本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
三菱重工業は、発電システム・産業機器・船舶・防衛用機器などを主力とする総合重工メーカー。1887年に郵便汽船三菱(現・日本郵船)が造船設備を工部省から譲り受け、1917年に三菱造船として発足。戦前は日本陸海軍向けの戦艦・航空機・戦車などを製造し、戦後は発電システム・自動車・原子力発電などへ事業領域を拡大。1970年には自動車部門を三菱自動車工業として分離。現在では電力用大型ガスタービンにおいて出力ベースで世界トップクラスのシェアを有するほか、産業用冷熱装置・ターボチャージャー・防衛機器などを幅広く手掛ける。また、日系で唯一の加圧水型原子力炉(PWR)メーカーでもある。三菱UFJ銀行・三菱商事と並び三菱グループ御三家の一角を占める。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:73(最上位)
三菱グループにおけるトップ企業の一角であり、国家社会基盤を担う社会的重要性は絶大。待遇は大手メーカーの水準から傑出しないが、一般知名度の高さは大きな強み。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:難関上位級
採用人数は年間300人前後だが、三菱グループにおけるトップ企業の一角だけあって採用倍率は高い。総合職の出身大学は旧帝大・早慶がボリューム層だが、技術系であれば門戸がやや広がる。
採用大学:【国公立】東京大学・京都大学・大阪大学・名古屋大学・九州大学・北海道大学・神戸大学・筑波大学・広島大学・横浜国立大学・大阪公立大学・名古屋工業大学など、【私立】慶応義塾大学・早稲田大学・上智大学・同志社大学・関西大学・東京理科大学・芝浦工業大学など(出典:大学通信ONLINE)
業績動向
✔売上高と営業利益
三菱重工業の売上高は2022年まで3.7兆~4.1兆円レベルで推移していたが、同年以降は増加傾向に転換。2025年には過去最高となる売上高5.02兆円に到達している。事業利益は2016年の3,095億円から低迷*1が続いたが、2021年からは増加傾向に転換。2025年には過去最高となる事業利益3,831億円まで到達*2。
*1:2016年は米シェールガス革命でプラント向け設備の売上高・利益が急伸したが、同年以降は発電設備・船舶などの売上が低調で推移した他、三菱スペースジェットの開発遅延により業績下降に転じた。
*2:2025年に売上高・利益が増加した理由は、①北米・アジア地域におけるガスタービン・コンバインドサイクル発電プラントの販売好調、②防衛政策の転換による自衛隊向け艦艇・車両・航空機の販売拡大、③為替レートの円安推移による為替効果、など。
✔セグメント別の状況
三菱重工業は、エナジー事業(火力・風力・原子力発電システム、航空機用エンジン、船舶機械)、プラント・インフラ事業(製鉄機械・商船・環境設備・機械システムなど)、物流・冷熱・ドライブシステム事業(物流機器・エンジン・ターボチャージャ・冷熱製品など)、航空・防衛・宇宙事業(民間航空機・防衛航空機、自衛隊向け艦艇・車両、ミサイル、ロケットなど)、の4事業を有する。
当社の事業構造は、エネルギー・社会インフラ・防衛航空宇宙といった国家基盤領域を中核に据えつつ、空調・物流機器などの民生寄り事業を組み合わせた多層構造となっている。エナジー事業は大型ガスタービンによる発電システムを核として、設備納入から長期保守を請け負うライフサイクル型ビジネスであり、当社にとって最も安定的かつ規模感のある収益源となっている。一方、企業イメージの象徴である防衛分野は売上高・利益の約20%台に過ぎない。防衛事業は国家予算に裏打ちされた安定性を持つ反面、成長余地や利益率には限界があり、全社の成長ドライバーにはなり得ない事情もある。
✔最終利益と利益率
三菱重工業の純利益は2023年まで▲70億~1,300億円ほどで推移していたが、同年以降は増加傾向に転換。2025年には過去最高となる2,454億円に到達している。営業利益率は2021年・2022年を除けば3%~7%ほどで推移しており、大手メーカーの標準的な水準に留まる。
✔自己資本比率と純資産
三菱重工業の自己資本比率は35.2%(2025年)と大手メーカーとしてはやや低めの水準。純資産は2020年に急減*3に見舞われたが、同年以降は増加傾向が続いている。
*3:2020年に純資産が急減した理由は、国際会計基準IFRSへの移行が主要因。移行にあたり、開発が遅延難航していた三菱スペースジェットに関わる資産額であった約4,000億円分の資産価値がゼロとなったことで純資産が急減した経緯がある。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
三菱重工業の平均年収は1,017万円(2025年)と、重工業界においてはトップクラスの水準。大卒総合職の場合、30歳で年収750万〜850万円ほど、課長職レベルで年収1,100万〜1,300万円が目安となる*4。平均年齢は42.5歳(2025年)と、大手メーカーの標準的水準となっている。
*4:大卒総合職の場合は30代後半に上席主任に昇格すると、固定残業手当が毎月30時間分相当付与されるようになり、年収1,000万円に到達する(家族手当や家賃補助などの福利厚生を加味した場合)。
✔従業員数と勤続年数
三菱重工業の単体従業員数は2021年まで1,4万人レベルで安定的に推移していたが、同年以降は2.2万人レベルに急増している*5。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は7.72万人ほど。平均勤続年数は18.9年(2025年)と、大手メーカーの標準的水準を上回っている。
*5:2022年に単体従業員数が急増した理由は、火力発電システムを担う三菱パワーを吸収・統合したことが主要因(参考リンク)。この統合により、同社の高砂工場・長崎工場・日立工場・呉工場の人員が当社に合流したことで単体従業員数が急増した経緯がある。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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