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岡三証券グループの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

岡三証券グループは、1923年創業の中堅証券会社。1923年に三重県津市で加藤清治が創業した岡三商店が源流企業。戦前は三重県の地場証券会社であったが、戦後になると大阪・東京・名古屋へと進出して中堅証券会社に登りつめた。現在では持株会社の傘下に岡三証券・岡三にいがた証券・三晃証券・三緑証券・証券ジャパン・岡三情報システム・岡三キャピタルパートナーズなどの事業会社が揃っており、証券会社の枠に留まらない金融サービスを幅広く展開。

POINT

1.営業収益700億円規模の中堅証券会社、対面営業を重視
2.収益・利益は成長頭打ちで減少傾向、新中計で逆転を図るも期待薄
3.平均年収は6~800万円台と推定、若手社員の給与は中堅メーカー並み

業績動向

✔売上高と経常利益

岡三証券グループの営業収益はやや減少傾向にあり、成長性は希薄。経常利益も2014年をピークに低迷傾向が顕著*1。
*1:2014年頃には募集・売出し業務(セリング)の手数料収入が年間250億円あったが、近年は不振。2020年には年間70億円に縮小しており、収益面を圧迫している状況。

✔セグメント別の状況

岡三証券グループは証券部門(有価証券の売買・委託・売出、募集の取り扱いほか)、アセットマネジメント部門(投資運用・投資助言・代理・投資組合財産の管理ほか)、サポートビジネス部門(情報処理サービス・事務代行・不動産管理ほか)の3事業を有する。
営業収益は証券部門が約85%を占める反面、利益は約48%をアセットマネジメント部門が稼いでいる。花形の証券部門の収益性が高くない状況にあることが伺える。

✔最終利益と利益率

岡三証券グループの純利益は2014年から2018年にかけて減少が続いたが、同年を境に回復傾向*2。とはいえ、ROEは6%台と金融機関としてはかなり凡庸な水準。
*2:2018年は国内株式売買が低調で委託手数料収入が減少、金融マーケットの不調からトレーディング損益も不振に終わり純利益が特に低迷した。

✔自己資本比率と純資産

岡三証券グループの自己資本比率は20.6%と低めだが、証券会社としては問題ない水準。証券会社の事業の性質から資産の大半を株式や現預金で保有しており、流動性に不安はない状況。
最近の業績は振るわない反面、純資産は概ね横ばい。2020年後には金融マーケットの好調で岡三証券グループが保有する有価証券評価額の上昇が主な理由である。。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

岡三証券グループの平均年収は直近で1177万円とやや高水準だが、これは持株会社の40名のみの平均年収。岡三証券の平均年収は550~750万円程度と推定される。

✔従業員数と勤続年数

岡三証券グループの従業員数は3,000人レベルで横這い。平均勤続年数は2.5年と極端に短いが、これは持株会社の40名のみの平均勤続年数。岡三証券の平均勤続年数はもう少し長いと推定されるが非公開となっている。

総合評価

企業格付け:C

中堅証券会社としては有名だが、顧客口座は100万口座弱に留まる。SBI証券900万口座や楽天証券800万口座以上と比較すると規模感は意外と小さく、個人投資家がネット証券に移行する中ではやや心もとない。実際、2014年年以降は業績が振るわず成長性が頭打ちの状態が続いている。創業100周年の節目に策定した中期経営計画では、店舗戦略の見直しや顧客体験の進化などが掲げられるが、時代の趨勢である対面証券の衰退を打開できるかは大きな疑問(参考資料)。

就職格付け:AA/C

■部門別採用=A
岡三証券グループは部門別コースを用意しており、グローバルマーケッツ・リサーチコース、ホールセール・投資銀行コースが個別募集を行っている。業界準大手の花形部門へ直行できるキャリアパスが確約される点は大きな魅力。支店での転勤を繰り返すことなく本部直行でき、金融マーケットの根幹に関わる経験を積める点は高く評価できるだろう。大手金融機関のブレイン採用枠へ応募する際には併願することを前向きに検討したい。とはいえ、大手証券会社と比較すると規模がかなり小さいため、どうしても投資銀行部門で働きたい意欲がない場合は慎重に判断したい。

■総合職=C
中堅証券会社とはいえ、昇給以前の若手社員の給与水準は中堅メーカーと大差ないと推定される。証券会社は実力主義の気風が強いため実力さえあれば評価はされるが、数字が上がらず会社を去る社員も決して少なくない(こうした事情から就職偏差値ランキングでは評価が低くなりやすい)。対面営業を主力とする為、大手証券以上に対個人の営業素質が問われる。良くも悪くも適性がハッキリと別れる職種であるため、自分の適性をしっかりと判断しておきたい。逆に、営業適性に自信があるならば学歴不問で出世を目指せる人生逆転コースとして就職するのも戦略的。

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