本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
富士電機は、パワー半導体・インバータ・変電設備・鉄道車両用駆動システムなどを製造する大手重電メーカー。1921年に独シーメンスと古河電気工業の合弁会社として設立、1935年には電話部門を分社化(現・富士通)した。戦後は発電設備・受配電機器・産業用電機機器などへと事業領域を広げ、高度経済成長期の電力需要拡大を追い風に事業基盤を拡大した。近年ではパワー半導体技術・パワーエレクトロニクス技術を中核に据え、発電設備・鉄道駆動システム・インバータ・電源装置など、高電圧・大電流を扱う産業用機器に強みを有している。現在では、地熱発電設備・大容量整流器で世界シェア首位級、自動販売機では国内シェア1位。古河機械金属・古河電気工業・富士通と共に、古河グループ中核4社の一角を担う存在である。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:66(上位)
かなりの勝ち組サラリーマン。一般知名度と社会的名声は伸び悩むが、実直な事業展開による業績拡大が高査定を牽引。従業員の定着の良さが美点であり、平均勤続年数は極めて良好。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:やや難関
総合職の採用人数は年間200人~250人と門戸は広め、ただし事務系総合職は50名前後の採用枠のみ。一般知名度はそれほど高くないこともあり、極端な高倍率にはならない傾向。
採用大学:【国公立】名古屋大学・筑波大学・広島大学・金沢大学・千葉大学・信州大学・熊本大学・岐阜大学・東京農工大学・豊橋技術科学大学など、【私立】早稲田大学・上智大学・立教大学・中央大学・法政大学・立命館大学・学習院大学・日本大学・東京理科大学・芝浦工業大学など(出典:リクナビ2027)
業績動向
✔売上高と営業利益
富士電機の売上高は2022年まで0.85兆~0.9兆円で推移していたが、同年以降は増加傾向に転換。2025年には過去最高となる売上高1.12兆円に到達している。営業利益は2022年から増加傾向が続いており、2025年には過去最高となる1,176億円に到達している*1。
*1:当社の売上高・利益が成長している理由は、主力のパワエレエネルギー事業・パワエレインダストリー事業・半導体事業がすべて好調である点に起因。カーボンニュートラルやデジタル化の加速による電気自動車・省エネ設備・デジタルインフラの需要高騰による恩恵が大。
✔セグメント別の状況
富士電機はパワエレエネルギー事業(変電設備・スマートメータ・電機盤・受配電機器など)、パワエレインダストリー事業(インバータ・センサ・FAシステム・放射線機器・鉄道車両駆動システムなど)、半導体事業(産業用・自動車用パワー半導体)、食品流通事業(飲料自販機・店舗設備など)、その他事業(金融サービス・不動産・保険代理店など)、の5事業を有する。
当社はコア技術であるパワー半導体・パワーエレクトロニクス技術を軸として幅広い事業ポートフォリオを構築しており、特定事業に依存しない事業構造となっている。目下のコア事業はインダストリー事業であり、同事業が売上高の約35%・利益の約30%を占める。近年は半導体事業における自動車向けパワー半導体が好調、同事業が利益の約29%を占めるまで拡大している。
✔最終利益と利益率
富士電機の純利益は2021年から増加傾向が続いており、2025年には過去最高となる922億円に到達している*2。営業利益率は増加傾向にあり、2025年には10.4%となっている。電機メーカーとしては上位クラスとなる高利益率に到達したと評価できよう。
*2:当社の営業利益が向上している理由は、①営業利益率15%以上を誇る半導体事業が成長している点、②パワエレエネルギー事業やインダストリー事業も営業利益率10%レベルで健闘している点、による。
✔自己資本比率と純資産
富士電機の自己資本比率は緩やかな増加傾向が続いており、2025年には52.7%にまで到達。かつて財務体質が悪化した過去があるが、現在では負債に依存しすぎない財務体質へと復活を遂げた*3。純資産は右肩上がりの増加傾向が続いており、2025年には7,306億円に到達。
*3:当社はリーマンショック前後の2008年に純損失733億円を計上して自己資本比率14%まで低下した過去があり、それから15年近くをかけて財務体質が徐々に改善してきた経緯がある。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
富士電機の平均年収は2022年まで750万~780万円ほどで推移していたが、2025年には810万円に上振れしている。総合職の場合、30歳で年収650万~750万円ほど、課長職レベルで年収1,050万~1,150万円が目安となる。平均年齢は44.9歳(2025年)と大手企業の標準的な水準をやや上回る。
✔従業員数と勤続年数
富士電機の単体従業員数は長年に渡って1万人強の水準で安定的に推移している。小会社・関係会社を含めた連結従業員数は2.73万人ほど。平均勤続年数は20.5年(2025年)と大手電機メーカーを凌駕する水準を維持し続けており、従業員の定着は大いに良好である。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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