カテゴリー
自動車メーカー

SUBARUの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

SUBARUは、世界90ヶ国以上でSUBARUブランドの自動車を製造・販売する中堅自動車メーカー。1917年に飛行機研究所として創業、戦前・戦中には日本を代表する航空機メーカーとして軍用機を多数生産。1950年代に富士重工業として再編、自動車メーカーとして再出発。4輪独立懸架や水平対向エンジンなど独特の自動車づくりで定評、北米市場では高いブランド力を誇る。創業以来の名残で航空機・宇宙機器でも有力、米ボーイングに主翼を卸す大手航空部品メーカーでもある。

POINT

1.北米市場で高いブランド力を誇る年産100万台規模の中堅自動車メーカー
2.売上高・利益は横這いが続いており成長性は希薄
3.平均年収658万円だが大卒総合職の平均年収は750~800万円ほど

業績動向

✔売上高と営業利益

SUBARUの売上高は2020年を除けば*1、売上高3兆円レベルでの推移が続いている。営業利益は年度により好不調が分かれるが、過去最高を記録した2015年の営業利益5,656億円からは停滞気味*2。
*1:2020年は世界的なCOVID-19感染拡大によりスバルの新車生産・販売は大きく混乱。2021年には半導体不足とサプライチェーン混乱で新車生産が遅れたことで売上高が減少。
*2:2015年にスバルは過去最高の営業利益を記録したが、同年以降は減少傾向に転換。新車販売こそ好調だが、①金利上昇による販売費増、②原材料価格の高騰、③日本での完成検査問題によるコスト増、④研究開発費の増加、などが利益を下押し。

✔セグメント別の状況

SUBARUは自動車事業(自動車ならびに関連製品の製造・販売など)、航空宇宙事業(航空機・宇宙関連機器など)、その他事業(不動産賃貸事業など)の3事業を有する。
SUBARUは売上高の約97%を自動車事業で稼いでおり、航空宇宙事業は売上高の5%にも満たない。地域別にみると売上高の73%を北米地域で稼いでおり、アメリカ・カナダに大きく依存する事業構造。現在では北米市場で新車販売シェア3%台を維持しており、高利益率のセダン・SUVが販売を牽引している。ただし、北米市場の電気自動車シフトに乗り遅れた場合にはシェアを落とすリスクも。

✔最終利益と利益率

SUBARUの純利益は年度により好不調が分かれるが、2015年の純利益4,367億円から大きく後退した推移が続いている*3。営業利益率は3~17%ほどの水準で推移、全盛期には日系自動車メーカー屈指の高利益率を誇っていた。
*3:営業利益の減少に連動して純利益が減ったことに加えて、2017年にはタカタ製エアバッグのリコールによる特別損失813億円を計上。

✔自己資本比率と純資産

SUBARUの自己資本比率は長期的に50%レベルでの推移が続いており、十分な健全性を維持できている。純資産は長期的な増加傾向が続いており、2022年には純資産2.11兆円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

SUBARUの平均年収は640~670万円ほどの水準が長年に渡って継続。自動車メーカーは現業職を大量採用しているため大卒総合職の平均年収は750~800万円ほどと推定。平均年齢は38歳前後で安定的に推移、直近でも平均年齢39.3歳であるため大手メーカーの標準的水準。

✔従業員数と勤続年数

SUBARUの従業員数は緩やかな増加傾向が続いており、2020年には1.72万人に到達。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は3.75万人ほど。平均勤続年数は16年前後で安定的だが、大手メーカーとしてはやや短めの水準。

総合評価

企業格付け:BBB

日系自動車メーカーにおいて売上高で6位に位置する中堅自動車メーカー。他の日系自動車メーカー以上に北米市場に大きく依存した事業構造が特徴であり、売上高の約73%をアメリカ・カナダの2カ国で稼ぐ。北米市場では高所得・高教養なアッパーマス層に根強い人気を誇るブランドとなっており、高価格・高付加価値な自動車づくりを支えている。他方で、日本・北米以外の地域ではそこまで存在感がない点は弱点とも。売上高は3兆円レベルで安定的で成長性はそこまでだが、利益率は日系自動車メーカー上位級。全盛期の2015年には営業利益率17%という傑出した利益率に到達したことも。財務はかなり堅実寄りとなっており、自己資本比率50%以上の水準を安定的に確保。自動車業界で急激に進んでいる電気自動車シフトには遅れており、当面は内燃機関車で稼ぐ方針。SUBARUの最重要市場である北米市場が急激に電気自動車シフトを進めているため、同市場の動向次第では急激な業績悪化のリスクがある。

就職格付け:BB

世界的に熱心なファンを抱える自動車メーカーであり、魅力的な自動車づくりには定評。本社こそ東京都内に立地するが、主力拠点は群馬県・愛知県に集中。とりわけ群馬県では前身企業の中島飛行機の時代から拠点を置き続けている名門企業の扱い。業績は2015年頃から停滞ぎみ、売上高こそ横這いを維持しているものの利益率の悪化傾向が顕著。2015年には日系自動車メーカーで断トツ首位の営業利益率17%台に到達したが、最近は営業利益率3~7%程度の水準に留まる。財務体質はかなり優良であり、日系自動車メーカーでは上位級の自己資本比率50%台を堅守しており安心感はある。福利厚生はかなり凡庸、家賃補助制度は最大でも家賃の15%ほどと手当レベル。独身寮は存在するが、寮費が1~4万円/月とそこそこするため、群馬県ならば一人暮らしを選択する方が有利になるレベル。

就職偏差値ランキング【完全版】はこちら!