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ジャフコグループの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

ジャフコグループは、ベンチャー投資・バイアウト投資・ファンド運営などを手掛ける大手ベンチャーキャピタル。1973年にベンチャー投資を目的として野村證券・日本生命・三和銀行の合弁会社として設立。以来、日本最古かつ最大のベンチャーキャピタルとして君臨してきた。主力事業はベンチャー企業投資とバイアウト投資であり、累計投資先数は4,167社にも上る。日本を代表するベンチャー企業群にも投資実績があり、チャットワーク・マネーフォワード・UUUMなどが株式上場を果たしている。

POINT

1.日本最古かつ最大のベンチャーキャピタル、旧野村グループ
2.売上高・利益は横ばい傾向が強い、金融環境の悪化で直近の業績は暗雲
3.平均年収1,365万円だが年功序列色が強い、福利厚生も極めて良好

業績動向

✔売上高と営業利益

ジャフコグループの売上高は2015年をピークに減少傾向。通常の事業会社とは異なる収益構造ゆえに上下変動が激しい*2。営業利益は長期的に120億~190億円ほどで推移してきたが、2022年には赤字転落しており営業損失44億円を計上*2。
*1:ジャフコグループの売上高は主にファンド管理報酬・成功報酬・キャピタルゲインから構成される。それゆえ金融マーケット、特に株式市場の好不況により業績を大きく左右される。
*2:2022年は世界的に金融引き締めが進んだことで事業環境が悪化。キャピタルゲインが大きく減った他、将来の業績悪化に備えた投資損失引当金を繰入したことで赤字転落。

✔セグメント別の状況

ジャフコグループは、ファンド運用事業(ベンチャー投資・バイアウト投資・投資ファンド運営・投資先への経営アドバイザリーなど)のみの単一事業会社である。
主力事業は国内外における未上場株式への投資。当社が設立した投資ファンドがベンチャー企業へ投資するビジネスモデルであり、①ファンド管理報酬・成功報酬、②キャピタルゲインの分配、を得ている。当社のファンドには金融機関・事業会社も参画しており、過去の出資金の総額は1兆円以上に及ぶ。

✔最終利益と利益率

ジャフコグループの純利益は、2020年・2022年に大きく増加*3。営業利益との連動性は薄く、業績好調である。営業利益率は好調時には40%~60%に達しており著しく高利益率だが、2022年には▲31%まで急降下。
*3:2022年は本業は赤字転落していたが、有価証券売却による特別利益で純利益を確保。長年に渡って保有していた野村総合研究所の株式をすべて売却して特別利益637億円を計上。

✔自己資本比率と純資産

ジャフコグループの自己資本比率は80%前後の高水準で推移しており、大いに健全な水準。ベンチャー投資は自己資金とファンド資金で賄っており、有利子負債は頼っていない。純資産は上下変動が激しく、直近の2022年には1,307億円に後退。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ジャフコグループの平均年収は長年に渡って1,000万~1,200万円ほどの水準で安定的に推移。大手金融機関をも優に上回る給与水準を達成している。大卒総合職であえば30歳で1,000万~1,250万円、課長職レベルで1,500万~1,800万円ほど。

✔従業員数と勤続年数

ジャフコグループの単体従業員数は100人規模に過ぎず、極めて少数精鋭の組織体制となっている。平均勤続年数は直近で15年~17年ほどで推移しており、平均勤続年数が短くなりがちな金融業界にありながら従業員の定着がよい企業である。

総合評価

企業格付け:AAA

日本最大のベンチャーキャピタルであり、非上場株式への投資においては日本屈指の実績を有する名門企業。50年以上に及ぶ歴史において累計投資先数は4,000社を優に上回り、うち1,000社以上を株式公開まで導いてきた。が、直近における業績はやや不調気味。というのも2021年から世界的な金融引き締めが進んだことで、当社が得意とする未公開株式の投資先としての魅力が低下。未公開株式への資金流入が減少したことでファンド関連報酬やキャピタルゲインが低下する状況にある。直近ではリーマンショック直後の2009年から13年ぶりに営業損失に転落。あくまでも金融環境の逆風による業績悪化であり当社の投資手腕が鈍っているわけではないが、事業環境は楽観視できない。とはいえ、財務体質は自己資本比率80%近傍と極めて堅実であり、倒産リスクとはまず無縁。過去にはバブル崩壊・リーマンショックなどの最悪期もこなしてきた実績を考慮すれば、遠からず復活すると期待できるだろう。

就職格付け:S

日本・アジア・アメリカでベンチャー投資を実践する日経最大手のベンチャーキャピタル。新事業を開拓する新興企業に対して投資することで事業成長を支えてきた歴史があり、最近ではUUUMやマネーフォワードなどの著名企業も当社が創業初期から投資を実行して支援してきた。一般知名度は高くないものの、新興企業への支援を通じた日本経済への貢献度合いは絶大である。給与水準は平均年収1,000万〜1,200万円ほどで安定しており、30歳前後で年収1,000万円は優に超える。外資系ベンチャーキャピタルと比べると薄給であるが、当社は平均勤続年数15年近くをキープしており従業員の定着が良い点が強み。福利厚生も極めて恵まれており、家賃補助制度では最大10万円/月までを支援。日系最大手企業のなかでもトップクラスの補助額である。そもそとベンチャーキャピタル自体が新卒採用をしない企業が多数を占めるなか、新卒採用・中途採用いずれも取り組んでいるだけでも珍しい。メガバンクとは異なりドサ周り営業を経験せず、最初からダイナミックなベンチャー投資に携われるキャリアパスも極めて恵まれている。総じて、日本企業トップクラスの優良企業である。

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