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豊田自動織機の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

豊田自動織機は、1926年創業の機械・自動車部品メーカー。豊田佐吉が創業したトヨタグループの源流企業、現在でもトヨタ自動車の第2位の大株主である。当初は繊維機械メーカーであったが、1935年にトラックの市販化に成功。1937年に自動車部門をトヨタ自動車として分社化。以降は繊維機械や産業機械の製造を継続する他、一部のトヨタ車を受託生産している。

POINT

1.トヨタ自動車の源流企業にして現在も大株主の名門企業
2.主力事業は物流機器・産業機械、昨今の物流投資の活況で業績好調
3.平均年収は7~800万円台でトヨタグループ内では上位級

業績動向

✔売上高と営業利益

豊田自動織機の売上高は緩やかな成長基調を維持しているが、直近の2021年には3兆円を突破*1。営業利益は概ね横ばいで推移しているが、直近の2021年には増加。
*1:2021年はCOVID-19感染拡大後のECの成長拡大で物流機器への設備投資が活況。稼ぎ頭の産業車両事業が前年比25%の売上高増加となり売上高が急伸。

✔セグメント別の状況

豊田自動織機は自動車事業(完成車受託生産、エンジン、自動車部品)、産業車両事業(フォークリフト、倉庫機器、自動倉庫、物流ソリューション)、繊維機械事業(織機、紡機ほか)、その他事業(運輸ほか)の4事業を有する。
トヨタ車の受託生産と繊維機械のイメージが強い豊田自動織機だが、実態は物流機器で売上高・利益の大半を稼いでいる。傘下のトヨタL&Fがフォークリフトをはじめとする物流機器の販売を行っており、会社を支える花形部門となっている。

✔最終利益と利益率

豊田自動織機の純利益は概ね1,000から2,000億円レベルで安定。2021年には住宅設備需要の急上昇によって大幅増益となった。ROEは6%レベルで推移しており、平均的な水準。

✔自己資本比率と純資産

豊田自動織機の自己資本比率は51.5%と高め、業績の安定性も加味すると極めて健全な財務状況。純資産は右肩上がりでの増加が続いている*2。
*2:2020年から純資産が急増したのは、豊田自動織機が保有するトヨタ自動車株の評価額上昇が主要因。2019年3月時点で1.5兆円が2022年3月時点では2.6兆円にまで増加。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

豊田自動織機の平均年収は直近で774万円と平均年収はやや高めの水準、これは全従業員の平均年収。総合職であれば平均年収800万円を超える水準となり、課長職レベルであれば1,000万円に到達する。

✔従業員数と勤続年数

豊田自動織機の従業員数は緩やかな増加傾向にあり、直近では7万人を超える規模に到達*3。平均勤続年数は14年以上で推移しており、勤続年数は長めである。
*3:近年の豊田自動織機は海外企業の買収を増やしており、これにより従業員数が増加。2017年に米Bastian Solutions社と蘭Vanderlande社を買収、2021年には米Lift Technologies社と伊Lift-Tek Elecarを買収。

総合評価

企業格付け:A

元々はフォークリフトメーカーとして著名であったが、近年は海外の物流機械メーカーの買収を加速。最新鋭の物流機器を多種多様に組み合わせた物流ソリューションを納入できる強みを尖らせている。業績が安定的であるうえ、自己資本比率50%とやや過剰なほど堅実な財務を有しており、当面は安泰だろう。トヨタグループの源流企業という立場から多くのトヨタ自動車株を保有するが、このトヨタ自動車株は直近で評価額2.6兆円に到達。大きな資産価値を有している。が、2023年に主力製品のフォークリフトで排ガス認証不正が発覚。国土交通省がフォークリフトの型式認証を取り消すなど、大きな不祥事となった。

就職格付け:A

愛知県ではトヨタ自動車の源流企業として一目置かれる名門企業。愛知県では誰もが知る名門企業として尊敬の眼差しを受けられるが、首都圏や近畿圏における一般知名度はまったく振るわない。源流企業とはいえ、売上高の約30%をトヨタ自動車からの受託生産で稼ぐなど微妙と言えば微妙な立ち位置。給与水準は平均年収774万円と良好ではあるが、当然ながらトヨタ自動車には及ばず。主要拠点・工場はすべて愛知県に集中しているため、人生の大半を愛知県で生活することになる点は人を選ぶか。

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