本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
日産自動車は、世界180ヶ国以上でNissan・infinitiブランドの自動車を展開する大手自動車メーカー。1914年に日本で初めて自動車エンジンを国産化し、1934年に現社名へと社名変更。戦後には海外進出を本格化させ、北米・欧州・中国・中東・アジアへと販売網・生産拠点を拡大することで、世界的な自動車メーカーとしての地位を確立。北米では大型セダン・ピックアップ・SUV分野でブランド浸透を進め、欧州では小型車・クロスオーバーを軸に存在感を高めるなど、地域の需要に応じた展開を進めた。1990年代には『901運動』を通じて技術力の高さを世界に示し、数々の歴史的名車を生み出したことで、グローバル市場における評価を押し上げた。現在では仏ルノー・三菱自動車工業とアライアンスを形成し、北米・中国・日本・中東などを得意とする。技術志向の高い自動車開発を得意とし、中~大型サイズのセダン・SUVに強み。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:72(最上位)
サラリーマンとしては最上位クラスの勝ち組。グローバル展開による世界的な知名度、メーカートップクラスの待遇が強み。業績悪化に直面するもキャリア価値は今なお高い。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
■73→72に改定:2024年における減損損失の計上および営業利益・純利益の縮小を再評価。1ノッチ格下げとした(2025年9月)
✔就職難易度:難関上位級
採用人数は年間300人以上と門戸は広いが、日本人なら誰もが知る有名企業ゆえに選考倍率は高め。グローバル企業ゆえに英語力があると有利だが、理系採用枠であれば英語力には寛容。
採用大学:【国公立】東京大学・京都大学・大阪大学・名古屋大学・北海道大学・筑波大学・静岡大学・新潟大学・東京外国語大学・国際教養大学・電気通信大学など、【私立】慶応義塾大学・早稲田大学・上智大学・明治大学・立教大学・学習院大学・東京理科大学・東京都市大学など(出典:マイナビ2027)
業績動向
✔売上高と営業利益
日産自動車の売上高は2020年に7.8兆円まで後退した*1が、2023年には過去最高となる12.6兆円まで回復を遂げている。営業利益も2021年に▲1,506億円に後退したが、2023年には5,687億円まで回復。が、2025年には営業利益697億円に再び減少している*2。
*1:2019年に売上高・利益が急減した理由は、①COVID-19感染拡大による新車需要の急減、②主力車種のモデルチェンジ遅れによる競争力の低下、③北米における販売奨励金の縮小による販売削減、など。
*2:2024年に営業利益が急減した理由は、①北米市場における主力車種『ローグ』の販売不振、②中国市場における競争激化による販売縮小、③生産設備の過剰化による高コスト体質化、など(参考リンク)。
✔セグメント別の状況
日産自動車は、日本事業、北米事業(アメリカ・カナダ・メキシコなど米州全域)、欧州事業(フランス・イギリス・スペインなど欧州全域)、アジア事業(中国・タイ・インドなどアジア全域)、その他事業(中近東・中南米・アフリカほか)、の5事業を有する。
当社は世界180カ国以上に進出するグローバル企業であるが、北米事業が売上高の約53%を占める最主力市場となっている。ただし、販売台数では北米が130万台/年に対して中国が69万台/年となっており、中国市場も極めて重要(中国は現地合弁会社を比例連結する関係上、数値に重要性が現れにくい特殊性がある)。2025年は北米事業・欧州事業が不調となったため、日本事業・アジア事業が利益を支える。
✔最終利益と利益率
日産自動車の純利益は2018年の純利益7,469億円をピークに低迷*3したが、2022年には再び黒字化。が、2025年には構造改革費用を計上したことで純損失▲6,708億円に後退している*4。営業利益率は年度による浮き沈みがあり、▲2%~4%のレンジで上下変動している。
*3:2020年に巨額の減損損失により純損失▲6,912億円を計上。カルロス・ゴーンが新興国市場・拡大路線に注力して過度な設備投資を行った負の遺産が元凶。
*4:2025年に純損失▲6,708億円に転落した理由は、過剰化した生産設備を圧縮するための構造改革費用の計上(参考リンク)。将来的な利益体質の改善に向けた生産拠点の再編費用が大きい。
✔自己資本比率と純資産
日産自動車の自己資本比率は26.1%(2025年)だが、これは販売金融による負債が計上されている事情による。純資産は2024年に6.47兆円まで拡大したが、2025年には5.44兆円にやや後退。が、2024年に巨額損失を計上したとはいえ、依然として盤石な純資産規模を維持している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
日産自動車の平均年収は2021年から増加傾向にあり、2025年は895万円に到達。自動車メーカーとしてはトヨタ自動車に続く水準にある。総合職の場合、30歳で年収800万~980万円ほど、課長職レベルで1,200万~1,350万円ほどが目安*5。海外赴任した場合には給与水準は更に跳ね上がる。
*5:自動車メーカーは製造ラインを担う現業職を大量採用している事情があり、表面上の平均年収は低めになる傾向が強い。そのため、大卒総合職に限った平均年収は、開示されている平均年収を上回る。
✔従業員数と勤続年数
日産自動車の単体従業員数は緩やかな増加傾向が続いており、2025年には2.44万人の組織体制となっている。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は13.2万人の大所帯。平均勤続年数は2018年までは20年を上回っていたが、採用拡大による若返りで14.7年(2025年)となった。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
総合評価
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