本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
タカラスタンダードは、システムキッチン・ユニットバス・洗面化粧台などを主力とする住宅設備メーカー。1912年に北畠安五郎がホーローメーカーとして創業。1945年には家庭用ホーロー鉄器を製造開始し、戦後の日用品需要の増加を支えた。1950年代にはステンレス製のキッチンシンクを製造し、水まわり設備へと進出。1962年には世界で初めてホーローキッチンの開発に成功し、ホーローの耐久性・耐熱性・清掃性によってシェアを伸ばした。1980年代からはシステムバスへと進出し、ホーロー技術を浴室向けにも応用。2000年代にはトイレ事業にも参入した他、リフォーム向けの需要を取り込んだ。現在では国内キッチン市場において業界トップの地位を占め、ホーロー技術を核とする水まわり設備メーカーとして住宅設備業界で大きな存在感を持つ。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:60(中堅)
給与水準・福利厚生は中堅メーカーとしては良好な水準。安定した業績と卓越した財務健全性が強み。良くも悪くも保守的な社風であり、終身雇用を前提とした長期的な勤続を期待しやすい。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:中難易度
総合職の採用実績は年間110名~160名ほど、企業規模の割に採用枠は多い。ショールームレディを今なお正社員採用している大手企業であるため、女子大学からの就職先として根強い人気がある。
採用大学:【国公立】千葉大学・横浜国立大学・静岡大学・福井大学・名古屋工業大学・長岡技術科学大学など、【私立】青山学院大学・関西大学・立命館大学・日本大学・東洋大学・専修大学・南山大学・神戸女学院大学・駒沢女子大学・昭和女子大学・東京家政大学・金城学院大学など(出典:マイナビ2028)
業績動向
✔売上高と経常利益
タカラスタンダードの売上高は2020年を除けば緩やかな成長基調にあり、2025年には過去最高となる2,433億円に到達。営業利益は極めて安定しており、過去8年間に渡って110億〜156億円ほどで推移している*1。景気後退局面にも安定的に利益を確保できている。
*1:2021年から売上高を伸ばしている理由は、①COVID-19感染拡大後の在宅時間の増加によるリフォーム需要増加、②マンション分野を中心とした不動産市場の活況による新築向け需要の拡大、など。
✔セグメント別の状況
タカラスタンダードは、住宅設備関連事業(システムキッチン・ユニットバス・洗面化粧台・ホーロー壁装材などの製造・販売、ショールーム運営)、その他事業(倉庫事業・不動産賃貸事業)、の2事業を有する。
当社の事業構造は、ホーロー技術を核としながら、システムキッチン・システムバス・洗面化粧台・ホーロー壁装材などの住宅設備を製造・販売することで成立している。住宅設備関連事業の売上高の内訳は、キッチン1,490億円・浴室557億円・洗面化粧台286億円(2025年)となっており、最大の収益基盤はシステムキッチンである。キッチンは油汚れ・水はね・熱・におい・傷が発生しやすい場所であるため、当社製の高品位ホーローは特に評価が高い。デザインや価格だけでなく、長期使用に耐える素材価値を訴求できる点が当社の強みである。最近では、リフォーム向けの需要を取り込むことで、国内における住宅着工戸数の減少を補うことに成功している。一方、海外売上高比率は1%にも満たず、あくまでも日本国内に特化した内需型メーカーである。総じて、国内市場でホーローという強い商品軸によって、堅実に利益を積み上げる保守的な住宅設備メーカーと評価できる。
✔最終利益と利益率
タカラスタンダードの純利益は過去8年間に渡って75億〜110億円レベルで安定的に推移している。営業利益率は4%〜6%ほどで推移しており、住宅設備メーカーとしては高くも低くもない水準。景気動向にも左右されることなく、安定的に利益率を落とさず事業継続できているのは強み。
✔自己資本比率と純資産
タカラスタンダードの自己資本比率は70.2%(2025年)と高水準にあり、負債に依存しすぎない事業運営ができている*2。安定した利益体質を加味すれば、財務状況は非常に安定していると評価できる。純資産は緩やかな増加傾向にあり、2025年は1,945億円に到達している。
*2:当社は財務健全性を重視した事業展開を進めてきた歴史があり、有利子負債は67.5億円(2025年)に過ぎない。手元の現預金は681億円(2025年)に及ぶため、財務健全性は盤石である。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
タカラスタンダードの平均年収は2021年まで560万〜570万円レベルで推移していたが、2022年からは600万円台に上振れ。総合職の場合、30歳で480万〜550万円ほど、課長クラスで750万〜850万円ほど。平均年齢は40.7歳(2025年)と大手企業の標準的な水準を僅かに下回る。
✔従業員数と勤続年数
タカラスタンダードの単体従業員数は緩やかな増加傾向にあり、2025年は6,473人の組織体制となっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は6,560人ほど。平均勤続年数は13年〜14年以上で推移しており、長くもなければ短くもない水準にある。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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