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住宅設備メーカー

LIXILの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

LIXILは、衛生設備・水洗金具・ドア・サッシ・内装建材などを展開とする大手住宅設備メーカー。2001年に建材大手・トステムと衛生陶器大手・INAXの経営統合により誕生。2009年には同業他社の新日軽・サンウエーブ工業・東洋エクステリアが合流して、巨大グループへと発展。戸建住宅・マンションからオフィス・商業施設まで対応できる幅広いラインナップを有し、住宅設備メーカーとしては世界首位級の売上高を誇る。世界150ヶ国以上に製品を供給するグローバル企業でもある。

POINT

1.住宅設備メーカー最大手企業、INAXが源流の1社であるため水回りに強い
2.売上高は横這いで利益率が低い、財務体質もそこまで高くはない
3.平均年収694万円と業界トップ企業の割に普通、福利厚生も普通レベル

業績動向

✔売上高と営業利益

LIXILの売上高は1.3億~1.8兆円レベルで推移しており、2019年からは微減傾向*1。が、住宅設備メーカーとしては売上高は世界首位級。営業利益は250億~690億円のレンジで推移しており、利益確保はできている。
*1:2019年に売上高が1.5兆円レベルへと下落しているが、これは同年にLIXILがIFRS国際会計基準への移行したことによる影響。売上高の認識基準の違いから売上高が一部減少。

✔セグメント別の状況

LIXILは、ウォーターテクノロジー事業(衛生設備・水洗金具・ユニットバスルーム・システムキッチン・飲料水システムなど)、ハウジングテクノロジー事業(ドア・サッシ・シャッター・内装建材・カーテンウォールなど)、の2事業を有する。
LIXILはドアやサッシのイメージが強いが、実際には売上高の半分以上をウオーターテクノロジー事業で稼ぐ。長年に渡ってTOTOのライバルであった衛生陶器大手・INAXの流れを汲む企業であるため、水回り分野においては特に強い。

✔最終利益と利益率

LIXILの純利益は年度により好不調が明確に分かれており、2015年・2018年には大きな純損失を計上*2。営業利益率は2%~4%程度で長年推移しており、大手メーカーとしては利益率が低め。
*2:2015年の純損失は、ドイツ子会社・ジョーユーが中国市場で不正会計問題が判明したことによる。2018年の純損失転落はイタリア子会社・ペルマスティリーザ社が業績悪化したうえ売却計画が失敗したことによる。

✔自己資本比率と純資産

LIXILの自己資本比率は2019年から緩やかな増加傾向が続いているが、直近でも30%台とそこまで高くない水準。積極的な海外攻勢に関わる投資により、負債比率がやや高め。純資産は長年に渡って横這いが続いている。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

LIXILは2020年から事業会社制へ移行しており、同年から一般社員の実態に近い平均年収となっている。大卒総合職の場合では30歳で年収450万~550万円ほど、課長職レベルで年収850万~1,000万円レベル。

✔従業員数と勤続年数

LIXILは2020年から事業会社制へ移行しており、同年から単体従業員数が急増。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は5.56万人ほど。平均勤続年数は直近で20年を上回っており、大手メーカーとしても勤続年数は長め。

総合評価

企業格付け:CCC

住宅設備メーカーとして日系首位級の大手メーカー、グローバルでも売上高1兆円を上回る住宅設備メーカーは多くなく世界トップレベルの規模感である。直接的なライバルはパナソニック・TOTOなど。業績は年度により好不調が明確に分かれており、とりわけ利益面は大きな純損失を計上する年もある。過去8年間でも2回に渡って大きな純損失を計上しており、いずれも海外事業における失敗が要因。国内事業は安定的であっても、より難易度が高い海外事業が不安定だと業績に影響を来す好例である。財務体質は自己資本比率30%強とやや低めであり、営業利益率も2%~4%ほどと高くない。業界最大級の企業規模が強みではあるものの、土台がまだ不安定な印象は拭えない。

就職格付け:C

日本国内に多数の工場を有していることで有名な企業であり、約30拠点もの工場を有している企業は大手メーカーでもそうそうない。北は北海道・南は沖縄に至るまで工場があるため、転勤になった場合にはどこへ行くか読めないのが怖いか。平均年収はそこまで高くなく、700万円を越えない程度での推移が続いている。大手メーカーというよりも中堅メーカーの給与体系に近い印象である。福利厚生はそこそこであり、若手社員は29歳までならば最大7万円/月の家賃補助が支給される(条件あり)。が、30代以降はそこまで高くない給与水準で家賃は自腹となる為、注意が必要。30代以降は転勤になれば社宅・家賃補助による支援を得られるが、家族帯同での転勤となれば夫婦で正社員の共働きも難しくなってくるのがジレンマ。総じて待遇は悪くないが、業界トップ企業としての待遇を期待すると肩透かしとなる可能性もあるだろう。

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