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豊田通商の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

豊田通商は、自動車部品・エネルギー・素材・食料・アパレル・都市開発などを手掛けるトヨタグループの総合商社。1936年の創業から長きに渡ってトヨタグループの商社機能を果たしており、自動車部品・素材の流通を主力としてきた。2006年には大手総合商社のトーメンと合併、同社の電子部品・工作機械・化学薬品などの商権を多数獲得。現在では五大商社の一角である住友商事をも上回る売上高に到達。アフリカ54カ国にグループ158社を展開、同地域で売上高の約15%を稼いでいる点も特徴的。

POINT

1.トヨタグループ・愛知県本社の総合商社だが、グループ外取引が80%以上
2.売上高・利益は右肩上がりで増加、財務体質は安定的
3.平均年収1,114万円で愛知県下では最高峰、福利厚生も手厚い

業績動向

✔売上高と営業利益

豊田通商の売上高は2020年までは6兆円レベルで推移してきたが、2022年には売上高9.85兆円に達して過去最高を更新*1。営業利益は右肩上がりの成長基調、2022年には3,888億円に到達。
*1:2022年は世界的な物価高騰により豊田通商の扱うあらゆる商材が価格高騰。自動車・電子部品・半導体・食品・レアメタルなどの価格高騰が売上高を押し上げた他、ロシアによるウクライナ侵攻による欧州電力価格上昇でエネルギー販売も好調。

✔セグメント別の状況

豊田通商は金属事業(鋼材・レアメタル・レアアース)、グローバル部品・ロジスティクス事業(自動車部品流通)、自動車事業(自動車・商用車・二輪車の流通販売など)、機械・エネルギー・プラントプロジェクト事業(工具・建設機械、風力・水力・地熱発電、電力・空港などのインフラ事業)、化学品・エレクトロニクス事業(半導体・電子部品・電子材料など)、食料・生活産業事業(飼料・穀物・食品・保険など)、アフリカ本部(アフリカにおける事業)の7事業を有する。
豊田通商は総合商社として多種多様に渡る事業を展開。強いて言えばトヨタグループに関わる自動車・自動車部品が主力であるが、売上高に占めるトヨタグループの割合は約15%に過ぎない。2006年のトーメンとの合併以降は、トヨタグループに依存しない事業展開に成功している。

✔最終利益と利益率

豊田通商の純利益は長期的な増加傾向が継続しており、2022年は純利益2,842億円まで到達*2。営業利益率は2~3%程度の水準で推移、利益率は高くないビジネスモデル。
*2:豊田通商は売上高こそ五大商社に匹敵するが、純利益では五大商社に遠く及ばない苦悩がある。2022年は三菱商事・三井物産は純利益1兆円以上、最下位の丸紅でも純利益5,430億円。

✔自己資本比率と純資産

豊田通商の自己資本比率は概ね30%前後の水準で推移、直近の2022年でも自己資本比率30.0%とそこまで高くない*3。純資産は長期的な増加傾向が続いており、2022年には2.07兆円に到達。
*3:総合商社は規模・信用を活かして多額の資金を調達して事業に投資するビジネスモデル。常に新たな事業への投資を模索しているため、自己資本比率は高まりにくい業態。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

豊田通商の平均年収は平均年収1,000万円を越える水準で安定的、2019年以降は1,100万円を越えた。大卒総合職なら30歳代前半には年収1,000万円に到達、親会社のトヨタ自動車を超える給与水準にある。平均年齢は緩やかな増加基調が継続。

✔従業員数と勤続年数

豊田通商の従業員数は6万人規模で安定的に推移。年度により上下変動があるのは連結子会社の売買による入れ替わりが理由。平均勤続年数は17.1年に到達、大手企業としては標準的な水準。

総合評価

企業格付け:AAA

知名度・名声・利益率では五大商社には及ばないが、売上高では五大商社に匹敵する規模にまで成長した総合商社。2015年には資源価格の低迷でオーストラリアで展開していたガス事業で多額の特別損失を計上して純損失440億円を計上するなど不振期もあったが、2016年以降は業績好調に転換。五大商社と比べれば利益水準は見劣りするが、それでも一流企業に相応しい利益額はキッチリと確保し続けている。とりわけアフリカ地域に長年に渡るビジネス基盤を確保しており、2017年にはアフリカ関連事業をまとめてアフリカ事業として再編。アフリカが将来的に成長することができれば、その恩恵も享受できそう。

就職格付け:AAA

愛知県に本社を置く企業としては、親会社のトヨタ自動車を抜き去って最高峰の給与水準を誇る名門企業。地元・愛知ではトヨタ自動車の名声が圧倒的であるために「トヨタ自動車のグループ会社」のイメージが根強いが、豊田通商はトヨタグループに属しながらもグループ外との取引が約80%以上と圧倒的に多いため、資本関係を除けば上下関係にはもはやない。給与水準もかなり高めであり、大卒総合職であれば30代前半には平均年収1,000万を優に上回るため、トヨタ自動車の給与水準を上回る給与体系。海外駐在ともなれば更に駐在手当が加算され、年収ベースで数百万円は上振れてくる。福利厚生も手厚めであり、家賃補助制度・借上げ社宅制度はキッチリ、海外駐在先での住居費も会社負担。世界を駆け巡るビジネスマンを志すのであれば、是非目指したい1社である。

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