合評価

企業格付け:C

■業績動向
利益減少が痛い。2015年の純利益57.8億円をピークに利益減少が続いており、直近3年は純利益10億円前後。プレス機のなかでも成熟分野の製品群において、同業他社との競合や原材料費の高騰で利益率悪化。大型プレス機の採算も低下しており、大きく利益を稼げる製品が限られる状況。赤字転落する程ではないが、プレス機専業メーカーであるため他事業での補完もできないのが苦しい。

■財務体質
良好。長年に渡って堅実な財務体質の構築に気を使ってきた企業であり、自己資本比率70前後の高水準で安定的。有利子負債が15億~20億円に過ぎないのに対して手元の現預金は300億円を上回っており、実質無借金経営。一時的な業績悪化であれば余裕で耐えられるだけの体力はある。

■ビジネス動向
利益率の改善を急ぐ。競争力が高い高速プレス機・モータコア向け高速精密プレス機などの拡販による利益率を底上げが重要テーマ。納品後のプレス機のアフターサービスの拡大も見据えており、予防保全ビジネスの強化を模索。売上高の80%以上を依存する自動車業界における電気自動車シフトへの対応も急ぐ。

就職格付け:CC

■給与水準
微減傾向。2020年以前の業績好調時には平均年収600万円を上回って推移していたが、同年以降は平均年収600万円を割り込んでいる状況。若手社員の間は毎年数千円レベルの昇給であるが、管理職になると給与水準は年収800万円は超えるまでに上がる。2022年の人事制度改革によって年功序列色を薄めており、実力がある社員は昇進スピードが上がる。

■福利厚生
企業規模なり。若手社員には本社から徒歩10分圏内に独身寮・社宅が用意されており、月額1.2万~2万円ほどで居住可能。が、家賃補助制度はないため、独身寮・社宅に入れなくなった後は特段の住宅補助はない。年間休日は128日に設定されており、休みはかなり多め。

■キャリア
エンジニア系・営業系・事務系の3職種制。主力事業所は神奈川県相模原市に集積しており、技術系職種は同地で過ごす時間が長い。年功序列色が強いものの、優秀な社員については早期昇格させることも多々。創業一族の会田家が経営の主導権を握っているが、代表取締役社長のポストはプロパー入社で叩き上げたサラリーマン社長が数代に渡って続いている。海外売上高比率が50%以上のグローバル企業でもあるため、海外で仕事をするチャンスも。

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