本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
富士石油は、原油の原油受入・貯蔵・精製を主力とする石油会社。1964年に住友化学工業(現・住友化学)・東京電力・アラビア石油・日本砿業(現・ENEOS)らが共同出資して設立。1968年には千葉県袖ケ浦市で袖ケ浦製油所を操業開始、現在に至るまで同製油所を中核とした製油事業を展開。東京湾の入り口にあたる立地優位を活かし、燃料油は出光興産、重油はJERA、ナフサは住友化学、石油ピッチを日本製鉄へと供給。袖ケ浦製油所の精製能力は14万バレル/日を超え、日本国内の精製能力の約4%を占める。
・千葉県袖ケ浦市での石油精製に特化した石油会社、大手企業との取引が多い
・2019年に売上高・利益が急減したが同年以降は回復傾向、利益率は高くはない
・平均年収749万円だが住宅補助は良好、僻地転勤のリスクは皆無
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:64(中堅上位)
サラリーマンの中堅上位クラスの待遇を得られ、世間的にも有名企業・大企業勤務として認知される。サラリーマンとして安定した人生が得られるが、入社するには人並み以上の努力が必要だろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:難関
総合職の採用数は年間5名前後のみ。一般知名度は極めて低いが、数少ない石油業界の上場企業でもあって同業界の志望者からの応募は少なくない。
採用大学:【国公立】東京工業大学・大阪大学・東北大学・北海道大学・千葉大学・滋賀大学・三重大学・東京農工大学・北九州市立大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・上智大学・明治大学・法政大学・学習院大学・東京理科大学・芝浦工業大学など(出典:マイナビ2026)
業績動向
✔売上高と営業利益
富士石油の売上高は2021年まで3,400億〜5,400億円で推移していたが、同年以降は急増。2022年には過去最高となる売上高8,508億円に到達*1。営業利益は2019年のみ▲286億円と赤字転落したが、同年を除けば50億~190億円で推移。総じて、原油価格の動向に業績を左右されやすい性質が強い。
*1:2022年以降の急激な売上高の増加は、世界的な原油価格の高騰とによる販売価格の上昇が主要因。為替レートが円安推移となったことも円建て原油価格の上昇を招いた。
*2:2019年の大幅赤字の理由は、①COVID-19影響による原油価格の暴落による棚卸資産評価損の発生、②石油製品市場の下落による化成品市況の悪化による精製マージンの低下、など。
✔セグメント別の状況
富士石油は、石油精製販売事業(袖ケ浦製油所における原油受入・貯蔵・精製・出荷、燃料油・重油・ナフサ・ベンゼン・キシレン・石油ピッチの製造販売など)のみの単一事業会社である。
当社は袖ケ浦製油所における石油精製に特化した事業展開となっており、製造拠点は同製油所1ヵ所のみ。東京湾の入り口にあたる千葉県袖ケ浦市で原油の受入・貯蔵・精製までを実施することで、輸入・出荷における優位性を確保している(参考リンク)。
✔最終利益と利益率
富士石油の純利益は209年に純損失290億円に転落していたが、同年を除けば30億~150億円のレンジで安定的に推移している。営業利益率は2019年を除けば0%~3%ほどで推移しており、利益率は高くない。
✔自己資本比率と純資産
富士石油の自己資本比率は2019年に6.8%に低下したが、同年以降は回復傾向。2023年は22.1%となっている。純資産は2019年の純損失によって急低下したが、直近では863億円となっている。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
富士石油の平均年収は長期的に720万〜770万円で安定的に推移している。総合職の場合、30歳で年収500万~590万円ほど、課長職レベルで年収800万~950万円が目安。年功序列色が強いため、給与を上げるためには勤続年数を重ねる必要がある。
✔従業員数と勤続年数
富士石油の単体従業員は2019年まで430人前後で推移していたが、同年以降は増加傾向。平均勤続年数は低下傾向がみられるが、これは従業員数が増加している影響。直近でも平均勤続年数19.4年となっており、従業員の定着は大いに良好である。
