本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
日産車体は、高級車・商用車を製造する日産自動車グループの自動車メーカー。1937年に航空機メーカーとして創業し、戦時中には日本陸軍向けの輸送機・練習機などを生産した。終戦後にはバス・路面電車を製造したが、1951年に日産自動車と提携。1950年代には大型SUV『パトロール』を生産し、1969年にはスポーツカー『フェアレディZ』を生産開始した。1997年には高級ミニバン『エルグランド』が大ヒットし、大型車の生産基盤を固めた。2010年には福岡県で新鋭工場を稼働開始させ、累計生産台数1,500万台を突破。2011年には『NV200』がニューヨーク市の次世代タクシーに選定された。現在では、日産自動車グループで大型SUV・高級車・商用車・特装車の開発・生産を担う独自性の高い完成車メーカーとなっている。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:64(中堅上位)
日産ブランドの数々の名車を生み出してきた隠れ名門企業。業績は横ばい感が強いが、財務体質は無借金経営で極めて堅牢。給与水準も自動車業界としては中堅上位レベルであり、待遇も良好である。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:中難易度
総合職の採用数は年間40人~50人と少なめだが、自動車メーカーとしては一般知名度が低いために倍率は高まりにくい。採用大学も幅広い割に待遇はかなり良いため、穴場感は強い。
採用大学:【国公立】九州大学・北海道大学・神戸大学・筑波大学・大分大学・新潟大学・山口大学・名古屋工業大学・豊橋技術科学大学など、【私立】早稲田大学・明治大学・立教大学・法政大学・同志社大学・立命館大学・日本大学・成蹊大学・近畿大学・湘南工科大学など(出典:マイナビ2028)
業績動向
✔売上高と営業利益
日産車体の売上高は2006年に過去最高となる6,402億円を記録したが、同年以降はピークアウトしている。2022年には売上高2,153億円に下落したが、これは一過性の要因による影響*1。営業利益は2022年に▲35億円に下落したが、同年を除けば4~93億円ほどで推移している。
*1:2022年に売上高が減少した理由は、①「収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号)」の適用による大幅減収、②主力モデルにおける新型車投入の谷、が主要因。
✔セグメント別の状況
日産車体は、自動車事業(自動車ならびにアフターセールス部品の製造販売)、設備メンテナンス事業(自動車生産設備の製作・施工・維持管理など)、情報処理事業(情報処理システム構築・保守運営など)、人材派遣事業(人材派遣業)、の4事業を有する。
当社の事業構造は、日産自動車向けの大型SUV・高級車・商用車などの多車種少量生産を主力として成立している。現在においては高級SUV『パトロール』『QX80』『アルマーダ』、高級ミニバン『エルグランド』、商用車『キャラバン』『NV200』などを生産している。こうした生産難易度が高いうえに仕様差が大きい車種に特化することで、量販車の大量生産を得意とする日産自動車との相互補完的な関係を構築している。特筆すべきは、当社自身が車両設計・デザイン・試作・実験・生産技術・製造まで、完成車メーカーとして必要な機能を幅広く備えている点である。ブランド管理・広告宣伝・販売ネットワークは日産自動車に委ねつつ、当社は経営資源を得意分野に集中することで、グループ内で明確な役割分担が形成されている。
✔最終利益と利益率
日産車体の純利益は長年に渡って▲22億〜58億円ほどで横ばいが続いている。営業利益率は過去8年間に渡って1%レベルで推移しており、利益率はそれほど高くない。ただし、当社は日産自動車の連結子会社ゆえの特殊性もある*2。
*2:当社は売上高の約97.7%が日産自動車グループ向けとなっており、同グループの中核会社の1社である。そのため、日産グループ全体の生産効率・品質・商品競争力への貢献も重視される事情がある。
✔自己資本比率と純資産
日産車体の自己資本比率は長期的に60%以上の水準で安定しており、2022年には74.5%の超高水準を記録している。上場企業の完成車メーカーとしては断トツ首位となる高水準にある。実質無借金経営を達成しており、財務健全性は極めて高い。純資産は1,610億~1,760億円レベルで横ばい。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
日産車体の平均年収は2021年まで580万〜600万円ほどで推移していたが、同年以降は顕著に増加。2025年には平均年収751万円に到達しており、中堅自動車メーカーを上回る水準。総合職の場合、30歳で580万~670万円ほど、課長職レベルで900万~1,100万円ほどが目安となる。
✔従業員数と勤続年数
日産車体の単体従業員数は2024年まで微減傾向がみられたが、2025年には1,786人に増加している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は3,842人ほど。平均勤続年数はやや減少傾向がみられるが16年〜20年の高水準で推移しており、従業員の定着のよさは自動車メーカーとしても上位レベル。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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