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半導体メーカー

ルネサスエレクトロニクスの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

ルネサスエレクトロニクスは、車載半導体・車載センサリングシステム・車載情報機器などを展開とする半導体メーカー。2002年に日立製作所三菱電機からシステムLSI部門が分離して設立、2010年にはNECエレクトロニクスと合併。車載半導体で世界3位のシェアを握る他、日系半導体メーカーではキオクシアに次ぐ売上規模。CPUやメモリなどが集積された半導体であるマイクロコントローラを得意とする。2010年代以降は車載以外の半導体製品を拡充、現在では非車載分野が売上・利益のコアにまで成長。

POINT

1.マイコン分野に強い日系半導体メーカー、車載半導体は世界シェア3位
2.売上高・利益は2020年から急改善して業績好調、財務体質も改善
3.平均年収874万円だがボーナス比率が高め、平均年齢47歳で中高年多い

業績動向

✔売上高と営業利益

ルネサスエレクトロニクスの売上高は7,000億円レベルで推移してきたが、2020年以降は急成長して直近では売上高1.5兆円に到達*1。営業利益は年度により好不調が極端に分かれており、2022年は営業利益4,242億円まで爆発的に増加。
*1:2022年の売上高の急増は複数要因によるもの。具体的には、①半導体不足の深刻化による車載半導体の価格上昇、②産業・インフラ・IoT用途の半導体需要の活況、③為替レートの円安進行が加速、④2021年に買収した英ダイアログ社の売上高の加算。

✔セグメント別の状況

ルネサスエレクトロニクスは自動車事業(車載半導体・車載センサリングシステム・車載情報機器など)、産業・インフラ・IoT事業(業務用無線・業務用オーディオ機器・など)、メディアサービス事業(マイクロコントローラ・SoC・アナログ半導体など)、その他事業の3事業を有する。
ルネサスエレクトロニクスは車載半導体のイメージが強いが、2010年以降に非車載向け半導体分野を開拓。非車載向け半導体の事業拡大に成功したことで、現在では車載向け半導体を上回る事業規模へと成長。自動車業界に依存しない事業ポートフォリオへと転換している。

✔最終利益と利益率

ルネサスエレクトロニクスの純利益は年度により好不調が極端に分かれており、直近の2022年は純利益2,566億円に急増。営業利益率は不調時は1%未満になるが、好調時には28%とかなりの高水準にまで到達する。良くも悪くも不安定。

✔自己資本比率と純資産

ルネサスエレクトロニクスの自己資本比率は上下変動の波が激しいが、直近では54%とかなり高めの水準*2。純資産は2020年から増加して直近では1,037億円に到達したが、企業規模と比べると少なめの水準に留まる。
*2:ルネサスエレクトロニクスは経営不振期の2010年代前半には財務体質がかなり悪化しており、2012年は自己資本比率10%という危機的な水準にあった。10年間で財務体質は劇的に改善したと言える。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ルネサスエレクトロニクスは業績によるボーナス変動が激しく、平均年収は761~910万円の広いレンジで上下。好調時には平均年収900万円以上と高待遇だが、給与水準は30代で年収600~750万円程度。社員の平均年齢は47.7歳とかなり高齢化が進んだ企業であるため、社員の平均年収が高くでやすい。

✔従業員数と勤続年数

ルネサスエレクトロニクスの従業員数は概ね2万人レベルで推移しており、安定的。平均勤続年数は21.0年と大手メーカーとしてもかなり長めの勤続年数を誇り、業績の上下変動が激しくても従業員の離職は限定的。

総合評価

企業格付け:B

2010年代までは失敗企業の代表格であったが、見事な蘇生を遂げて生まれ変わった半導体メーカー。2000年代から2010年頃までは毎年1,000億円以上の赤字を計上。2013年には産業革新機構の傘下入りという体たらくであったが、車載向け半導体以外の分野への積極進出により事業ポートフォリオは激変。今では車載向け以外の半導体が事業の柱。直近の業績は絶好調であり、営業利益率28%と高収益体質へ激変。半導体は浮き沈みが激しい業界であるため浮かれることはできないが、最近の業績好調で財務体質は大きく改善。万が一、近い未来に半導体不況が到来しても一旦は耐え凌げる体制は整いつつある。

就職格付け:CCC

日本を代表する半導体メーカーの1社。かつて深刻な経営不振で世間に知られた企業であるため世間体は決して良くないが、当時と今では既に別企業と言ってよいほど業績は激変している。給与水準は平均年収874万円と大手電機メーカーに勝るとも劣らないが、ボーナス比率が高い為に業績悪化時には平均年収700万円台に後退する点には注意。福利厚生は業績不振期に廃止が相次いだままの状態であるため社宅・寮といった類の支援はなく、家賃補助が一定額ある程度。強いて言えば、半導体メーカーの歴史は業績好調と業績悪化の繰り返しである為、業界特有である業績の好不調の繰り返しには理解が必要。

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