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半導体製造装置メーカー

SCREENホールディングスの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

SCREENホールディングスは、半導体製造装置・ディスプレイ製造装置・プリント基板関連機器などを製造する半導体製造装置メーカー。1868年に石版印刷会社として創業、1930年代には写真印刷用ガラススクリーンの国産化に成功した。戦後しばらくは印刷分野を主力としたが、1975年にはエッチング技術を生かして半導体分野へと進出。現在においては半導体製造装置メーカーとして知られる。半導体洗浄装置では世界的大手であり、世界シェアは約47%と断トツ首位。

POINT

1.半導体洗浄装置で世界シェアの約半分を掌握する半導体製造装置メーカー
2.売上高・利益は成長基調で利益率も優良、ただし業績の浮き沈みが激しい
3.平均年収923万円で京都企業としてはトップクラス、福利厚生も恵まれている

業績動向

✔売上高と営業利益

SCREENホールディングスの売上高は長期的な成長基調が継続。2020年頃には減速したが、2021年には再び成長基調へと復帰している*1。営業利益も上下変動が強めだが、2022年には過去最高となる営業利益765億円を確保。
*1:2020年には世界的なCOVID-19感染拡大による半導体市場の混乱で一時失速したが、同年以降には世界的な半導体不足が発生。2021年以降は台湾・米国などで半導体メーカーが設備投資に注力したことが業績の追い風に。

✔セグメント別の状況

SCREENホールディングスは、SPE事業(半導体製造装置の開発・製造・販売・保守サービスなど)、GA事業(グラフィックアーツ機器の開発・製造・販売・保守サービスなど)、FT事業(ディスプレイ製造装置・成膜装置の開発・製造・販売・保守サービスなど)、PE事業(プリント基板関連機器の開発・製造・販売・保守サービスなど)、その他事業、の5事業を有する。
SCREENホールディングスは5事業を有するが、最主力は半導体製造装置関連。同事業を手掛ける事業会社のSCREENセミコンダクターソリューションズは売上高3,000億円を突破しており、SCREENホールディングスの屋台骨を支える企業規模となっている。

✔最終利益と利益率

SCREENホールディングスの純利益は年度によって好不調がハッキリと分かれる推移*2。好調時には純利益500億円を超える反面、不調時には純利益50億円まで減少する。営業利益率も不安定であるが、好調時には15%レベルにも達する。
*2:半導体製造装置メーカーは世界の大手半導体メーカーを主要顧客とするが、そもそも半導体業界自体が浮き沈みが激しい業界。半導体業界が落ち込むと、半導体製造装置メーカーであるSCREENホールディングスも道ずれに業績悪化する関係にある。

✔自己資本比率と純資産

SCREENホールディングスの自己資本比率は緩やかな増加傾向が続いており、2019年以降は50%台で推移している。浮き沈みが激しい業界であるため、健全な財務体質を構築することで業績悪化に備えている。純資産は右肩上がりで増加しており、直近の2022年には純資産2,999億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

SCREENホールディングスの平均年収は長年に渡って820万~920万円ほどの水準で安定的に推移。半導体製造装置メーカーとしては中堅上位級だが、京都企業としてはトップクラスの待遇。大卒総合職は30歳で620万~700万円、課長職レベルで1,100万~1,300万円ほど。

✔従業員数と勤続年数

SCREENホールディングスの単体従業員数は300人~400人ほどの水準で推移している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は5,900人ほどであり、従業員の多くは事業会社に所属している。平均勤続年数は直近で14.8年と大手企業の標準的な水準。

総合評価

企業格付け:BBB

半導体洗浄装置において傑出した技術を有する企業であり、同装置において世界シェアの約半分を掌握する世界的大手。ナノメートル単位の半導体パターンを高精度に洗浄する技術を有している数少ない半導体洗浄装置メーカーである。半導体関連業界の宿命として業績はやはり不安定気味。取引先である半導体メーカーが世界景気・IT需要に業績左右されやすいため、半導体製造装置メーカーである当社にもその影響が波及する。そうした背景も踏まえて財務体質はかなり堅実であり、直近でも自己資本比率は50%以上を確保。半導体需要が低迷する時期が到来しても耐え凌げるだけの財務基盤を確保できている。しいて言えば、売上高に占める半導体洗浄装置の割合がかなり高めであるため、同領域において強力なライバルが出現した場合には苦しいかもしれない(今のところは圧倒的な競争力で他社を引き離しているため杞憂かもしれないが)。

就職格付け:BBB

京都府を代表する半導体洗浄装置メーカーであり、1860年代から160年以上に渡って京都に本社を置き続けている。一般認知度は極めて低く、地元京都で多少は知られている程度。BtoBビジネスのみの企業であるうえ半導体製造装置メーカー自体がマイナー業界であるため、知名度の低さは宿命である。給与水準は半導体製造装置メーカーらしく恵まれており、2022年には平均年収900万円を突破。京都企業としてはトップクラスの給与水準を実現している。ただし半導体業界の通例として賞与比率がやはり高いため、昨今の業績好調が賞与として上乗せされている点には注意が必要。業績停滞時にはザックリ平均年収800万円ほどまで後退するため、業績好調時にも調子に乗って散財することは避けたいか。福利厚生は企業規模の割には恵まれており、通勤に90分以上かかる独身者には家賃の70%を支給(最大5万円まで)。入社1年目から23日もの有給休暇が付与され、新入社員であってもしっかり休める。事業所は京都~滋賀エリアに集中しており、関西圏の出身者であれば地元密着で高収入を得られる点は大いなる魅力であろう。

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