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三井住友トラストホールディングスの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

三井住友トラストホールディングスは、三井住友信託銀行・三井住友トラスト不動産・日興アセットマネジメントなどを傘下に収める大手信託銀行グループ。1924年に設立された三井信託を源流とし、2011年に中央三井トラストと住友信託銀行が合併して設立。信託銀行として銀行業務・信託業務・併営業務の3事業を柱としており、財産管理・相続業務・不動産仲介などにも進出。日系信託銀行では業界首位の規模を誇り、総資産は69兆円(信託銀行2位の三菱UFJ信託銀行は総資産42兆円)。名称が類似する三井住友フィナンシャルグループとはなんら資本関係・協業関係はない。

POINT

1.日系信託銀行グループとしては断トツ首位、手数料収入に強い
2.売上高・利益いずれも高水準で安定的、財務体質も優良
3.平均年収1,274万円とメガバンクに近い給与水準、福利厚生も手厚い

業績動向

✔経常収益と経常利益

三井住友トラストホールディングスの経常収益は1.2兆~1.4兆円レベルで推移してきたが、2022年は経常収益1.82兆円に到達*1。経常利益は長年に渡って1,800億~2,800億円のレンジで安定推移
*1:2022年は信託報酬・役務取引収益などは前年から横這いであったが、マーケット環境の追い風で資金運用収益が急増。貸出金利息・預け金利息が増加したことで経常収益が躍進した。

✔セグメント別の状況

三井住友トラストホールディングスは個人事業(受信業務・与信業務・資産運用・遺言信託など)、法人事業(株式事務・証券代行・M&Aファイナンス・シンジケートローンなど)、投資家事業(投資商品・プライベートアセット・投資サポートなど)、不動産事業(不動産売買・賃貸借の仲介、アドバイザリー、不動産証券化など)、マーケット事業(投資業務、財務マネージ業務、金融商品開発・販売)、運用ビジネス事業(資産運用サービス業務)、その他事業の7事業を有する。
三井住友トラストホールディングスは7事業がバランスよく経常収益・経常利益を稼いでいるが、主力は個人事業・法人事業。とりわけ法人事業は経常利益において約36%を占める最重要事業。法人事業における証券代行業務では上場企業の約42.3%と取引関係があり国内シェア首位を占めており利益率も高め。

✔最終利益と利益率

三井住友トラストホールディングスの純利益は1,200億~1,900億円のレンジで安定的に推移。2022年には純利益1,910億円を記録して過去最高益を更新。経常利益率は15%以上で安定推移しており、利益率はかなり高め。

✔自己資本比率と純資産

三井住友トラストホールディングスの自己資本比率は4%台と低めだが、銀行業であれば健全な水準。銀行業は顧客から預金・有価証券を預かる事業の性質上、貸借対照表での負債が広がるため自己資本比率が低くなりやすい。純資産は2.5兆円前後の水準で横這い。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

三井住友トラストホールディングスの平均年収は1,200万~1,300万円の高水準で推移しているが、これは持株会社の285名のみの平均年収。グループ事業会社における大卒総合職の給与体系は30代前半で1,000万円に到達する。

✔従業員数と勤続年数

三井住友トラストホールディングスの従業員数は285人に過ぎず、従業員の大半は持株会社の傘下に置かれる事業会社に所属。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2.2万人ほど。平均勤続年数は20.9年と長いが、持株会社の従業員のみの平均勤続年数なのであまり参考にならない。

総合評価

企業格付け:AA

日系信託銀行では業界屈指の規模を誇り、信託銀行2位の三菱UFJ信託銀行を大差で引き離すリーディングカンパニー。信託銀行は数あれども、信託銀行を核として金融グループとしては唯一無二の存在である。同じく三井グループと住友グループの金融機関である三井住友フィナンシャルグループとは何ら資本関係はなく、同グループのSMBC信託銀行とは競合関係にすらある。業績は極めて安定的であり、経常収益・経常利益いずれも堅調に推移している。ネット銀行の隆盛によって銀行業が手数料収入を失う時代にあっても、手数料利益が占める割合は50%以上(大手メガバンクは軒並み30%台で推移している)。信託銀行は遺言信託や証券代行業務など、ネット銀行では代替できないビジネスに強いため、依然として手数料利益をしっかりと稼ぎ続けられる。あらゆる一般市民が口座開設をするメガバンクに比べて、顧客の客層が富裕層などが中心であるがゆえに良い点も強み。

就職格付け:BB

信託銀行でのキャリアを目指すなら真っ先に候補となる業界首位の信託銀行グループ。他の大手金融グループとは異なり、信託銀行が脇役ではなくグループの中核を担っている為、信託銀行マンがキャリアの王道となる点は見逃せない。給与水準も大手メガバンクに次ぐ水準にあり、持ち株会社のの平均年収は1,200万~1,300万円の高水準。グループ事業会社における大卒総合職の給与体系は30代前半で1,000万円には到達する。福利厚生も恵まれており、高年収のうえに32歳までは独身寮及び社宅に格安で入居できるため貯金が超ハイペースとなる。転勤は大手メガバンクと同様に総合職の宿命ではあるが、店舗数が絶対的に少ないためにアッパークラスの地方都市までの転勤で済む点も見逃せないメリット(極端な僻地や過疎地域での勤務の可能性が低い)。地域限定職での採用もあるうえ入社後のコース転換も可能であるため、特定の地域に生活の根を下ろしたい場合にも柔軟である。

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