本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
フジクラは、電力ケーブル・光ファイバ・情報通信機器・自動車向けワイヤーハーネスを主力製品とする電機メーカー。1885年に藤倉善八が綿巻線の製造を目指して創業。1890年にはゴム巻線の国産化に成功して、日系電線メーカーの雄として躍進。1970年代から光ファイバの研究開発を進め、現在では情報通信機器・光ファイバも主力事業の一角。自動車向け電装品にも強く、独フォルクスワーゲンと親密。同業の住友電気工業・古河電気工業と並んで電線御三家と称され、企業規模は業界3位。光ファイバ融着機で世界シェア首位、フレキシブルプリント基板では世界シェア3位を掌握。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:65(中堅上位)
生成AIブームを追い風としたデータセンター特需によって業績・財務が急改善中の1社。一般知名度は低いが、給与水準は大手メーカーに準ずる水準へと向上。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
■64→65に改定:データセンター向け製品群・光ファイバ製品の販売好調と業績拡大、従業員の待遇改善を再評価。1ノッチ格上げとした(2025年9月)
✔就職難易度:やや難関
総合職の採用数は年間20人~30人だが、2025年は業績好調によって50人超に拡大。一般知名度はそれほど高くないうえ事業内容もマイナー寄りであるため穴場感はある。
採用大学:【国公立】北海道大学・九州大学・筑波大学・千葉大学・群馬大学・岩手大学・電気通信大学・東京農工大学・名古屋工業大学・豊橋技術科学大学など、【私立】早稲田大学・明治大学・立教大学・法政大学・同志社大学・関西大学・立命館大学・東京理科大学・芝浦工業大学など(出典:マイナビ2027)
業績動向
✔売上高と営業利益
フジクラの売上高は2022年まで6,500億〜7,400億円ほどで推移してきたが、2025年には過去最高となる売上高9,793億円に急増。営業利益は2020年に急落*1したが、2025年には過去最高となる1,355億円に急増している*2。
*1:2020年の業績悪化は、①光通信分野で中国メーカーとの価格競争激化による市況悪化、②COVID-19感染拡大による混乱で自動車向けワイヤーハーネスの売上急落、に起因。
*2:2023年から売上高・利益が増加した理由は、①世界的なデータセンター投資ブームによる情報通信分野の販売好調・高利益商品の拡販、②光ファイバ・電力ケーブルの需要急増による利益率改善、③為替レートの円安推移による為替効果、など。
✔セグメント別の状況
フジクラは、情報通信事業(光ファイバ・光ケーブル・ネットワーク機器など)、エレクトロニクス事業(プリント配線板・電子ワイヤ・ハードディスク部品・各種コネクタなど)、自動車事業(自動車向けワイヤーハーネス・電装品)、エネルギー事業(電力ケーブル・通信ケーブルなど)、不動産事業(大型商業施設『深川ギャザリア』、フジゴルフセンターなど)、その他事業(新規事業など)の6事業を有する。
当社の事業構造は、電線メーカーとしての伝統的事業を基盤としながら、光通信・電子部品・自動車向けワイヤーハーネスなど複数領域を組み合わせることで成立している。主力となるのは光ファイバケーブルや光通信部品などの情報通信事業であり、生成AIブームによる世界的なデータセンター投資の拡大によって、当社の収益基盤の中核を担っている。エレクトロニクス分野では、スマートフォンなどに使用されるフレキシブル基板材料などを手掛けており、加えて電力ケーブル・産業用電線などのインフラ関連事業も継続している。データセンターや自動車向けは景気動向によって需要が浮き沈みしやすい側面を有するが、電力ケーブル・通信ケーブルなどの社会インフラ分野は需要が安定しているため、当社の業績変動を緩和する役割を担っている。特に最近は生成AIブームによるデータセンター需要の急拡大が情報通信事業の収益を大きく押し上げており、当社の企業価値を左右する最重要要素となっている。
✔最終利益と利益率
フジクラの純利益は年度によって好不調が明確に分かれている。2020年・2021年は純損失に転落した反面、2022年からは利益急増を謳歌*3。2025年には過去最高となる純利益911億円に到達している。営業利益率は2020年を底に上昇傾向が続いており、2025年は13.8%に到達している。
*3:当社の利益率が不安定である理由は、①主力事業がいずれも景気動向に需要が大きく左右される点、②光ファイバ・電子部品は市況次第で販売価格が大きく変動する点、に起因。2020年には中国で光ファイバの急激な価格下落に直面して利益率が低迷した経緯がある。
✔自己資本比率と純資産
フジクラの自己資本比率は2020年・2021年に30%を割り込んでいたが、2025年には49.1%まで上昇。業績好調による利益剰余金の蓄積が進んだことで、財務健全性の改善が進んでいる。純資産は2020年に最終赤字を計上したことで急減したが、同年以降は急回復。2025年には純資産4,353億円に到達。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
フジクラの平均年収は2023年まで630万〜760万円ほどで推移していたが、2025年は業績好調をうけて867万円まで増加。総合職であれば30歳で年収550万円〜620万円ほど、課長職レベルであれば年収900万〜1,050万円に達する。平均年齢は43.1歳(2025年)と大手企業の標準的な水準を僅かに上回る。
✔従業員数と勤続年数
フジクラの単体従業員数は長年に渡って2,500人〜2,600人規模で推移してきたが、2023年には2,108人に減少*4。平均勤続年数は16年〜17年前後で推移しており、大手企業の標準的な水準をやや上回る。
*4:2023年の従業員数の減少は、フレキシブルプリント基板の製造・販売機能をフジクラプリントサーキットとして会社化したことが主要因。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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