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建設会社

ダイダンの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

ダイダンは、ビル・工場向け空調・水道・電気工事を主力とする建設会社。1903年に菅谷元治が電気器具販売店として創業。1907年には電気工事会社へと転換したが、第一次世界大戦後に大阪電気暖房と合併。1930年代には関東軍の指定工事業者として満州地域で事業拡大を果たした。戦後にも高度経済成長・バブル景気における建築ブームを追い風に成長、大阪万博会場や関西国際空港の工事にも参画。現在においても電気工事系サブコン大手5社に数えられる業界大手。

POINT

・空調・電気・給排水設備工事を主力とするサブコン大手、大阪地盤
・売上高・利益いずれも安定的、利益率はそこそこだが財務健全
・平均年収898万円と業界上位級、平均勤続年数17年と長め

業績動向

✔売上高と営業利益

ダイダンの売上高は年度により変動しつつも長期的には増加傾向。直近では売上高1,859億円まで増加し、リーマンショック以前の水準にまで回復*1。営業利益も緩やかな増加傾向が続いているが、2019年以降は80億~90億円前後で推移。
*1:当社は建設会社ゆえに受注工事高・完成工事高の2指標がある。受注は景気動向・顧客動向などに応じて年度ごとの変動が激しいが、完成工事高(≒売上高)はある程度は安定している背景がある。

✔セグメント別の状況

ダイダンは設備工事事業(ビル・工場などの電気設備・空調設備・給排水衛生設備の設計・管理・施工、アフターサービスなど)のみの単一事業会社である。
当社は設備工事事業に特化した企業であるが、同事業では空調設備・電気設備・給排水設備の3分野を施工対象としている。現社名の由来となった旧社名・大阪電気暖房が示す通り、戦前から現在に至るまで空調工事を得意としており、現在でも売上高の約60%を空調分野が占める。

✔最終利益と利益率

ダイダンの純利益は長期的に40億〜60億円ほどで安定的。景気後退局面も含めて利益確保ができている。営業利益率も長期的に4%〜5%ほどで推移しており、大手ゼネコンよりもやや低めの利益率である。

✔自己資本比率と純資産

ダイダンの自己資本比率は2018年頃から55%前後の水準で安定しており、財務体質は健全。純資産は安定した利益をベースに堅調な増加傾向にあり、2022年に純資産824億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ダイダンの平均年収は年度によりまちまちだが、長期的に890万∼950万円ほどの水準で推移している*2。総合職の場合、30歳で700万〜780万円、課長職レベルで年収1,200万~1,450万円ほどが目安。
*2:当社はいわゆるサブコンに該当するが、給与水準は相当に高い。この要因は、①大手デベロッパー・大手メーカーから好採算案件の受注を勝ち取っている点、②残業・出張に伴う手当が厚い点、など。

✔従業員数と勤続年数

ダイダンの単体従業員数は長期的に微増傾向が続いており、直近では1,645名の組織体制。平均勤続年数は微減傾向にはあるが、直近でも平均勤続年数17.1年と建築業界トップクラスの定着率を誇る。

総合評価

企業格付け:BBB

■業績動向
緩やかな増加基調。昨今の好景気・建設ブームを受けて売上高・利益いずれも増加傾向。バブル景気の建設ブーム時には売上高2,000億円を優に超えるまで事業拡大を志向していたが、最近は過度な拡大路線は避けて安定成長を図っている。2023年には営業利益100億円・純利益85億円を見越しており、過去10年間で最高圏の好調が続く予定。

■財務体質
安定的。手元の現預金は直近で200億円規模あり、自己資本比率も55%ほどの高水準を維持し続けている。有利子負債は30億円ほどに留まり、「金融機関とのお付き合い」程度しか有利子負債はない。景気後退局面にも利益安定しており、目立ったリスクは見当たらない。

■ビジネス動向
2030年に向けて長期ビジョンを策定。空気・光・水への知見を活かした総合エンジニアリング技術を伸ばし、総合設備工事会社としての進化を志向。当面は半導体工場・データセンターなどの需要拡大に応じて、産業施設向け空調施設の受注拡大を目指す。新規事業には比重を置かないが、子会社のセラボヘルスケアサービスを通して再生医療施設エンジニアリングへの進出を伺う。

就職格付け:BB

■給与水準
建築業界上位級。平均年収は長期的に890万∼950万円で推移しており、高位安定。サブコンとしては最上位の給与水準であり、他業界と比較しても相当に高め。総合職なら30歳で年収700万円は一律で到達し、課長職まで昇進すれば年収1,000万円は固い。

■福利厚生
そこそこ。30歳以下の若手社員には独身寮が与えられ、家賃は月数千円レベルと格安。ただし30歳以上・既婚者になると退寮となり、その後は家賃補助制度や社宅制度などはない。技術士・建築士・施工管理士などの資格取得が奨励されており、取得すると報奨金がでる。

■キャリア
営業職・事務職・技術職の3職種制。年功序列色が強いため、真面目に勤続していればリーダークラスまでは概ね昇進する。実力を発揮する社員はスピード昇格させることもあり、若くして管理職となることも可能。2021年に65歳定年へと制度改定。

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