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食品メーカー

エバラ食品工業の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

エバラ食品工業は、焼肉タレ・すき焼きタレ・調味料を主力とする食品メーカー。1958年にソース製造を目指して創業。1960年代に肉食文化が一般家庭まで普及したことを受けて1968年に焼肉タレを開発。醤油ベースの日本人好みの味付を開発したことで、焼肉タレ分野の先駆者として躍進。1969年にはすき焼きタレを開発。繊細な味付けが必要な割下のインスタント化に成功して、手軽にすき焼きを食べられる食文化の形成に貢献。現在では焼肉タレで国内シェア40%以上、すき焼きタレで国内シェア60%を誇る。

POINT

・焼肉タレ・すき焼きタレで国内断トツ首位、物流事業も手掛ける
・売上高・利益は極めて安定的でCOVID-19が追い風に、財務体質は極めて健全
・平均年収687万円で業界中堅上位級、残業時間が少ない企業文化

業績動向

✔売上高と営業利益

エバラ食品工業の売上高は2020年まで500億円前後で安定していたが、2021年以降は400億円規模に縮小*1。営業利益は2020年まで増加していたが、同年以降はやや減少。
*1:2021年の売上高の急減は、会計基準の変更が理由。同年から販売促進費・リベートなどが売上高から減額されるように会計基準が変更された為、見かけ上の売上高が減少。

✔セグメント別の状況

エバラ食品工業は、家庭用食品事業(肉まわり調味料・鍋物調味料・野菜まわり調味料・スープなど)、業務用食品事業(業務用調味料・スープ・カレーなど)、物流事業(エバラ物流による倉庫業・貨物運送取扱業など)、その他事業(広告宣伝事業・人材派遣事業)、の3事業を有する。
数々の有名商品がある家庭用食品事業は売上高の約65%を占めるが、業務用食品事業・物流事業も一定の存在感がある事業ポートフォリオとなっている。最近では海外展開にも関心を示しているが、直近の2022年時点では海外売上高比率は3.5%に過ぎないため国内専業に近い事業構造。

✔最終利益と利益率

エバラ食品工業の純利益は長期的に10億円台で推移していたが、2020年以降は20億円規模に増加*2。営業利益率は2017年頃から増加傾向にあり、直近では6%〜7%台に増加している。
*2:2020年はCOVID-19感染拡大で外食需要が急減したが、当社は家庭内喫食向け製品が主力であった為に家庭内消費の増加が追い風に。外出自粛長期化により焼肉・すき焼きの贅沢消費が増えたことも需要拡大に繋がった。

✔自己資本比率と純資産

エバラ食品工業の自己資本比率は緩やかな増加傾向にあり、直近の2022年には70%台で推移。有利子負債が殆どない実質無借金経営を実現している。純資産も右肩上がりで増加しており、直近では309億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

エバラ食品工業の平均年収は2017年以降は670万〜700万円前後で推移しており、食品メーカーとしてはやや高め。総合職の場合、30歳で年収450万〜550万円ほど、課長職レベルで年収800万〜950万円が目安。

✔従業員数と勤続年数

エバラ食品工業の単体従業員数は2020年までは増加傾向にあったが、同年以降は微減。直近の2022年は従業員数508人と企業規模は小さめ。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は700人ほど。平均勤続年数は直近で17.8年とかなり長く、従業員の定着はよい。

総合評価

企業格付け:C

■業績動向
安定。食品は景気動向に関わらず需要安定しており、国内市場が地盤のため為替動向にも業績を左右されにくい。焼肉タレ・すき焼きタレでは圧倒的シェアを確立しており、業界2位のキッコーマン食品も大きく突き放す。が、売上高400億円ほどで知名度の割に企業規模は小さい。

■財務体質
極めて健全。自己資本比率は70%前後に達しており、負債に頼らない事業運営を実現。手元の現預金が185億円を上回っており、企業規模を考えれば多すぎるほどの現金を確保している。利益も大いに安定している為、倒産リスクとは無縁。実質無借金経営。

■ビジネス動向
経営計画として「エバラらしさの追究」を掲げる。タレ分野での圧倒的なブランド力に磨きをかけることで、コア事業の収益強化を狙う。焼肉タレ「黄金の味」を重点販売商品として位置づけ、ポーション調味料の拡販にも意欲。海外売上高にも定量目標を設定しているが「2023年に海外売上高20億円」と目標値はかなり控えめ。

就職格付け:C

■給与水準
業界中堅上位クラス。平均年収は700万円前後で安定推移しており、企業規模の割には高め。昇給スピードは早くないため30歳時点では年収450万〜550万円ほどだが、しっかり勤続を重ねれば相応の給与が得られるのはメリット。部長職レベルなら年収1,000万円を超える。

■福利厚生
そこそこ。住宅補助として借上げ社宅・家賃補助制度が整備されているが、家賃補助額は月額2万円ほど。それ以外は特筆すべき福利厚生は特になし。時間外労働の削減には積極的であり、2022年の月平均残業時間は5.5時間ほど。総合職の場合は転勤が発生しうるが、主要拠点は神奈川県・群馬県・栃木県・岡山県が分散しているため転勤範囲は広い。

■キャリア
総合職採用の場合、初期配属は営業部門か研究・製造部門のみ。マーケティング・経営企画・人事・海外事業などの部門へはローテーションを経て配属される。社員数500名規模の企業であるため、社員1人1人の裁量が広い。年功序列色が強く、30代後半までは昇進も殆ど横並び。

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