カテゴリー
電機メーカー

シチズン時計の企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】シチズン時計

企業概要

シチズン時計は、時計製造を主力とする精密機械メーカー。1918年に貴族院議員の山崎亀吉が尚工舎時計研究所として設立した。創業から時計製造が一貫して主力事業ではあるが、世界中の時計メーカーに時計機械(ムーブメント)を販売する部品サプライヤーでもある。とりわけクオーツ式ムーブメントは得意分野であり、1999年には累計生産数量17億個がギネス記録に認定。時計製造で培った機械・電子技術を活かして、工作機械・自動旋盤・自動車部品・電子部品など事業多角化にも成功。

POINT

1.世界的な時計メーカー、セイコーグループと双璧を為す存在
2.売上高の成長は頭打ちでCOVID-19流行による打撃大、しかし財務は極めて健全
3.平均年収644万円と標準的だがボーナス減の影響、数年前は平均年収700万円以上

業績動向

✔売上高と経常利益

シチズンの売上高は概ね3,000億円レベルで推移しているが、2019年~2020年に大幅失速*1。営業利益は2019年・2020年を除けば概ね200億円台で推移している。
*1:COVID-19感染拡大による世界的なロックダウン・外出規制により装飾品としての腕時計需要が大幅減少。シチズンは宝飾時計ではない実用時計が主力のため、外出減少による需要低迷が顕著であった。

✔セグメント別の状況

シチズン時計は時計事業(時計・ムーブメント)、工作機械事業(工作機械・NC自動旋盤)、デバイス事業(自動車部品・Switch・LEDほか)、電子機器事業(プリンター・健康機器ほか)の4事業を有する。
時計メーカーとして著名ではあるが、時計事業は売上高の約47%に過ぎず、他事業の業績貢献はかなり大きい。利益面では工作機械事業が時計事業を上回る貢献を果たしており、事業多角化に成功している。

✔最終利益と利益率

シチズン時計の純利益は概ね100~200億円レベルで推移しているが、2019年・2020年には大幅赤字に転落。自己資本利益率は概ね5~7%レベルで推移しており、標準的な水準。

✔自己資本比率と純資産

シチズン時計の自己資本比率は直近で58.1%と大手メーカーとしては非常に高めの水準。2019年・2020年の業績悪化で若干下がったものの、依然として極めて健全な水準。純資産は2018年の2,675億円をピークに横這い推移。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

シチズン時計の平均年収は直近で644万円と中堅メーカーとしては標準的な水準*2。平均年齢は右肩上がりで増加しており、直近では平均年齢44歳とかなりの高齢企業。
*2:2018年頃までは平均年収700万円を越えており、中堅メーカーとしては優良な水準であったが業績悪化によるボーナス減少が打撃に。

✔従業員数と勤続年数

シチズン時計の従業員数は減少傾向にあり、直近では1.25万人まで縮小。平均勤続年数は18年前後と中堅メーカーとしてはかなり長く、居心地の良い職場である可能性が高い。

総合評価

企業格付け:CC

セイコーグループと並ぶ日系時計メーカーの代表格。シチズンが普及価格帯のブランドであることから、最近では海外ブランドの買収に熱心であり、多数の著名な海外時計ブランドを次々と傘下に収めた(フレデリックコンスタント・アルピナ・アーノルド&サン・ブローバなど)。より高収益で付加価値がある時計ブランドへの転換を急ぐが、ハイブランド市場は著名な時計ブランドが激しい争いを繰り広げており、普及価格帯のイメージが強いシチズン時計がどこまで健闘できるかは依然不透明。業績は横這いで成長性こそ欠けるが、COVID-19感染拡大期の急激な業績悪化からは回復しつつある状況。財務基盤は自己資本比率50%以上で大いに堅牢、多少の業績悪化では心配に及ばない健全性。

就職格付け:C

腕時計でとりわけ著名な会社だが、実際には売上高3,000億円レベルの中堅メーカーであり高い知名度の割には企業規模はそこまで大きくはない。直近ではCOVID-19流行以降の業績悪化で平均年収が減少しているが、2018年頃までは平均年収700万円以上であった。財務体質は極めて健全であり、当面は倒産リスクとは無縁。平均勤続年数も18年を超えており、安定した終身雇用を重視する場合には魅力的な企業であろう。BtoCの商材を扱っている為に知名度とブランド力は高く、勤務先が名が知れている企業である点はかなりのポイントか。

就職偏差値ランキング【完全版】はこちら!