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自動車部品メーカー

住友電気工業の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

住友電気工業は、自動車電装部品・光ファイバ・通信機器・電子ワイヤ・送配電用電線などを手掛ける自動車部品・非鉄金属メーカー。1897年に住友本店が設立した住友伸銅場が源流であり、戦前から銅電線・電線ケーブルを製造。現代においては自動車用ワイヤーハーネス・光ファイバ・電線などが主力製品。自動車用ワイヤーハーネスでは世界シェア首位、光ファイバでは世界上位5社の一角。住友グループでは住友商事に続く売上高を誇り、同グループ中核企業の1社。連結従業員数28万人に及ぶ巨大企業。

POINT

1.住友Gの自動車部品・非鉄金属メーカー、ワイヤーハーネスで世界首位
2.売上高・利益は成長傾向、財務体質はかなり健全な安定企業
3.業績好調なら平均年収800万円以上、ホワイト企業で家賃補助が手厚い

業績動向

✔売上高と営業利益

住友電気工業の売上高は2000年代から売上高1.5~2兆円レベルで推移してきたが、2021年以降は売上高3~4兆円レベルへと切り上がっている*1。営業利益は売上高にそこまで連動せず、営業利益1,000~1,700億のレンジ推移が継続。
*1:2022年には過去最高の売上高を更新。この要因は①世界的な原材料・エネルギー価格の高騰を受けた値上げ措置、②為替レートの円安推移による為替効果、③COVID-19感染終息による世界的な需要拡大、が重なったことにある。

✔セグメント別の状況

住友電気工業は自動車関連事業(ワイヤーハーネス・防振ゴム・電装部品)、情報通信関連事業(光ファイバ・通信ケーブル・通信機器・ネットワーク機器)、エレクトロニクス関連事業(電子ワイヤ・フレキシブルプリント基板・フッ素樹脂製品)、環境エネルギー関連事業(送配電用電線・ケーブル・機器、電気・電力エンジニアリング)、産業素材関連事業(スチールコード・超硬工具・光学部品など)の5事業を有する。
住友電気工業の主力事業は売上高の約50%を占める自動車関連事業であり、とりわけ自動車用ワイヤーハーネスが売上高の多くを稼ぐ重要製品。とはいえ、利益面では主要5事業がバランスよく利益を確保、自動車関連事業に依存しすぎない事業運営に成功している。

✔最終利益と利益率

住友電気工業の純利益は2019年~2020年の時期を除けば*2、概ね900~1,000億レベルで推移。過去最高を記録したのは2017年の純利益1,203億円。営業利益率は3~5%レベルでの推移が続いており、規模で稼ぐ構造となっている。
*2:2019年は世界的な景気後退によりスマートフォン・自動車向けの販売が低迷して減益。2020年はCOVID-19感染拡大による世界的混乱で自動車向け販売が低迷した他、年後半には物流コスト・原材料価格の高騰による減益が直撃。

✔自己資本比率と純資産

住友電気工業の自己資本比率は概ね50%前後の水準。直近の2022年には自己資本比率47.3%に微減したが、大手メーカーとしては高めの自己資本比率をキッチリ維持*3。純資産は緩やかな増加傾向が継続しており、直近では2.11兆円に到達。
*3:住友電気工業は純利益を安定的に確保し続けており、2007年以降で純損失に転落したことは一度もない。景気後退局面でも純利益を着実に確保し続けたことで健全な財務体質になっている。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

住友電気工業の平均年収は平均年収780~810万円前後の水準で安定的。総合職であれば30代後半で750~850万に到達、年功序列重視であり真面目に勤続すれば主査クラスまではほぼ確実に昇進できる。在阪上場企業では上位級の給与水準である。

✔従業員数と勤続年数

住友電気工業の従業員数は緩やかな増加傾向が続いていたが、2020年に28万人規模に到達してからは停滞気味。日系企業では上位5社に入る巨大組織*4。平均勤続年数は16.4年と大手メーカーとしては標準的な水準。
*4:連結従業員の多さは日系企業中4位。NTTグループ(34万人)に次ぐ規模であり、取引先である本田技研工業(20万人)や日産自動車(13万人)を凌駕する。

総合評価

企業格付け:A

自動車用ワイヤーハーネスで世界首位を誇るリーディングカンパニー。ワイヤハーネスは自動車に搭載されるあらゆる電装品への電源供給・情報伝送を担う部品であり、自動車の血管や神経とも例えられる。電気自動車・ハイブリッド車の普及が追い風となる重要部品であり、将来性も明るい。業績は緩やかな成長基調にあり、2020年には売上高3兆円規模に到達。利益はいまいち売上高の伸びに追従できていないが、半導体不足による新車生産台数の低迷から脱しきれない外部環境であったことを思えば仕方がない。住友電気工業の特徴は、リーマンショックやCOVID-19などの極端な景気後退局面であってもキッチリと純利益を確保できる安定性。利益率は普通の域をでないが、景気動向に業績を左右されやすい自動車・非鉄金属業界の企業としては称賛に値する。

就職格付け:A

住友グループでは住友商事・NECと並んで新御三家と称される中核企業、現在では住友商事に続く売上高とグループ屈指の従業員数を誇る。給与水準は典型的な大手メーカーの給与水準であり、平均年収800万円前後と在阪上場企業としては上位級。年功序列を重んじる給与体系であり、大卒総合職ならば30代後半で750~850万円程度に到達する。平均有給取得日数15.7日かつ平均残業時間16.3時間と働き方はまったり寄り。福利厚生は大手メーカーでも上位級。家賃補助は3~6万円/月とかなり高めである上に、支給期間は入社後20年間という長さ。社宅や独身寮も完備。業績も安定的かつ財閥系名門企業である為、アッパーミドルクラスの生活を獲得したい求職者には推奨できる企業。

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