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牧野フライス製作所の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

牧野フライス製作所は、マシニングセンタ・放電加工機・フライス盤を主力とする大手工作機械メーカー。1937年に牧野常造がフライス盤専門メーカーとして創業。1958年に日本初のNC(数値制御)フライス盤を完成させ、コンピュータ制御による大量生産時代を牽引。1966年には工具交換も自動化したマシニングセンタ(複合加工機)を日本企業として初めて開発。日系工作機械メーカーとして売上高は第5位。現在ではマシニングセンタで世界シェア上位級を誇り、海外売上高比率は約75%にも達する。

POINT

・マシニングセンタで世界シェア上位級、放電加工機・フライス盤においても有力
・売上高・利益いずれも景気動向に左右されやすい、財務体質は安定的
・平均年収734万円だが業績次第で500万円台に後退、福利厚生は普通レベル

業績動向

✔売上高と営業利益

牧野フライス製作所の売上高は年度による好不調が明確に分かれる。2020年には1,167億円まで低落した反面、2020年には2,280億円まで急増。営業利益も2020年は▲36億円に沈んだが、2022年には174億円まで急増。
*1:当社は工作機械専業メーカーであるため、製造業の設備投資意欲に業績を左右される。2020年は世界的なCOVID-19感染拡大によって多くのメーカーが設備投資を控えたことで業績悪化した反面、2022年には世界的な景気回復によって設備投資が急増して業績拡大につながった。

✔セグメント別の状況

牧野フライス製作所は、日本事業(日本国内)、アジア事業(韓国・中国・アセアン諸国・インドなど)、アメリカ事業(北米・南米)、欧州事業(イギリス・ノルウェーなどのヨーロッパ諸国)、その他事業(ロシア他)、の5事業を有する。
売上高の75%以上を海外が占めており、とりわけ製造業が集積するアジア諸国における販売が主力となっている。機種別に見ると売上高の約63%をマシニングセンタが占めており、それに放電加工機が続く。フライス盤は「その他」の売上高に入っており、現在ではフライス盤の存在感は大きくない。

✔最終利益と利益率

牧野フライス製作所は純利益も年度によって好不調が明確に分かれる。2019年に純損失27億円を計上したが、2018年・2022年などの好調時には純利益160億円以上に達する。営業利益率は好調時には10%前後まで上昇するが、不調時にはマイナス圏に低下する。

✔自己資本比率と純資産

牧野フライス製作所の自己資本比率は長期的に50%前後で推移し続けており健全。景気動向に業績を大きく左右されるため、財務健全性を一定以上に保ち続けている。純資産は長期的に増加傾向にあり、直近では1,978億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

牧野フライス製作所の平均年収は業績に応じて大きく変動。業績好調時には平均年収700万円を上回るが、業績不調時には平均年収550万円まで後退。総合職の場合、30歳で500万〜650万円ほど、課長職レベルで850万〜900万円が目安。

✔従業員数と勤続年数

牧野フライス製作所の単体従業員数は微減傾向にあり、直近の2022年は1,395人。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は4,700人ほど。平均勤続年数は直近で17.7年とかなり長く、従業員の定着は良好。

総合評価

企業格付け:CCC

■業績動向
景気動向に左右されやすい。景気好調なら売上高2,000億円・純利益160億円ほどに達するが、景気悪化すると売上高1,100億・最終赤字に転落する。営業利益率は好調時で10%ほどに達するが、工作機械メーカーとしては中の上レベルの利益率。

■財務体質
良好。景気動向に業績を大きく左右されることを踏まえ、負債に頼りすぎない財務規律を保っている。自己資本比率は長期的に50%以上で推移しており、多少の業績悪化であれば余裕で凌げる。手元の現預金は680億円を超えており、流動性も十分。

■ビジネス動向
中国系自動車メーカーからの旺盛な需要を踏まえて、中国・武漢にマシニングセンタの新工場を設立。当面は中国国内での受注残解消に向けたマシニングセンタの増産がメインであるが、将来的には同工場から世界各国への輸出も見据える。

就職格付け:CCC

■給与水準
ムラが激しい。直近の2022年は業績好調を受けて平均年収734万円と業界上位級だが、業績悪化に苦しんだ2020年には平均年収556万円まで後退。賞与比率が高いため良くも悪くも大きく変動。長期的にならせば平均年収600万円台であり、工作機械メーカー大手としては普通の給与水準。

■福利厚生
企業規模なり。若手社員は独身寮が与えられるため生活コストを抑制できるが、独身寮での生活は20代のうちまで。退寮後の住宅補助は会社都合の転勤者のみ。良い点を挙げれば、年1回の人間ドックを会社負担で受診できる他、残業代は法定割増率よりも多めに支給される。

■キャリア
若手のうちは昇給・昇進に差はつかないが、30代以降に有能な社員から徐々にリーダーへと昇進。主要子会社があるシンガポール・ドイツ・アメリカへの海外赴任も少なくない。学歴による昇進差はなく、高卒・高専卒でも実力があれば管理職として大卒を部下に持つことも珍しくない。

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