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【勝ち組?】豊田合成の就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

豊田合成は、トヨタグループのゴム・樹脂部品メーカー。1934年に豊田自動織機の再生タイヤ研究開発部門として誕生。1937年にはトヨタ自動車に編入されたが、戦時下の国策によってゴムメーカーとして分離独立。終戦後には樹脂成型ハンドルの生産を開始した他、1950年代からは自動車向けウェザストリップ・ブレーキホースを量産化。1989年には運転席エアバッグを開発してセーフティ分野にも進出。現在ではトヨタグループ内外にゴム・樹脂製の自動車部品を納入、エアバッグでは世界大手4社に数えられる。

POINT

・トヨタグループ13社の一角、ゴム・樹脂製部品のほかエアバッグでも大手
・売上高・利益は2021年から良化傾向、財務健全性もかなり良好
・平均年収687万円だが総合職は昇給が早い、独身寮はあるが家賃補助はない

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:61(中堅上位)

サラリーマンの中堅上位クラスの待遇を得られ、世間的にも有名企業・大企業勤務として認知される。サラリーマンとして安定した人生が得られるが、入社するには人並み以上の努力が必要だろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:中難易度

総合職の採用人数は年間90人~100人ほど、自動車部品メーカーとしては極めて採用数が多い。トヨタグループの大手企業だけあって中部地方の出身者のUターン就職先として有望。
採用大学:【国公立】名古屋大学・広島大学・静岡大学・新潟大学・信州大学・岐阜大学・三重大学・福井大学・名古屋工業大学・豊橋技術科学大学・長岡技術科学大学など、【私立】中央大学・立教大学・青山学院大学・法政大学・立命館大学・芝浦工業大学・豊田工業大学など(出典:マイナビ2026

業績動向

✔売上高と営業利益

豊田合成の売上高は2021年まで0.72兆~0.84兆円ほどで推移していたが、2023年には過去最高となる1.07兆円に到達している*1。営業利益は2019年を除けば340億~400億円レベルで推移していたが、2023年には過去最高となる677億円に到達*2。
*1:2021年から売上高が増加した理由は、①主要顧客であるトヨタ自動車の生産増加による販売増加、②原材料価格の高騰を受けた値上げ対応による増収効果、③為替レートの円安推移による為替効果、など。
*2:2023年に営業利益が増加した理由は、①販売数量の増加による生産効率の上昇、②人員を抑えた増産対応によるコスト削減の成功、など。

✔セグメント別の状況

豊田合成は、日本事業(自動車向け内装部品・ウェザストリップ・ホース類、エアバッグ、水浄化ユニットなど)、米州事業(アメリカ・カナダ・メキシコなどにおける事業展開)、アジア事業(中国・インド・タイ・ベトナム・インドネシアなどにおける事業展開)、欧州他事業(イギリス・ベルギー・チェコ・南アフリカなどにおける事業展開)、の4事業を有する。
当社はトヨタグループにおけるゴム・樹脂部品メーカーとして、トヨタ自動車の生産拠点がある地域へと積極的に進出している。現在では売上高に占める海外比率が約63%に達する他、全社利益における海外比率は約77%を占める。トヨタグループ以外との取引は売上高の約32%であり、日産自動車本田技研工業SUBARUマツダスズキなどと取引関係がある。

✔最終利益と利益率

豊田合成の純利益は長期的に110億~350億円ほどで推移していたが、2023年には過去最高となる514億円に到達している。営業利益率は2%~6%ほどで推移しており、自動車部品メーカーとしては標準的な水準。

✔自己資本比率と純資産

豊田合成の自己資本比率は長期的に50%台で推移しており、負債に依存しすぎない事業運営ができている。純資産は2020年から増加傾向にあり、2023年には5,667億円に到達している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

豊田合成の平均年収は長期的に640万~680万円ほどで推移している。大卒総合職であれば30歳で年収580万~670万円ほど、課長職レベルで年収950万~1,050万円が目安。課長職レベルまで昇格できれば自動車部品メーカーとしては上位級の待遇を得られる。

✔従業員数と勤続年数

豊田合成の単体従業員数は長期的に6,300人~6,700人ほどでの推移が続いている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は3.89万人に及ぶ大所帯である。平均勤続年数は19.5年(2023年)と大手企業の標準的な水準を大きく上回り、従業員の定着がよい。

総合評価

企業格付け:CCC

トヨタグループにおいてゴム・樹脂製の自動車部品(内外装部品・ホース類・バルブ・エンジンカバー・ブーツ・エアバッグ)などを担う自動車部品メーカー。トヨタグループ向けの売上高が約68%を占めるために良くも悪くもトヨタグループと一蓮托生の関係にある。業績においては2021年から売上高の増加傾向が顕著であり、2023年には売上高1兆円を突破。主要顧客であるトヨタ自動車の販売好調が追い風となっている他、為替レートの円安推移による為替効果も享受。特筆すべきは景気後退局面にも底堅い安定性であり、2019年・2020年にCOVID-19感染拡大で自動車業界が大混乱に陥った際にも黒字で着地することができている。財務体質においても相当に健全であり、自己資本比率は長期的に50%以上で安定的に推移している。

就職格付け:CC

愛知県清須市に本社を置くトヨタグループの自動車部品メーカーであり、トヨタグループ中核企業13社に列せられる1社。トヨタグループ主要会社で唯一『トヨ"ダ"』読みの企業であるため、読み違えによく注意しなければならない。給与水準においては平均年収687万円(2023年)と自動車部品メーカーなりの水準だが、大卒総合職の給与水準は見た目の平均年収よりも高い。実際には、総合職・30歳で年収580万~670万円ほど、課長職レベルで年収950万~1,050万円が目安となるだろう。福利厚生においては可もなく不可もなく、若手社員には格安で入居できる独身寮が用意されているが入居期間は入社後3年までが目安。家賃補助制度はないため、退寮後の住宅コストは自己負担が基本となる(当社は家賃相場が安いエリアが地盤であるため負担感は大きくはないだろう)。

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出典:豊田合成株式会社(有価証券報告書)