本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
シチズン時計は、時計製造を主力とする精密機械メーカー。1918年に貴族院議員の山崎龜吉が尚工舎時計研究所として設立。戦前から懐中時計・腕時計を製造し、精工舎(現・セイコーグループ)と並ぶ大手時計メーカーとして躍進。1960年代からは精密技術を活かして事務機器分野へと進出、1980年代には工作機械・電子部品分野にも事業領域を拡大。2000年代からはスイス・アメリカの老舗ブランドを次々と買収、低価格~高価格帯までの製品ラインナップを強化。現在では腕時計ブランド『アテッサ』『プロマスター』『Q&Q』の他、高級ブランドとして『ザ・シチズン』『カンパノラ』『アーノルド・サン』などを展開。世界中の時計メーカーに時計部品(ムーブメント)を販売する部品サプライヤーとしても知られ、クオーツ式ムーブメントでは1999年に累計生産数量17億個がギネス記録に認定された。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:63(中堅上位)
時計分野における業界大手として世界的な知名度を誇る。給与水準・福利厚生は精密機械メーカーとしては上位クラス。財務健全性は大いに高く、世間が思う以上の優良企業である。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:難関
直近数年は総合職の採用数が年間5人~20人と門戸が狭いうえ、一般知名度の高さから採用倍率が高止まりしやすい。採用数の少なさから下手な大手メーカーよりも入社が難しくなっている。
採用大学:【国公立】東北大学・筑波大学・広島大学・横浜国立大学・信州大学・秋田大学・東京農工大学・長岡技術科学大学、【私立】早稲田大学・上智大学・中央大学・立命館大学・南山大学・日本大学・獨協大学・東京理科大学・芝浦工業大学・金沢工業大学・多摩美術大学(出典:マイナビ2028)
業績動向
✔売上高と営業利益
シチズン時計の売上高は2,700億~3,200億円ほどで長期的に推移している。2021年のみ売上高2,066億円まで急落*1したが、現在では元の水準にまで回復を遂げている。営業利益は2020年・2021年に急落したが、同年を除けば200億~250億円レベルで安定的に推移している。
*1:2021年に売上高・利益が急落した理由は、COVID-19感染拡大の影響。当社は、①世界的な外出規制・景気後退による腕時計需要の大幅減少、②訪日外国人観光客の激減による腕時計販売の減少、③大手メーカーの設備投資の見送りによる工作機械の販売低迷、に苦しんだ。
✔セグメント別の状況
シチズン時計は、時計事業(腕時計・掛時計、ムーブメントなど)、工作機械事業(CNC自動旋盤・マルチステーションマシニングセルなど)、デバイス事業(自動車部品・水晶デバイス・小型精密モータ・照明用LED、プリンター、体温計・血圧計・体組成計・歩数計など)、の3事業を有する。
当社の事業構造は、自社ブランドによる時計事業を主力としながら、工作機械・電子部品までを自社で抱える総合精密メーカーとして成立している。自社内ですべての時計部品を内製できる世界的にも珍しい企業であり、他の腕時計メーカー向けにも時計部品(ムーブメント)を供給する垂直統合型の事業構造にも特徴がある。かつては実用時計を主力としてきたが、2000年代以降は海外の著名ブランドを買収することで製品ポートフォリオを拡大しており、世界的な知名度を持つ『ブローバ』『フレデリック・コンスタント』『アーノルド・サン』なども傘下に収めることで、低価格帯から高価格帯までを広くカバーする体制を構築している。更には、時計製造に必要な精密加工・小型化・電子制御を応用することで、工作機械・電子部品にも事業領域を広げてきた。とりわけ工作機械事業は、CNC自動旋盤において世界シェア1位に君臨しており、世界的な競争力を確立している。
✔最終利益と利益率
シチズン時計の純利益は2020年・2021年には大幅赤字に転落したが、2022年からは200億円レベルへと回復。2025年には過去最高となる純利益238億円に到達している*2。営業利益率は2020年・2021年を除けば6%~8%レベルで推移しており、機械・電機メーカーとしてはやや高めの水準である。
*2:2025年に純利益が増加した理由は、①世界的な腕時計ブームの再来による中価格帯~高価格帯モデルの販売好調、②自社ブランドにおける機械式時計ラインナップの強化による欧米市場での販売拡大、③為替レートの円安推移による為替効果、など(参考リンク)。
✔自己資本比率と純資産
シチズン時計の自己資本比率は61.6%(2025年)と高水準であり、負債に依存しすぎない事業運営ができている。2020年・2021年の業績悪化でやや低下したが、財務健全性は高い。純資産は2021年に2,128億円まで低下したが、2025年には2,641億円まで回復を遂げている。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
シチズン時計の平均年収は2021年・2022年に一時的に減少*3したが、2025年には767万円まで回復。総合職の場合、30歳で年収490万~580万円ほど、課長職レベルで年収920万~980万円が目安となる。平均年齢は44.0歳(2025年)と、大手企業の標準的な水準をやや上回る。
*3:2020年・2021年における業績悪化による賞与減少が打撃となり、各年度の翌年にあたる2021年・2022年に給与水準が一時的に低下した経緯がある。が、2023年以降は業績回復により給与水準も回復を遂げている。
✔従業員数と勤続年数
シチズン時計の単体従業員数は788人に過ぎず、従業員の大半は事業会社に属している。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は1.23万人ほど。平均勤続年数は18.1年(2025年)とかなり長めの水準であり、従業員の定着は良好である。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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