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自動車部品メーカー

日本ガイシの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

日本ガイシ(正式表記:日本碍子)は、電力用ガイシ・自動車排ガス浄化部品・半導体製造装置部品・蓄電システムなどを製造する大手セラミックスメーカー。1918年に日本陶器(現・ノリタケカンパニーリミテド)から電力用ガイシ部門が独立、日本国内の電力送電網の開拓と共に成長を果たした。現在でも鉄塔用ガイシで国内シェア90%以上、自動車排ガス浄化部品で世界シェア50%以上。ノリタケカンパニーリミテドTOTO日本特殊陶業と共に、世界最大級のセラミックス企業グループである森村グループを形成。

POINT

1.電力用ガイシ・自動車排ガス浄化装置で世界的、森村グループ中核企業
2.売上高・利益は緩やかな成長基調、財務体質も優良
3.平均年収769万円と名古屋圏では高めの水準、福利厚生は普通

業績動向

✔売上高と営業利益

日本ガイシの売上高は概ね4,500億円規模で安定推移してきたが、2021年以降は売上高5,000億円を突破して過去最高を更新*1。営業利益は2015年頃から微減が続いていたが、2021年からは再び増益の兆候*2。
*1:2021年以降の日本ガイシは世界的な排ガス規制強化により自動車排ガス浄化部品の販売が増加、半導体業界の好調により電子部品・半導体製造装置部品も好調に転換。
*2:2022年は販売好調と為替レートの円安推移により売上高は増加したが、世界的な原材料価格の高騰に販売価格の値上げ措置が追い付かずに減益に沈んだ経緯がある。

✔セグメント別の状況

日本ガイシはエネルギーインフラ事業(電力用ガイシ・送電機器・NAS電池など)、セラミックス事業(自動車排ガス浄化部品・センサーなど)、エレクトロニクス事業(電子部品・ベリリウム銅製品・金型部品など)、プロセステクノロジー事業(半導体製造装置部品、セラミックス部品・機器などなど)、の4事業を有する。
日本ガイシは社名に”ガイシ”を掲げているが、ガイシを主力製品とするエネルギーインフラ事業は売上高の10%にも満たず、利益貢献もしていない。現在の最主力製品はセラミックス事業の自動車排ガス浄化部品・センサーであり、売上高・利益の過半を稼ぎ出している。

✔最終利益と利益率

日本ガイシの純利益は年度により好不調が分かれるが、赤字転落なく着実に純利益を確保し続けている。2021年の純利益709億円が過去最高益。営業利益率は概ね10%以上を確保できており、大手メーカーとしては良好な水準。

✔自己資本比率と純資産

日本ガイシの自己資本比率は50%以上の水準で安定推移しており、直近の2022年には自己資本比率61%に到達。純資産は着実な純利益の確保が奏功して増加傾向が続いており、2022年には5,896億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

日本ガイシの平均年収は概ね760~790万円前後の水準で推移しており、直近の2022年の平均年収は769万円。高い利益率により大手メーカーと遜色ない給与水準を実現している。大卒総合職なら30歳前後で年収580~670万円ほどが目安。

✔従業員数と勤続年数

日本ガイシの従業員数は2018年までは増加傾向が続いていたが、2019年以降は2万人規模で安定。平均勤続年数は14.7年前後と大手メーカーとしては普通程度の勤続年数。

総合評価

企業格付け:BBB

セラミックス企業グループである森村グループにおいて、TOTO・日本特殊陶業と並ぶ売上高規模を誇る中核企業。電力用ガイシ・自動車排ガス浄化部品において世界的シェアを確立、しっかりと利益率を確保するビジネスモデルに強み。売上高は緩やかな成長基調が続いており、2021年に売上高5,000億円を突破。営業利益は原材料価格の高騰に押されて思うように伸ばせない状況が続くとはいえ、過去最高レベルの営業利益で推移している。財務体質も自己資本比率60%に迫る高水準を維持しており、安定的な利益創出力を加味すれば当面安泰の企業。

就職格付け:BB

名古屋圏ではよく知られた地元の有名・名門企業、名古屋市南区に所在する日本ガイシホールでは展示会・コンサート・ライブなどが開催されるため知名度も全国区である。給与水準は平均年収769万円台と名古屋圏ではかなりの高水準に位置。定年が65歳であるため、できるだけ長く働きたい場合にはピーク年収を長く稼げる点も魅力。家賃補助は最大でも2万円で低めだが、独身寮が整備されており月5,000円程度の負担で入居できる。関連会社でゴルフ場経営を行っている為、社員向けのゴルフ割引がある。営業拠点は全国区だが生産拠点は中部地方に集中するため、転勤リスクが比較的低い点も地味な魅力である。

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