本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
キユーピーは、マヨネーズ・ドレッシング・ジャムなどの調味料を主力とする大手食品メーカー。1919年に中島董一郎が缶詰メーカーとして創業。1925年には日本初となる国産マヨネーズを発売し、日本にマヨネーズ食文化を普及させた。1930年代にはママレードの製造を開始し、1958年には使いやすいポリボトル入りマヨネーズと日本初のドレッシングを発売。1960年代からは乳児食・酢・物流・業務用食品事業などに進出し、事業領域を拡大。1990年代には健康意識の高まりを受けて低カロリーマヨネーズやパッケージサラダに進出。2014年には同根企業でジャム大手のアヲハタを連結子会社化した。現在ではマヨネーズ・ドレッシング分野で国内シェア首位を誇り、業務用食品・タマゴ・惣菜・フルーツ加工・ファインケミカル・海外事業などを展開する総合食品グループとなっている。なお、社名が『キューピー』と勘違いされがちだが、実際は『キユーピー』が正である。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:61(中堅上位)
日本人なら誰もが知る圧倒的な一般知名度の高さ、業績・財務の安定性が強み。給与水準は大手食品メーカーにはやや及ばないが、食品業界としては中堅上位レベルにある。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:難関上位級
総合職の採用数は年間25人~50人と企業規模なり。日本人なら誰もが知る企業かつ企業イメージも良好であるが故に、選考倍率が極端に高くなりやすい。相当の難関企業である。
採用大学:【国公立】京都大学・名古屋大学・東北大学・筑波大学・広島大学・静岡大学・琉球大学・東京海洋大学・大阪公立大学・横浜市立大学など、【私立】明治大学・中央大学・青山学院大学・法政大学・同志社大学・関西大学・立命館大学・近畿大学・同志社女子大学など(出典:マイナビ2028)
業績動向
✔売上高と営業利益
キユーピーの売上高は2020年まで5,300億~5,700億円レベルで推移していたが、2021年に4,070億円まで急落*1。同年以降は緩やかな回復傾向が続いており、2025年は売上高5,134億円となっている。営業利益は2023年まで減少傾向*2が続いていたが、2025年には346億円まで回復。
*1:2021年に売上高が急落した理由は、2021年1月に当社が保有するキユーソー流通システムの株式を一部売却したことが主要因。同社が連結子会社から持分法適用会社へと変更になったことで、全社売上高が減少した。
*2:2023年まで営業利益の減少が続いていた理由は、①国内販売の伸び悩み、②鶏卵・食用油などの原材料価格や物流費・エネルギー費の上昇、など。2024年からは値上げ対応の進展による国内事業の収益性改善、海外事業の成長などによって利益水準が大幅に回復している。
✔セグメント別の状況
キユーピーは、市販用事業(市販向けマヨネーズ・ドレッシング・ソース・サラダ・惣菜など)、業務用事業(業務向けマヨネーズ・ドレッシング・食酢・卵など)、海外事業(中国・東南アジア・北米でのマヨネーズ・ドレッシングなど)、フルーツソリューション事業(ジャム・フルーツ加工品など)、ファインケミカル事業(ヒアルロン酸・卵黄レシチンなど)、共通事業(食品・食品製造機械の販売など)、の6事業を有する。
当社の事業構造は、家庭向けマヨネーズ・ドレッシングを起点として、同じ原料・技術・販路を業務用食品・卵・惣菜・フルーツ・ファインケミカルへ横展開することで成立している。家庭向けには『キユーピー マヨネーズ』『深煎りごまドレッシング』などの調味料が高い競争力を有しており、国内シェア首位を独走。更に、マヨネーズ製造で培った卵の調達・加工技術を業務用市場へ横展開することで、外食店・コンビニ・惣菜メーカー・食品メーカーなどに対して、マヨネーズ・ドレッシング・ソース類・液卵・凍結卵・卵加工食品などを供給する。特筆すべきは、業務用事業が市販用事業に並ぶまでの売上高・利益に成長している点であろう。一般消費者から見える『家庭用マヨネーズメーカー』という印象以上に、外食・中食・食品メーカーを支えるBtoB食品企業としての色彩が強い。最近では海外事業が第3の成長軸として存在感を高めており、海外売上高比率は20%レベルにまで拡大している。国内食品メーカーの中でも海外事業の育成に成功している企業の一角と評価できる。
✔最終利益と利益率
キユーピーの純利益は2023年まで115億~186億円のレンジで推移していたが、2025年には305億円に上振れ。リーマンショックによる世界的不況に見舞われた時期にも黒字を確保できており、利益体質は強固。営業利益率は4%~7%のレンジで推移しており、食品メーカーとしてはやや高めの水準。
*3:2025年に純利益が増加した理由は、旧挙母工場跡地の売却に伴って固定資産売却益約120億円を計上したことが主要因(参考リンク)。
✔自己資本比率と純資産
キユーピーの自己資本比率は2020年まで50%台で推移してきたが、2025年は67.4%まで上昇している*4。安定した利益創出力を考えれば、大いに健全な財務体質と評価できる。純資産は増加傾向が続いており、2025年には3,476億円に到達している。
*4:2021年に自己資本比率が急上昇した理由は、キユーソー流通システムを連結子会社から持分法適用会社へと変更したことで同社の資産・負債が連結対象から外れ、連結総資産が大幅に減少したことが主要因。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
キユーピーの平均年収は2022年まで600万円前後の水準で推移していたが、2025年には688万円まで増加している。総合職の場合、30歳で年収500万~580万円ほど、課長職レベルで年収790万~880万円に到達する。平均年齢は42.1歳(2025年)と大手企業の標準的な水準。
✔従業員数と勤続年数
キユーピーの単体従業員数は2017年の2,523人をピークに微減傾向がみられ、2025年は2,388人の組織体制となっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は1.05万人ほど。平均勤続年数は16.1年(2025年)と大手企業の標準的な水準をやや上回る。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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