本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
Umios(旧社名・マルハニチロ)は、漁業・養殖・缶詰・冷凍食品・水産資源トレードなどを主力事業とする大手水産・食品メーカー。1880年に中部幾次郎が鮮魚仲買会社として創業。1920年代には捕鯨やトロール漁業へと進出し、缶詰・加工食品などへと事業多角化。終戦後には捕鯨やサケ・マス漁業を再開し、1960年代には世界中の海で遠洋漁業を展開した。が、1977年から200海里規制が始まったことで遠洋漁業の縮小を強いられ、水産加工・食品メーカーへと業態を転換。1980年代からは水産物の輸入を拡大しながら、冷凍食品や缶詰などの食品加工分野を強化した。2007年には同業大手・ニチロと経営統合し、事業規模を拡大。2010年には民間企業として初めてクロマグロ完全養殖にも成功。現在ではマグロ・カンパチ・タコ・エビなどの流通において国内シェア最大手であり、冷凍食品でも業界上位。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:64(中堅上位)
水産業界におけるトップ企業の一角。業績の安定性は高く、景気後退局面にも安定した利益確保ができている。給与水準は業界上位だが、他業界の大手企業と比べると優位性は突出しない。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:難関
総合職の採用実績は年間80名~95名ほど。水産業界ではニッスイと並んで一般知名度が高いために応募数も多く、選考倍率は相当に高い。海洋・水産系学生からの人気は非常に高い。
採用大学:【国公立】名古屋大学・神戸大学・広島大学・埼玉大学・滋賀大学・東京海洋大学・帯広畜産大学・京都工芸繊維大学・神戸市外国語大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・明治大学・日本大学・駒澤大学・専修大学・東京理科大学・東京電機大学など(出典:マイナビ2028)
業績動向
✔売上高と営業利益
Umiosの売上高は2021年に0.8兆円まで減少した*1が、同年以降は増加傾向で推移している。2025年は売上高1.07兆円まで増加している*2が、全盛期の1.12兆円(1985年)には及ばない。営業利益は2021年まで減少傾向が続いていたが、2025年には過去最高となる303億円に到達している。
*1:2021年の売上高の減少はCOVID-19感染拡大による外食需要の急減が主要因。特に、高級魚などの水産商品の価格下落が痛手となった他、販売数量も落ち込んだ。
*2:2025年に売上高が増加した理由は、①世界的な物価高騰による水産資源の価格上昇、②食材流通事業における販売拡大、など。
✔セグメント別の状況
Umiosは、水産資源事業(漁業・養殖・水産資源の調達・販売など)、食材流通事業(水産商材・業務用食材・農産商材の調達・加工・BtoB販売など)、加工食品事業(冷凍食品・缶詰・ちくわ・デザート・フリーズドライ製品・調味料の生産・販売など)、その他事業(物流・不動産など)、の4事業を有する。
当社の事業構造は、水産資源を起点として、漁業・養殖・冷凍食品・缶詰などを展開する総合水産・食品メーカーとして成立している。かつては捕鯨・遠洋漁業を主力として成長してきたが、1970年代からは世界中から水産物を調達~加工~販売する企業へと事業構造を転換した。水産資源事業では、日本・北米・豪州などで漁業を展開する他、ブリ・カンパチ・マグロなどの養殖にも取り組んでいる。食材流通事業では、世界各地から魚介類を買い付け、量販店・外食店・食品メーカーなどへ販売しており、グループ最大の売上基盤となっている。加工食品事業では、冷凍食品・缶詰・ちくわ・デザート・フリーズドライ製品・調味料などを製造・販売している。当社の強みは、水産資源の上流から最終商品までを一体で扱える点にあり、世界中から水産物を漁獲・輸入し、国内外の工場で加工し、家庭用・業務用市場へ販売する。水産に関わるバリューチェーンを一気通貫で有するため、単なる水産商社や冷凍食品メーカーよりも事業領域が広い。
✔最終利益と利益率
Umiosの純利益は2021年に57億円まで減少したが、同年を除けば120億~210億円ほどで推移している。2025年には過去最高となる純利益232億円に到達している。景気後退局面においても赤字転落せず、着実に黒字を確保できている。営業利益率は1%~2%と水産・食品メーカーとしては中庸な水準。
✔自己資本比率と純資産
Umiosの自己資本比率は緩やかな増加傾向が続いているが、2025年においても33.7%となっている。水産・食品メーカーとしては負債比率がやや高め*3。純資産は過去8年間に渡って増加が続いており、2025年には過去最高となる2,753億円に到達している。
*3:大手食品会社は自己資本比率が40%~60%程の会社が多いため、業界内では相対的に財務基盤が強くない印象が際立ってしまう事情がある。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
Umiosの平均年収は2022年まで690万~720万円ほどで推移していたが、2025年には768万円に増加している。業績による平均年収の増減は殆どなく、給与の安定性が高い特徴がある。総合職の場合、30歳で年収550万~620万円ほど、課長職レベルで年収850万~950万円が目安となる。平均年齢は41.4歳(2025年)と大手企業の標準的な水準。
✔従業員数と勤続年数
Umiosの単体従業員数は2021年まで増加傾向が続いていたが、同年以降は1,640人~1,690人ほどで横ばいが続いている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は1.30万人ほど。平均勤続年数は15.0年(2025年)と大手企業の標準的な水準。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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