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日本オラクルの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

日本オラクルは、データベース管理システムなどの企業向けソフトウェアを開発・販売する大手IT企業。米オラクルの日本法人として1985年設立。外資系IT企業には珍しく日本国内で株式公開されており、2000年に東証一部に株式上場。最主力のデータベース管理システムでは世界首位級、ERP・CRM・SCMソフトウェアにも注力。2010年にはプログラミング言語Javaを生み出した米サン・マイクロシステムズを買収、同社のハードウェア事業を取り込むことでソフトウェア・ハードウェアを一貫提供できる体制を確立。

POINT

1.データベースで世界首位級のIT企業、米オラクルの現地法人
2.売上高は成長基調が続き2,000億円を突破、利益率も高いうえ財務も堅い
3.平均年収1,121万円程度と高待遇、高い人材価値を得られる点も魅力

業績動向

✔売上高と営業利益

日本オラクルの売上高は緩やかな成長基調が続いており、2022年には2,147億円に到達*1。営業利益も売上高に比例して遂げており、直近では732億円に到達。
*1:日本オラクルの売上高は1991年時点では14億円に過ぎなかったが、1994年には100億円を突破。1999年には500億円を上回り、過去30年以上に渡って成長基調を維持している。

✔セグメント別の状況

日本オラクルはクラウド&ライセンス事業(データベース管理ソフトウェア・ミドルウェア・アプリケーション)、ハードウェア・システムズ事業(サーバー・ストレージ・ネットワーク機器の販売およびサポート)、サービス事業(コンサルティング・カスタマーサポート)の3事業を有する。
日本オラクルの売上高は3事業がバランスよく構成されているが、利益のほとんどをクラウドとサービスで稼ぐ構造。ハードウェアの販売は付随的な事業となっていると推定される。

✔最終利益と利益率

日本オラクルの純利益は売上高に連動して成長基調ではあり、年2022年には過去最高となる512億円に到達。自己資本利益率は常時20%以上を確保しており、直近では40.8%と非常に高い利益率。

✔自己資本比率と純資産

日本オラクルの自己資本比率は概ね50~60%のレンジで安定的に推移、安定した利益体質もあわせて考えれば非常に堅実な財務体質。純資産は堅調な増加と急落を繰り返す独特の推移だが、これは日本オラクル独自の株主配当戦略に起因*2。
*2:日本オラクルは株主還元として巨額の特別配当金を支払う時があり、2021年は単年で1,469億円を配当金に支出したことで純資産が急落。実質的には日本オラクルの筆頭株主である米オラクルへの還元。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

日本オラクルの平均年収は1,000万円以上の水準で高位安定、2022年は1,121万円に到達。平均年齢は緩やかな増加基調にあり直近では43歳に到達。IT企業のイメージの割には社員の年齢構成はやや高め。

✔従業員数と勤続年数

日本オラクルの従業員数は過去8年間に渡って2,500人レベルで安定的に推移。平均勤続年数は8.6年と短い水準に留まっているが、人材価値の高い企業であるため人材の流動性が高いことも影響。

総合評価

企業格付け:AAA

オラクルは1990年代から2000年代にかけては米マイクロソフトと双璧を成したIT企業。オラクル創業者の資産額がビル・ゲイツを超えて世界一であった時期と比べれば地味になったとはいえ、現在でも世界時価総額トップ50社にはある超グローバル企業の一角。オラクルが強いデータベースはあらゆるITシステムの根幹を支える機能であり、現代社会において必要不可欠であり続けることは必定。業績も高利益率が伴ったうえでの成長基調が続いており、財務も堅牢という優れた企業。強いて言えば、データベース環境のトレンド変化は不安。オラクルはオンプレミス型(自社所有)データベースでは首位級だが、クラウド型データベースでは米アマゾンや米マイクロソフトの後塵を拝する。顧客のクラウド志向化トレンドが長期的に続いた場合にはやや不安も。

就職格付け:AA

IT業界では最高峰の企業の1社であり、日本マイクロソフトなどと互角級で並び立つ。データベースやJavaなどIT業界の根幹を支える製品を生み出してきた革新的企業であり、IT業界で知らない人はいない超名門企業。高い利益率に裏打ちされた恵まれた給与水準により平均年収1000万円以上と厚遇であることは勿論、データベース系の知見を蓄積できることでIT業界における高い人材価値を獲得できることも魅力。大卒初任給は年棒制で464万円/年と一見すると大手コンサルよりも見劣りするが、年4回のボーナスがインセンティブとして別途支給。実力主義・能力主義のため昇格すれば給与は上がるが、年功による昇給はあまり期待できない点には注意。BtoBビジネスが主力の企業であるため、親戚友人への世間体が高くない側面もあるが、一定以上のリテラシーがある社会人ならば誰もが常識として凄い企業であると知っているため気にする必要なし。

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