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古河電気工業の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

古河電気工業は、自動車電装部品・光ファイバ・通信機器・電子ワイヤ・送配電用電線などを手掛ける自動車部品・非鉄金属メーカー。1884年に古河グループ源流企業である古河鉱業の溶銅所部門として創業、1920年に分離独立を果たした。横浜ゴム・富士電機・UACJなど、現在の古河グループの中核企業群を生みだしてきた名門企業でもある。非鉄金属・電気通信をコア技術として事業展開しており、全世界に127社以上のグループ会社を擁する。光ファイバでは米コーニングに続いて世界シェア2位を誇る他、海底電力ケーブル・発泡ポリオレフィン・ヒートパイプ式ヒートシンクなどで世界的シェア上位。

POINT

1.古河グループの中核企業、光ファイバ・ワイヤハーネスで世界的大手
2.売上高・利益いずれも停滞気味、財務体質は改善が進んでいる状況
3.平均年収684万円で家賃補助もないが、平均勤続年数は20年に迫る高水準

業績動向

✔売上高と営業利益

古河電気工業の売上高は長年に渡って8,100億~9,900億円レベルで推移していたが、直近の2022年には売上高1兆円を久々に回復。営業利益は2017年のピークから低下傾向*2にあるが、営業黒字は維持し続けている。
*1:古河電気工業は2008年に記録した売上高1.17兆円を最後に売上高が伸び悩んでおり、過去15年間は成長も衰退もない業績の横這いか続いている。
*2:2017年をピークに営業利益が減少した原因は、①光ファイバ市場の競争激化による価格低迷、②COVID-19以降の新車生産台数の減少による自動車部品の販売減少、③スマートフォン需要の停滞による半導体製造用テープの販売縮小、などが主要因。

✔セグメント別の状況

古河電気工業はインフラ事業(光ファイバ・光半導体デバイス・電力ケーブル・送配電部品・産業用レーザーなど)、電装エレクトロニクス事業(自動車用ワイヤハーネス・コネクタ・センサ、自動車用バッテリー・特殊金属材料など)、機能製品事業(ケーブル管路材・発泡製品・半導体製造用テープ・電解銅箔など)、サービス・開発等事業(水力発電・不動産賃貸など)、の4事業を有する。
古河電気工業は売上高の約56%を自動車電装事業が稼いでおり、自動車用ワイヤハーネスなどの自動車部品によって売上高の半分以上を稼いでいる。利益面ではインフラ事業が約50%を占めているため、同事業の利益によって利益水準が左右される。

✔最終利益と利益率

古河電気工業の純利益は100億~290億円のレンジで推移しており、かなり安定感の高い推移となっている。営業利益率は2018年までは3~4%レベルで推移していたが、2019年以降は2%以下の低空飛行が続いている。

✔自己資本比率と純資産

古河電気工業の自己資本比率は微増傾向が続いたことで直近の2022年には自己資本比率32.5%に到達したが、大手メーカーとしては標準的な水準。純資産は右肩上がりで増加しており、直近の2022年には純資産3,310億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

古河電気工業の平均年収は730万円前後の水準で推移していたが、2019年以降は利益縮小によるボーナス減少で680万円台まで後退。大卒総合職の給与体系は30歳で500~600万、課長クラスで900万~1,050万円ほどが目安。従業員の平均年齢は44歳前後と社員の高齢化が気になる水準。

✔従業員数と勤続年数

古河電気工業の従業員数は増加傾向にあり、直近の2022年には4,267人に到達。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は5.13万人ほど。平均勤続年数は19.9年前後とかなり長く、従業員の定着が良いホワイト企業と推定される。

総合評価

企業格付け:A

光ファイバ・自動車用ワイヤハーネスを主力製品とする古河グループの自動車部品・非鉄金属メーカー。かつて古河グループ源流企業である古河鉱業(現・古河機械金属)の一部門であったが、同社から分離独立してから100年以上が経過しており久しい。業績は良くも悪くも停滞しており、売上高・利益いずれも過去10年間に渡って安定的に推移。2017年以降は営業利益が減少傾向にあるが、COVID-19感染拡大と光ファイバ市況悪化という外部環境を思えば健闘している印象すらある。財務体質は自己資本比率32.5%と大手メーカーとしては凡庸だが、2008年の自己資本比率16.8%から地道な改善を進めてきたことは評価できる。主力製品の自動車用ワイヤハーネスは自動車に搭載されるあらゆる電装品への電源供給・情報伝送を担う部品であり、自動車の血管や神経とも例えられる。電気自動車・ハイブリッド車の普及が追い風となる重要部品であり、将来性は見込めるだろう。

就職格付け:BBB

横浜ゴム・富士電機・UACJなどの大手企業を分社化・創業してきた歴史を持つ古河グループの名門企業。住友電気工業・フジクラと並んで電線御三家とも称される。給与水準は平常時であれば平均年収730万円レベルであるが、直近数年は利益率の低迷により平均年収680万円ほどへ後退。福利厚生は財閥系大手メーカーのイメージに反して凡庸であり特筆するポイントはない。独身寮・社宅は格安で入居できるが、家賃補助制度はなし。他従業員との共同生活が苦でなければ問題にならないが、プライベート空間を確保したい場合には全額自己負担。しかしながら平均勤続年数は19.9年とかなりの高水準である為、給与水準・福利厚生制度には現れない居心地の良さがある模様。

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