本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
スター精密は、モバイルプリンタ・自動旋盤を主力とする工作機械メーカー。1950年に腕時計部品の製造を目的として創業、当初はシチズン時計向けの腕時計部品によって事業規模を拡大した。その後、自社の部品加工用として自動旋盤を内製したことを契機に工作機械分野へ進出。1958年には自動旋盤の製品化に成功し、1976年にはCNC自動旋盤を販売開始している。現在では、工作機械・プリンタを2本柱に事業展開しており、高利益率なニッチ商品に特化するグローバルニッチ戦略を掲げる。精密部品加工用のスイス式自動旋盤やモバイルPOS向け小型プリンタにおいて世界シェア首位級。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:63(中堅上位)
事業構造が小さいながらも、静岡県ではトップクラスの待遇を提供する1社と知られる。業績はかなり不安定だが、財務健全性を高めることで安定性を担保している。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
■66→63に改定:2022年からの業績後退の長期化と、それに伴う平均年収の低下を再評価。2ノッチ格下げとした。(2026年4月)
✔就職難易度:難関上位級
総合職の採用数は年間0人~10人と極めて少なく、年度によっては採用ゼロの年も。一般知名度は壊滅的に低いが、地元・静岡県では優良企業として知られる。同県出身者のUターン就職先としての評価は高い。
採用大学:【国公立】名古屋大学・筑波大学・金沢大学・静岡大学・岐阜大学・横浜市立大学・名古屋工業大学・豊橋技術科学大学など、【私立】早稲田大学・立教大学・立命館大学・南山大学・専修大学・名城大学・東京理科大学・東京電機大学・芝浦工業大学など(出典:マイナビ2028)
業績動向
✔売上高と営業利益
スター精密の売上高は年度により好不調が分かれており、過去8年間は456億〜873億円のレンジで変動*1。2020年には売上高457億円に急落したが、3年後には過去最高となる873億円に急増している。営業利益は2020年に21億円に下落したが、2022年は139億円まで増加。その後は再び減益に直面している。
*1:当社は工作機械事業が売上高・利益の大半を占めるため、顧客企業の設備投資意欲に業績が大きく左右される。2020年にはCOVID-19感染拡大に伴う需要急減で売上高が大きく落ち込んだが、2022年には米国・欧州での設備投資需要の回復を背景に業績が急回復した。
✔セグメント別の状況
スター精密は、特機事業(小型プリンター・カードリーダーライターの製造・販売など)、工作機械事業(CNC自動旋盤・スイス型CNC自動旋盤などの工作機械の製造・販売)、の2事業を有する。
当社の事業構造は、工作機械事業におけるCNC自動旋盤を主力としながら、特機事業を補完的に展開することで成立している。主力の工作機械事業では、スイス型CNC自動旋盤を主力としており、小型・高精度部品の量産加工というニッチで強い領域を押さえている。得意領域は自動車・医療機器・デジタル機器・一般機械向けの小型精密部品が中心であり、部品の小型化・高精度化が進むほど需要が高まる傾向がある。一方の特機事業は、レシートプリンターを中心とする業務用小型プリンター事業であり、華やかさは乏しいが、世界中の店舗・飲食店・施設向けに安定した需要を持つ。かつては腕時計向け精密部品製造が主力事業であったが、現在は北海道に所在する子会社・ミクロ精密へ移管されている。
✔最終利益と利益率
スター精密の純利益は過去8年間は17億〜102億円で推移しており、好不調が明確に分かれる。2022年には純利益102億円に到達した一方、2024年には18億円まで再び後退している*2。営業利益率も上下変動が激しく、不調時には4%まで低下しつつも、好調時には15%以上の高利益率へと到達する。
*2:2024年・2025年に純利益が低迷した理由は、①北米・欧米市場における金利上昇の長期化による設備投資の停滞、②中国における景気後退の長期化による販売停滞、など。
✔自己資本比率と純資産
スター精密の自己資本比率は2023年に85.6%に到達したが、同年以降は横ばい傾向。実質無借金経営を達成しており、財務健全性は非常に高い。業績変動が激しいゆえに、好調時の利益を蓄えることで不況時の耐性を強めている。純資産は2021年から増加傾向が続いており、2025年には1,035億円に到達している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
スター精密の平均年収は706万~998万円のレンジで推移しており、業績に応じた浮き沈みはかなり激しい。とはいえ、業績好調時には地元・静岡県における最高峰の給与水準を得ることができるのは魅力。総合職の場合、30歳で年収550万~680万円ほど、課長職レベルで年収950万~1,150万円が目安となる。
✔従業員数と勤続年数
スター精密の単体従業員数は2022年まで減少傾向が続いていたが、同年以降は回復傾向。2025年には507人ほどに過ぎず、少数精鋭の組織体制である。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は1,642人ほど。平均勤続年数は18.1年(2025年)と、大手企業の標準的な水準を上回る。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
総合評価
✓
SSS~Fランクの21段階評価で、企業の立ち位置を明確に示します。
✓
無料版では扱わない評価情報まで踏み込み、企業の実態に迫ります。
✓
公開データと独自取材・分析を統合、中立公正な評価を提供します。
✓
全業界550社以上を網羅的に比較し、企業理解を深められます。
✓
いつでも登録解除可能です。期間の縛りはありません。
※登録方法・Q&Aはこちら
