本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
富士通は、ITサービス・ソフトウェア開発を主力とする総合ITベンダー。1935年に富士電機から電話機部門が独立して設立され、戦前から通信機器の開発を手掛けた。戦後は計算機事業へ進出し、1950年代にはリレー式計算機を開発、1960年代には金融機関向けオンラインシステムを構築するなど、日本のコンピュータ産業の黎明期を支えた。1990年代にはパソコンやサーバーなどハードウェア事業を拡大したが、2000年代には価格競争の激化を受けてITサービス領域に事業構造を転換。現在ではソフトウェア開発やITサービスを収益の中核とする体制へ転換しており、スーパーコンピュータ・サーバー・通信機器などの技術基盤を維持しながら、日本の情報通信基盤を支えるIT企業としての地位を確立している。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:70(最上位)
日本社会におけるサラリーマンの最上位クラスの待遇を得られる。かつては業績不振に苦しんだが、現在では構造転換に成功。従業員の待遇改善も急速に進んでおり、評価が高まる。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
■69→70に改定:ハードウェア主体のビジネスモデルからの転換成功、従業員の待遇改善の進展を再評価。1ノッチ格上げとした(2024年9月)
✔就職難易度:やや難関
総合職の採用人数は年間750人~800人以上と門戸は非常に広い。人気業界の超有名企業であるが、採用枠が非常に多いために相対的に選考倍率は高くなりにくい。
採用大学:【国公立】大阪大学・東北大学・九州大学・名古屋大学・北海道大学・筑波大学・横浜国立大学・千葉大学・大阪公立大学など、【私立】慶応義塾大学・早稲田大学・上智大学・明治大学・立教大学・青山学院大学・法政大学・同志社大学・関西学院大学・立命館大学・東京理科大学など(出典:大学通信ONLINE)
業績動向
✔売上高と営業利益
富士通の売上高は2001年の5.4兆円を誇ったが、2000年代後半からは業績悪化によって事業売却を繰り返したことで減少。現在では売上高3.5兆円レベル*1での推移となっている。営業利益は1,300億円~2,600億円ほどで推移しているが、2023年には過去最高となる3,356億円を記録した*2。
*1:2000年代後半以降、リース事業・マイコン事業・半導体生産・システムLSI事業・スキャナー事業・ディスプレイ事業・携帯電話販売事業・HDDメディア事業・コンデンサ事業・パソコン事業などを分社化・売却。
*2:2023年に営業利益が増加した理由は、①COVID-19感染拡大によるリモートワーク需要と業務デジタル化需要の急伸、②文部科学省のGIGAスクール構想などのデジタル投資特需、など。
✔セグメント別の状況
富士通は、サービスソリューション事業(ビジネスコンサルティング、システム・ソフトウェア開発、データセンター・ネットワークサービス、システム運用管理など)、ハードウェアソリューション事業(サーバー・メインフレーム、ネットワーク機器、システム監視サービスなど)、ユビキタスソリューション事業(パソコンなど)、の3事業を有する。
当社の事業構造は、企業・官公庁向けのシステムインテグレーション(SI)を中核とするITサービスを主軸としている。金融機関・官公庁・大手企業などの基幹システムの設計・開発・保守を一括して受託するビジネスモデルを確立しており、ITサービスを通じて顧客企業の基幹業務に深く入り込み、長期的な運用契約を積み上げることで安定的なストック収益を確保している。当社は「メーカー系SIer」と呼ばれる独自のポジションにあり、長年に渡るサーバー・スーパーコンピュータ・通信機器などの開発能力を有するため、ソフトウェアだけではなくハードを含めたシステム全体の設計が可能である点が強みとなっている。他方で、ハードウェア分野では取捨選択を進めており、かつて子会社であった富士通コンポーネント・新光電気工業・FDKなどを次々と売却している(参考リンク)。
✔最終利益と利益率
富士通の純利益は長期的に1,040億~2,200億円ほどで推移しているが、2024年には過去最高となる2,544億円に到達している。営業利益率は2019年を底に改善が進んではいるが、2025年でも7.47%とITベンダーとしては利益率はやや低めである。
✔自己資本比率と純資産
富士通の自己資本比率は緩やかな増加傾向が続いており、2025年は49.8%となっている。昨今の業績が安定していることも加味すれば、当面の備えは十分であろう。純資産は2020年から増加傾向が続いており、2024年には1.91兆円に到達している*3。
*3:2021年から純資産が急増した理由は、業績好調による利益剰余金の蓄積に加えて、上場子会社の新光電気工業の株価上昇が主要因。同社は株価が7倍以上となり純資産拡大に貢献。が、2023年には同社の保有株式を売却しており、当社グループ企業ではなくなっている(参考リンク)。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
富士通の平均年収は2023年まで790万~880万円ほどで推移していたが、同年の人事制度改革によって965万円(2024年)に上振れ*4。大手システムインテグレータの給与水準と遜色ない水準に引き上げられた。総合職の場合、30歳で年収750万~850万円に到達し、課長レベルになると1,200万~1,300万円に到達する。
*4:2023年の人事制度改革においてジョブ型雇用を導入(参考リンク)。年功序列による一律昇給を廃止して、個々人の職能・責任に応じた報酬体系へと移行した。
✔従業員数と勤続年数
富士通の単体従業員数は3.2万~3.6万人レベルでの横ばいが続いている。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は11.2万人ほど。平均勤続年数は18.2年(2025年)と大手企業の標準的な水準を上回る。IT業界として考えれば、従業員の定着は極めて良い方である。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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