本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
スターフライヤーは、北九州空港を本拠地とする中堅航空会社。2002年に堀高明が業界大手に属さない独立した航空会社として創業。2003年には北九州空港を地盤とすべく、本社を神戸から北九州へと移転。2006年には北九州-羽田線を就航させ、航空機3機を12便/日でシャトル運航することで効率的な運航体制を実現した。「感動のあるエアライン」を掲げて、黒を基調とした機体デザインや本革シートなど上質なサービスで差別化を進めた。2012年にはリーマンショック・東日本大震災後の航空不況によって業績悪化に陥り、航空大手・ANAが筆頭株主となって経営再建を進めた。2020年にはCOVID-19による航空需要の急減で再び経営危機に直面したが、投資ファンドなどから資本支援を受けて再建を進めた。現在では日産自動車・TOTO・ジャパネットなど、九州を代表する企業も株主に名を連ねる。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:60(中堅)
航空業界において大手2社に次ぐ独特のポジションを有するが、事業規模が相対的に小さいために航空不況には弱い。給与水準は北九州地域では上位レベル。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:難関
COVID-19影響を受けて採用凍結していたが、2023年から採用活動を再開。現在は年間40人~50人を採用している。航空業界専門の就職予備校があるほどの人気業界であり、選考難易度は高い。
採用大学:非公開
業績動向
✔売上高と営業利益
スターフライヤーの売上高は2020年まで400億円レベルで推移していたが、2021年には182億円まで激減*1。同年以降は回復傾向にあり、2024年には約4年ぶりに売上高400億円の大台を回復した。営業利益は2021年に▲112.3億円の巨額赤字を計上したが、同年以降は回復傾向。
*1:2021年には世界的なCOVID-19感染拡大によって航空需要が急減し、国際線・国内線ともに深刻な打撃を受けた。特に当社は北九州エリアの大手企業のビジネス需要が消失したことも大打撃となった(当社の北九州-羽田線は「金曜日はトヨタ自動車・日産自動車の社員ばかり」評されるほどに法人需要の比重が高く、この需要蒸発が売上高の急減に直結した)。
✔セグメント別の状況
スターフライヤーは、航空運送事業(定期旅客航空運送・不定期旅客航空運送、貨物航空運送など)のみの単一事業会社である。
当社の事業構造は、北九州空港を拠点に羽田・福岡・関西・中部・山口宇部などを結ぶ国内定期便を主力として成立している。機体はエアバスA320シリーズに統一することで整備・運航コストを抑制する一方、全席レザーシート・広い座席間隔・機内Wi-Fiなどを備え、大手航空会社並みの快適性を提供することで差別化を図っている。小規模ながらも大手航空会社に近いサービス水準を備えており、いわゆるLCC(格安航空会社)とフルサービスキャリアの中間に位置する。2007年からはANAとのコードシェアを活用することで販売網を拡充し、ANA経由の旅客需要も取り込んでいる。しかしながら、航空業界の宿命として、旅客需要・燃油価格・為替動向が業績に与える影響は大きい。過去にはリーマンショック・東日本大震災・COVID-19などによって航空需要が落ち込むたびに業績悪化へ直面しており、小規模航空会社ゆえに需要変動を吸収できる企業体力も限られている。そのため、安定した搭乗率の確保に加えて、高品質なサービスと独自ブランドを維持し、大手航空会社やLCCとの価格競争を回避することが重要となっている。
✔最終利益と利益率
スターフライヤーの純利益は2021年・2022年に巨額赤字に転落したが、同年以降は回復傾向。が、2025年においても純利益19.2億円に留まっている。営業利益率は2021年に▲61%まで悪化した一方、2025年においても2.87%に留まる。業績悪化時の赤字が大きい一方、業績好調時の利益は限定的である。
✔自己資本比率と純資産
スターフライヤーの自己資本比率は2021年・2022年の巨額損失によって、2022年には6.7%まで低迷した。同年以降は緩やかな回復傾向にあるが、2025年においても自己資本比率17.4%と低め。純資産は42.9億円(2025年)と事業規模に対して低めの水準である。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
スターフライヤーの平均年収は2020年まで600万円前後で推移していたが、2021年から2023年は500万円台に後退。その後は業績回復によって平均年収631万円(2025年)に上昇している。総合職の場合、30歳で年収440万~520万円ほど、課長職レベルで年収700万~830万円ほどが目安。
✔従業員数と勤続年数
スターフライヤーの単体従業員数は2021年まで増加傾向にあったが、業績悪化を転機に減少傾向に転換。2025年は741人の組織体制となっている。平均勤続年数は緩やかな増加傾向にあるが、2025年においても9.0年と大手企業の標準的な水準を下回る。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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