本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
豊田自動織機は、フォークリフト・自動車部品・物流機械などを主力とする輸送用機器メーカー。1926年に豊田佐吉が創業したトヨタグループの源流企業であり、創業当初は繊維機械メーカーであったが、1935年にトラックの市販化に成功。1937年には自動車部門をトヨタ自動車として分社化した。分社化以降は繊維機械や物流機械を主力とする一方、現在も一部トヨタ車の受託生産を担っており、自動車製造機能も併せ持つ企業である。フォークリフト分野においては世界トップクラスのシェアを持ち、物流現場では「トヨタのフォークリフト」として広く認知される。現在においてもトヨタ自動車の第2位の大株主である。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:69(上位)
トヨタグループ源流企業という名門企業で業績も安定的だが、待遇は大手メーカーなりで突出しない。愛知県での生活を前向きに捉えるか否かで評価が一変する。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:やや難関
総合職の採用人数は年間150人~200人と多いが、事務系採用は40人に留まる。大学別では名古屋大学・名古屋工業大学が最多の採用実績がある他、中部地方からの就職者が多い。
採用大学:【国公立】名古屋大学・九州大学・広島大学・金沢大学・静岡大学・岐阜大学・富山大学・名古屋市立大学・名古屋工業大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・明治大学・同志社大学・関西学院大学・南山大学・名城大学・豊田工業大学など(出典:大学通信ONLINE)
業績動向
✔売上高と営業利益
豊田自動織機の売上高は2021年まで2.0兆~2.2兆円ほどで推移していたが、2022年から増加傾向に転換。2025年には過去最高となる4.08兆円に到達している*1。営業利益は売上高ほどの拡大はしていないが、2025年には2,216億円まで増加している。
*1:2022年から売上高・利益が増加している理由は、①EC市場拡大・人手不足によるフォークリフトや物流機器の販売好調、②トヨタグループの新車販売の好調による完成車受託生産・自動車部品の販売増大、③為替レートの円安推移による為替効果、など。
✔セグメント別の状況
豊田自動織機は、自動車事業(トヨタ自動車向けの完成車受託生産、エンジン・鋳造部品・カーエアコン用コンプレッサーなど)、産業車両事業(フォークリフト、倉庫内搬送機器、高所作業車、自動倉庫システムなど)、繊維機械事業(高速リング精紡機・高速粗紡機・糸品質測定機器など)、その他事業(運輸ほか)、の4事業を有する。
当社の事業構造は、フォークリフトを中心とする産業車両事業を最大の収益源としつつ、自動車部品と受託生産を通じてトヨタグループの中核領域に深く関与する、多層的な構成によって成り立っている。産業車両事業は、物流量の増加・人手不足・倉庫内作業の高度化といった物流業界の構造的需要に支えられており、トヨタグループ内でも異なる収益特性を持つ。自動車用エンジンやカーエアコン用コンプレッサーなどの自動車部品事業は、トヨタ向け比率が高いことから外販拡大による成長性は限定的であるが、その分、数量変動の予見性が高く、設備稼働率を安定させる役割を果たしている。また、一部のトヨタ車の受託生産を担うことで、完成車の製造ノウハウも保持しており、これが設計段階から量産までを一体で捉える技術力の下支えとなっている。これらの事業を横断して見ると、当社はトヨタグループ内部と物流業界を顧客として、収益の安定性と技術蓄積を優先する構造を選択していると評価できる。
✔最終利益と利益率
豊田自動織機の純利益は2021年まで微減傾向がみられたが、同年以降は増加傾向に転換。2025年には過去最高となる純利益2,623億円に到達している。営業利益率は2018年までは7%前後で推移していたが、2020年からは5%台が定着している。
✔自己資本比率と純資産
豊田自動織機の自己資本比率は52.2%(2025年)と、大手メーカーとしてはかなり高めの水準。業績の安定性も加味すれば、財務健全性は大いに安定的と評価できる。純資産は2024年に6.15兆円に急増したが、2025年はやや後退*2。
*2:2024年に純資産が急増した理由は、当社が保有するトヨタグループ株式(トヨタ自動車・豊田通商・デンソーなど)の株価上昇による効果。最近では上場企業の株式持ち合いに対する厳しい目線が増えており、長期的には保有を見直す可能性が高い(参考リンク)。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
豊田自動織機の平均年収は842万円(2025年)と、愛知県においては上位クラスの水準。トヨタ自動車には及ばないが、トヨタグループ内ではトップクラスの水準にある。総合職であれば30歳で年収650万~750万円ほど、課長職レベルであれば年収1,000万~1,150万円ほどが目安。平均年齢は41.0歳(2025年)と大手企業の標準的水準を僅かに下回る。
✔従業員数と勤続年数
豊田自動織機の単体従業員数は微増傾向が長期的に続いており、2025年は1.45万人の組織体制となっている。昨今の積極的M&Aにより、子会社・関係会社を含めた連結従業員数は7.94万人に到達している*3。平均勤続年数は18.3年(2025年)と大手企業の標準的水準を上回る。
*3:当社は海外企業の買収を増やしており、これにより連結従業員数が増加している。2017年に米Bastian Solutions社と蘭Vanderlande社を買収、2021年には米Lift Technologies社と伊Lift-Tek Elecarを買収している。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
総合評価
✓
大手・有名企業550社の実力と就職序列を
SSS~Fランクの21段階で格付しています。
✓
1社あたり平均800文字超で「企業としての実力」と「就職先としての魅力」を深掘り、企業理解を格上げします。
✓
いつでも登録解除可能です。期間の縛りはありません。
※登録方法・Q&Aはこちら
