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【勝ち組?】スターフライヤーの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

スターフライヤーは、北九州を本拠地とするANAグループの中堅航空会社。2002年に堀高明が「神戸航空」として創業。2006年には北九州-羽田線を就航させて航空会社として本格始動。「感動のあるエアライン」を目指して、機体色を高級感がある黒色で統一したことで注目を集めた。2022年には定時到着率で世界1位に認定された(参考リンク)。現在では航空大手・ANAが筆頭株主の地位にある他、九州エリアの大手企業として日産自動車TOTO・ジャパネットなどからも出資を受けている。

POINT

・ANAグループ傘下の上場航空会社、非LCCで独自路線を歩む
・売上高はCOVID-19前に回復するも、財務体質の回復は遠い
・平均年収619万円だが業績悪化すると急落、福利厚生も少なめ

就職偏差値

✔就職偏差値:60(中堅)

上場企業・著名企業に勤務するサラリーマンとしては中堅クラスの待遇を得られる。安定性や待遇に目立った課題はほぼなく、良好な人生を送ることができる可能性が高いだろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関

COVID-19感染拡大期には採用凍結していたが、2023年から積極採用を再開。同年以降は年間40人~50人レベルで採用中。今なお航空会社は一定の人気があり、航空会社就活専門の予備校があるほどであり難易度は高い。
採用大学:非公開

業績動向

✔売上高と営業利益

スターフライヤーの売上高は2020年に182億円まで激減*1。同年以降は減少傾向にあり、2023年には約4年ぶりに売上高400億円の大台を回復した。営業利益も2020年に▲64.6億円の赤字を計上したが、同年以降は回復傾向。
*1:世界的なCOVID-19感染拡大により、国際線・国内線がいずれも劇的に悪化。北九州エリアの大手企業からの出張者需要が消失したことも大打撃となった(当社の北九州-羽田線は「金曜日はトヨタ自動車・日産自動車の社員ばかり」と評論されるほど)。

✔セグメント別の状況

スターフライヤーは、航空運送事業(定期旅客航空運送・不定期旅客航空運送、貨物航空運送など)のみの単一事業会社である。
当社は北九州空港を地盤とする航空会社であり、主力路線は北九州-羽田線(1日11往復)と福岡-羽田線(1日8往復)。国際線も北九州-台北線(1日1往復)と小規模ながらも手掛けている。小規模ながらもフルサービスキャリアであり、いわゆるLCC(格安航空会社)ではない。

✔最終利益と利益率

スターフライヤーの純利益は2019年・2020年に巨額赤字を計上。同年以降は回復傾向にあるが、直近でも純利益は13.7億円ほど。営業利益率は全盛期の2018年でも8.77%であり、最悪期の2020年は▲61%という赤字幅まで転落。

✔自己資本比率と純資産

スターフライヤーの自己資本比率は2017年に32.8%であったが、2020年の巨額損失により急落。業績こそ回復傾向にあるが、自己資本比率は2023年でも13.6%と低い。純資産も2023年で32.2億円に過ぎず、回復は鈍い。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

スターフライヤーの平均年収は長期的に平均年収600万円前後で推移。ただし業績悪化した2020年〜2022年は平均年収500万円台への後退を強いられた過去も。目安としては大卒総合職・30歳で400万~490万円、課長職レベルで700万~830万円ほど。

✔従業員数と勤続年数

スターフライヤーの単体従業員数は2020年まで増加傾向にあったが、業績悪化を転機に減少。平均勤続年数は増加傾向にあるものの、直近でも8.3年程度と短め。

総合評価

企業格付け:CC

北九州空港を本拠地とする航空会社であり、特に福岡県においては有名企業。2000年代の航空業界の規制緩和をうけて設立された若い企業であるが、あまり前例がない黒塗りの機体によって高級感を演出するなど独自路線には定評。業績はCOVID-19感染拡大期に巨額赤字を計上してから振るわず、直近では売上高400億円を回復したものの営業利益は12億円どまりと苦しい。財務体質もCOVID-19による悪化から未だ回復途上にあり、自己資本比率は直近でも13.6%と低い状況。そもそも航空業界自体が(華やかなイメージとは裏腹に)実際には極めて不安定な業界であり、規模で劣る当社が生き残るには過酷な世界である。

就職格付け:C

日本の航空旅客会社としてはANA・JAL以外の唯一の上場企業であり、小規模ながらもフルサービスキャリアとして知られる存在。さすがに大手2社と比べれば知名度は大きく劣るが、それでも航空業界の志望者にとっては憧れの企業でもある。が、給与水準は直近でも平均年収619万円、COVID-19感染拡大期には500万円台ほど。大卒総合職であれば30歳で400万~490万円には達するが、客室乗務員だと年収300万円台に留まることも。福利厚生では自社便・ANA便の優待搭乗券が支給されるのは嬉しいが、より生活レベルに直結する家賃補助制度・借上げ社宅制度などはない。有名企業かつ華やかなイメージはあるものの、実際には世間が思うほどに厚待遇でもないため、憧れの職業への夢と天秤にかけて己の志望度をしっかりと確立しておきたいところ。強いて言えば、北九州市の出身者であれば地元就職が叶う点において優位であるため、優先度は高められるか。

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出典:株式会社スターフライヤー(有価証券報告書)