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マクニカホールディングスの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

マクニカホールディングスは、半導体・FPGA・ネットワーク機器・ITソリューションなどを展開とする専門商社。1972年に神山治貴が電子部品商社として創業、2014年に同業の富士エレクトロニクスと合併したことで国内首位級の半導体商社に躍進。海外半導体を正規代理店として輸入販売する業態を主としており、仕入先数は300社以上。従業員の約30%がエンジニアであり、顧客企業への技術支援にも強い。半導体商社としての国内販売シェアは17%に及び、業界2位のトーメンデバイスを引き離す。

POINT

1.半導体専門商社として首位級、海外半導体の輸入販売に強み
2.売上高・利益いずれも2021年から急伸して絶好調、財務体質も優良
3.30歳で年収700万~790万円ほど、福利厚生は手薄で家賃補助なし

業績動向

✔売上高と営業利益

マクニカホールディングスの売上高は急激な成長基調が続いているが、2022年には売上高1兆円を突破して過去最高を更新*1。営業利益も2021年から増加傾向にあり、2022年には営業利益616億円に到達。
*1:急激な売上高の増加理由は、①為替レートの円安推移による為替効果、②世界的な半導体不足による半導体価格高騰、が主要因。当社は海外半導体の輸入販売が主力事業であるため、円安になると輸入価格が上昇≒売上高の増加に繋がる事情がある。

✔セグメント別の状況

マクニカホールディングスは、集積回路・電子デバイスその他事業(半導体・電子部品の調達・販売、FPGA開発受託、評価ボード・開発キットの提供など)、ネットワーク事業(無線LAN・クラウド・ネットワークスイッチ・サーバなど)、の2事業を有する。
マクニカホールディングスは2事業体制を掲げるが、実際には売上高・利益いずれも集積回路・電子デバイスその他事業が圧倒的な割合を占める。半導体・電子部品の輸入販売がコア事業であり、稼ぎ頭である。

✔最終利益と利益率

マクニカホールディングスは純利益も2021年から増加傾向、直近の2022年には純利益410億円に到達。営業利益率は2019年までは2%前後に留まっていたが、同年以降は営業利益率が上昇基調にある。

✔自己資本比率と純資産

マクニカホールディングスの自己資本比率は長期的に40%~50%前後の水準で推移しており、健全な財務体質を有している。直近では38.6%にやや低下したが、問題ない水準である。純資産は右肩上がりで増加しており、直近では2,076億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

マクニカホールディングスの平均年収は直近で1,719万円と高水準だが、これは持株会社の30名のみの平均年収であり参考にならない。事業会社に所属する大卒総合職は30歳で年収700万~790万円ほど、課長職レベルで年収900万~1,200万円レベル。

✔従業員数と勤続年数

マクニカホールディングスの単体従業員数は直近で30人であり、ほとんどの従業員は事業会社に所属している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は4,200人ほど。平均勤続年数は直近で21.8年と長いが、これも持株会社の30名のみの平均勤続年数であり参考にならない。

総合評価

企業格付け:BBB

一般知名度は極めて低いが、半導体商社として国内首位級の最大手企業。2015年頃から急激に存在感を増しており、①同業の富士エレクトロニクスとの合併、②2020年以降の世界的な半導体不足を追い風とした業績拡大、を背景に業績成長が続いている。売上高はいよいよ大台の1兆円を突破。これは為替レートの円安推移で半導体価格が高騰したことで見かけの売上高が伸びた事情が大きいが、それでも売上高1兆円突破は大きな成長である。財務体質も自己資本比率30%以上と商社の中では優良な水準をしっかり確保しており、財務基盤も健全。将来的に為替レートが円高方向に転換した場合には売上高の下押し圧力が増すが、IT需要の拡大という社会環境からすれば半導体商社の必要性は今後もまったく変わらない。1970年代創業の歴史が浅い企業ではあるが、これからの成長にも期待が持てるだろう。

就職格付け:BBB

BtoB事業が主のため一般知名度は壊滅的に低い、また専門商社界隈においても鉄鋼専門商社と比べて半導体専門商社はいまいちパッとせず認知度が上がらない。が、ますますIT化が進展する現代において、海外半導体を輸入・販売する半導体商社は必要不可欠な存在。海外半導体を必要とする顧客企業に対して技術支援・アフターサポートを通して、最終製品への半導体組み込みを実現していく点において存在意義は大きい。給与水準はそこそこ恵まれており、大卒総合職であれば30歳で年収700万円には到達できる他、課長職レベルになれば年収1,000万円は超えられる。ただし福利厚生はかなり手薄であり、家賃補助制度・家族手当などはなく、基本給に含みとなっている。総じて、半導体専門商社としては優良な給与水準であるが、トップ級の鉄鋼専門商社と比べるとまだまだ待遇面はギャップがある印象は拭えないか。

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