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ナブテスコの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

ナブテスコは、精密減速機・油圧機器・ブレーキ装置・自動ドア開閉装置・航空機部品などを製造する機械メーカー。2002年に帝人製機とナブコが合併して誕生、同格の企業規模であった同業同士の対等合併により事業規模を2倍に拡大した。精密で滑らかな動作を要求される産業用ロボット向け精密減速機における世界的大手であり、関節用精密減速機では世界シェア60%以上。自動ドア開閉装置でも世界的であり、国内シェア55%・世界シェア20%を掌握。

POINT

1.精密減速機・油圧機器・自動ドア開閉装置で世界的シェアを誇る機械メーカー
2.売上高の成長が続いており利益率も優良、財務体質も大いに健全
3.平均年収734万円と中堅メーカーでは上位級、岐阜県・兵庫県の拠点が多い

業績動向

✔売上高と営業利益

ナブテスコの売上高は緩やかな成長基調が続いており、2022年には3,087億円に到達して過去最高を更新*1。営業利益は180億~300億円レベルで安定的に推移している。直近の2022年には減益に沈んだが、景気後退局面にも利益をしっかりと確保。
*1:ナブテスコの業績拡大は、①ロボット向け精密減速機の長期的な需要拡大、②中国市場における建機用油圧機器の販売好調、が背景。

✔セグメント別の状況

ナブテスコは、コンポーネントソリューション事業(産業用ロボット部品・建設機械用油圧機器など)、トランスポートソリューション事業(自動車用ブレーキ・駆動制御装置、鉄道用ブレーキ・扉、航空機部品など)、アクセシビリティソリューション事業(建物向け自動ドア開閉装置、プラットフォーム安全設備など)、その他事業(包装機械・立体モデル作成など)、の4事業を有する。
ナブテスコは自動ドア開閉装置やブレーキ・制御装置なども幅広く展開するが、コア事業はやはり精密減速機・油圧機器。とりわけ利益においては約60%をコンポーネントソリューション事業が確保しており、稼ぎ頭となっている。

✔最終利益と利益率

ナブテスコの純利益は長年に渡って90億~250億円レベルで安定的。2021年のみ純利益648億円に急伸したが、2022年は純利益95億円まで減退*2。営業利益率は長期的に7%~10%ほどで推移しており、機械メーカーとしては優良な水準。
*2:2021年の増益は、保有していたハーモニック・ドライブ・システム株の売却益457億円が加わったことが理由。2022年の減益理由は、中国市場における油圧機器の販売の失速。中国不動産市場の不安定化による建設市場の冷え込みが波及。

✔自己資本比率と純資産

ナブテスコの自己資本比率は長期的に50%~60%レベルで安定的に推移。利益が安定しているのみならず、財務体質も極めて良好である。純資産も長期的な増加傾向が続いており、直近の2022年には純資産2,632億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ナブテスコの平均年収は長年に渡って710万~740万円ほどの水準で安定的に推移。中堅機械メーカーとしては上位級の給与水準である。大卒総合職は30歳で500万~600万円、課長職レベルで900万~1,000万円ほど。

✔従業員数と勤続年数

ナブテスコの単体従業員数は微増傾向が続いており、直近では従業員数2,390人に到達。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は7,900人ほど。平均勤続年数は直近で17.3年と長めであり、従業員の定着は相当に良い。

総合評価

企業格付け:B

一般知名度は低いものの株式市場では成長企業として注目される中堅精密機械メーカー。精密減速機・油圧用機器・自動ドア開閉装置・鉄道機器・航空機用部品など幅広い事業展開に加えて、そのどれもが世界的シェアを掌握する高い競争力を有していることで著名。業績は長期的な成長が続いており、2022年には売上高3,000億円に到達。直近では中国市場の不動産バブル崩壊によって建機向け油圧機器の販売が失速したことで減益に沈んだが、それでもしっかりと利益を確保する安定感も大きな強み。複数製品で世界的シェアを掌握するがゆえに、1つの製品が失速しても他製品でしっかりと利益を確保できる。財務体質も自己資本比率50%以上と堅実な水準であるため、多少の業績悪化は悠々と耐え凌げるだけの素地はある。

就職格付け:B

帝人系の機械メーカーであった帝人製機と、神戸製鋼系の老舗ブレーキメーカーの対等合併によって誕生した中堅機械メーカー。BtoB製品に特化した企業であるため一般知名度は低いが、最近では電車内・駅などで広告を多数展開しているため「社名は聞いたことがある」レベルにはなってきたか。給与水準は中堅機械メーカーとしては極めて恵まれており、平均年収700万円以上を長年に渡って維持し続けており、課長職レベルであれば年収1,000万円付近にまで到達できる。福利厚生は独身寮・借上げ社宅制度があるが、大手メーカーには僅かに及ばないレベルの制度設計。R&D・製造部門における主要拠点は岐阜県・兵庫県に集中しているため、同県の出身者であれば前向きに検討したい。とりわけ岐阜県においては給与水準がトップレベルの企業であり、居住コストが安い同県においては最高峰のメーカーの1社であろう。

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