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自動車部品メーカー

日本特殊陶業の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

日本特殊陶業は、スパークプラグ・センサ・セラミック切削工具などを製造する大手セラミックスメーカー。1918年に日本陶器(現・ノリタケカンパニーリミテド)から日本ガイシが独立した後、1936年に日本ガイシからスパークプラグ部門が分社化されて設立。スパークプラグ・排ガスセンサ・セラミック切削工具で世界シェア首位、マイクロプロセッサ用ICパッケージで世界シェア第3位。ノリタケカンパニーリミテドTOTO日本ガイシと共に、世界最大級のセラミックス企業グループである森村グループを形成。

POINT

1.スパークプラグ・排ガスセンサで世界シェア首位、森村グループ中核企業
2.売上高・利益は成長基調かつ利益率も高い、財務体質も優良
3.平均年収672万円と利益率の割には普通の水準、福利厚生も凡庸

業績動向

✔売上高と営業利益

日本特殊陶業の売上高は緩やかな成長基調が続いていたが、2021年からは増加ペースが加速。2022年には売上高5,626億円に到達して過去最高を更新*1。営業利益も2021年から増加して2022年には892億円に到達*2。
*1:2022年にはCOVID-19感染拡大が一服、自動車メーカーの新車生産台数の増加で自動車関連事業が増収増益。為替レートの円安推移による追い風の他、世界的な原材料価格の高騰を受けて値上げ措置を断行したことで売上高・利益いずれも伸長。
*2:2022年の営業利益には日本エム・ディ・エムとの資本業務提携の解消に伴う同社株式の売却益86億円が含まれている。本業の好調に加えて、株式売却益が上乗せされたことで過去最高益を達成。

✔セグメント別の状況

日本特殊陶業は自動車関連事業(スパークプラグ・グロープラグ・自動車用センサなど)、セラミック事業(切削工具・産業用セラミック・半導体製造装置部品など)、新規事業事業(環境エネルギー・燃料電池など)、その他事業(福利厚生サービス)、の4事業を有する。
日本特殊陶業は売上高の約70%を自動車関連事業で稼いでおり、自動車用プラグ・センサが主力製品。この他にも医療機器・水素発電・全個体電池など様々な領域で研究開発を試みており、自動車関連事業・セラミック事業に続く第三の事業領域を模索している。

✔最終利益と利益率

日本特殊陶業の純利益は緩やかな成長基調が続いており、直近の2022年には純利益663億円に到達して過去最高益を更新。営業利益率は不調時を除けば15%以上を確保しており、自動車部品メーカーとしてはかなり優良な水準。

✔自己資本比率と純資産

日本特殊陶業の自己資本比率は概ね60%以上の水準で安定推移しており、直近の2022年は自己資本比率62%となっている。純資産は着実な純利益の確保が奏功して増加傾向が続いており、2022年には5,637億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

日本特殊陶業の平均年収は概ね630~690万円前後の水準で推移しており、直近の2022年の平均年収は672万円。利益率は自動車部品メーカーの上位に位置するが、平均年収は普通。大卒総合職なら30歳前後で年収500~650万円ほどが目安。

✔従業員数と勤続年数

日本特殊陶業の従業員数は2019年までは増加傾向が続いていたが、2019年以降は1.6万人規模で安定。平均勤続年数は16.9年前後と大手自動車部品メーカーとしては普通程度。

総合評価

企業格付け:BB

セラミックス企業グループである森村グループにおいて、TOTO・日本ガイシと並ぶ売上高規模を誇る自動車部品メーカー。かつては日本ガイシの一部門であったが、現在では日本ガイシと並び立つ売上高まで成長。自動車のエンジン部品の1つであるスパークプラグは飽和産業のイメージがあるが、業績は今なお成長基調。売上高・営業利益・純利益いずれも過去最高を更新し続けているうえ、利益率は自動車部品メーカーとしてトップクラスの営業利益率15%以上を誇る。財務体質も優良であり、自己資本比率60%以上の優良な水準を維持。現時点では優良企業であるが、問題は将来性。あくまでエンジン部品の1つであるスパークプラグが売上高の約半分を占めるため、将来的に電気自動車が増加した場合には事業喪失の危機に晒される。万が一の事態に備えて新規事業の創出を急ぎ、医療機器・水素発電・全個体電池など様々な領域で研究開発を試みているものの、第三の柱となる事業規模まではまったく育っていない状況。

就職格付け:CCC

名古屋圏の有名企業のひとつ。自動車部品メーカーでありながら宣伝広告に熱心な企業であり、近年は「特殊で何が悪い?」をキャッチフレーズとした広告を大量展開。業績・財務は日本ガイシに勝るとも劣らない水準まで躍進したが、給与水準はまだ今一歩及ばず平均年収670万円前後と日本ガイシ比で100万円ほど安い水準。福利厚生もそこまでであり、住宅補助制度はない。若手社員向けには独身寮が整備されており月5,000円程度の負担で入居できる他、借上げ社宅への入居も可能。工場の社員食堂は1食200円程度と格安。主力工場は名古屋・小牧・伊勢などの名古屋経済圏に集中するため遠方転勤リスクは低いが、鹿児島県薩摩郡という超遠方かつ僻地にさつま工場が存在する点には注意。

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