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スズキの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

スズキは、軽自動車・乗用車・バイク・船外機などを製造する大手自動車メーカー。1909年に鈴木道雄が織機メーカーとして創業、1950年代にバイク・軽自動車に進出。1980年代には日系自動車メーカーとして初めてインドに本格進出。現在ではインド市場の新車販売で業界首位、日本市場の軽自動車シフトで国内販売台数も業界2位。1980年代から米ゼネラルモーターズと提携していたが、2009年に独フォルクスワーゲンと提携。しかし、2015年に離別して現在はトヨタ自動車と資本業務提携の関係。

POINT

1.ダイハツ工業と双璧を為す軽自動車メーカー、インド市場では断トツ首位
2.売上高・利益は急伸して過去最高を更新。財務体質はかなり優良。
3.平均年収665万円と自動車メーカーとしては低め、家賃補助制度もない

業績動向

✔売上高と営業利益

スズキの売上高は3兆円規模で安定推移してきたが、2022年は売上高4.6兆円に急増して過去最高を更新。営業利益は2017年の3,742億円をピークに衰退していたが、2022年には再度急伸。
*1:2019年以降はCOVID-19感染拡大による新興国経済の不調や世界的なサプライチェーン混乱で新車生産台数が落ち込んだことで売上高が伸び悩んでいた。2022年は海外市場での値上げ対応が進んだうえ、国内外での販売台数が増加したことで売上高が急伸。為替レートが円安で推移したことも追い風。

✔セグメント別の状況

スズキは四輪事業(軽自動車・小型自動車・普通自動車など)、二輪事業(バイク・四輪バギーなど)、マリン事業(船外機など)、その他事業(電動車いす・太陽光発電・不動産など)、の5事業を有する。
スズキはバイク・船外機において世界的存在であるが、売上高・利益いずれも四輪事業の自動車が約90%を占める状況。バイク事業は赤字寸前の状況が近年続いている経緯も。スズキは売上高の約32%がインド市場に集中しており、国内市場以上にインドで売上高を稼得している特徴がある。

✔最終利益と利益率

スズキの純利益は2017年以降は減少傾向が続いたが、2022年には急伸して過去最高となる2,211億円に到達*2。営業利益率は5%~9%程度で推移しており、自動車メーカーとしてはまずまずの利益率。
*2:2022年のスズキは世界的な原材料価格の高騰で939億円のコスト増に直面したが、為替レートの円安推移で1,006億円の増益効果を享受。販売台数増・値上げにより2,421億円の増益効果を確保。

✔自己資本比率と純資産

スズキの自己資本比率は45%前後の水準で推移しており、自動車メーカーとしてはかなりの高水準。自動車メーカーは販売金融による負債が計上されている事情があるため自己資本比率が低迷しやすい事情があるが、スズキはそれでも自己資本比率40%を上回るため優良である。純資産は増加傾向が続いており、2022年には2.51兆円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

スズキの平均年収は概ね620~690万円前後の水準で推移しており、自動車メーカーとしてはやや低めの水準。大卒総合職なら35歳前後で年収550~680万円ほどが目安であり、中堅メーカーに近い給与体系。課長職に昇進すれば年収750~900万円程度。

✔従業員数と勤続年数

スズキの従業員数は2018年までは増加傾向が続いていたが、2019年以降は6.9万人ほどの水準で安定。平均勤続年数は右肩上がりの増加基調が継続しており、直近の2022年は18.3年とトヨタ自動車や日産自動車を上回る水準にある。

総合評価

企業格付け:B

軽自動車でダイハツ工業と双璧を為す自動車メーカー、インド市場に早期進出したことが奏功して同国市場で断トツ首位の地位を確立。業績は2022年に大幅好転しており、売上高・純利益は過去最高を更新。値上げ対応を粛々と進めつつ販売台数を増加させる手腕により、初の売上高4兆円突破を成し遂げた。利益率は好調時には10%に迫る水準にあり、薄利多売な軽自動車のイメージに反して自動車メーカーとしてはそこそこ高めの利益率を誇る。財務も堅実志向が強く、自己資本比率45%と自動車メーカーとしては上位級の厚さ。COVID-19感染拡大で世界的な混乱に陥った時期にも営業利益・純利益を着実に確保しており、堅実な財務体質も考慮すれば極めて安定的な企業である。とはいえ、電動化シフトでは後れをとっており主力はマイルドハイブリッド技術、将来的な電気自動車シフトには追従しにくい点は気がかり。

就職格付け:CC

静岡県を地盤とする自動車メーカーであり、同県に本社を置く企業では売上高ナンバーワンの地位。給与水準は平均年収665万円と自動車メーカーとしてはかなり低めの水準。首都圏と比べて生活コストが安価な静岡県で生活することを思えば十分といえば十分な水準だが、他県出身者がわざわざ移住してまで働きたいかと言えば微妙な水準。福利厚生も特筆する点はなく、独身寮こそあるものの家賃補助制度はないため、寮が嫌なら自腹前提。それでも、平均勤続年数はトヨタ自動車・日産自動車を優に上回る水準にある為、働き心地は良いのだろうか。

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